2009/09/22(火)

朝ラッシュ時の地下鉄の駅に行ったら、カード販売機に張り紙がしてあって使用中止になっていた。あれれ、どうやって乗ったらいいのだろうと焦ったが、午前9時までは無料(무료)という特別キャンペーンだった。でも今日の目的地は郊外なので、確実に途中で9時を過ぎてしまう。そうすると下車駅でややこしいことになるかもしれないので、とりあえず乗換駅まで行ってから、一旦改札の外に出て時間調整をすることにする。9時を少し過ぎたところで販売機と自動改札が普段通りの設定に戻ったので、カードを買って京釜線(경부선)の高架ホームに上がる。まだラッシュは続いているようで、しかも運転本数が少ない方の行き先だったためか、2つ目の駅までは超満員状態だったが、そこから先は徐々に空いていった。

韓国民俗村

1時間弱の乗車で水原(수웡)に到着。地下の改札から地上に出て、駅前の観光案内所を探して、韓国民俗村(한국민속촌)の入場券を購入。ここで券を買うとノンストップの無料連絡バスに乗ることが出来るが、1時間ごとの運転で初発は10:30だったので、これ以上早く来ても結局一緒だったんだね。市バスに乗っても運賃は約100円だけど所要は1時間。それに対して連絡バスはというと30分と少しで着いたのでこちらの方が断然速かった。民俗村には去年も来たけれど、土砂降りでほとんど見学出来ず、パフォーマンスも中止になってしまった。でも今日はとても良い天気なので、じっくり見学出来そうである。入場した時点で既に一番最初の農楽の開始時刻を過ぎていたが、村内中央の公演場に急いだら、ちょうど鮮やかな衣装を来た楽団が入場しているところだった。旋律を奏でるのは細長い金管楽器1台のみで、残りは全て打楽器という構成。帽子の先に着けた細長い布を、まるで新体操のように翻しながら踊る場面もあった。

農楽に続いて隣の会場の綱渡りを見学。その道30年以上のベテランが、3メートルの高さに張った綱を渡って行く。手にしているのはサーカスのような天秤棒ではなく、大きな扇子が片手に一つ。片足を上げたり、胡座の姿勢で跳ねたりと、様々な曲芸を次々と披露。それが終わると、今度は伝統婚礼式(模擬)が開催される両班家(양반가)へ。新郎だけの儀式の後、両側に付添人を連れた新婦が登場。向かい合って瓢箪の杯を交わしたりする儀式が済むと、新郎と新婦はそれぞれ待機していた馬と籠に乗って退場。ここまでで1時間半が経過していたので、昼食のため市場(시장)に向かう。様々な伝統料理があったので、食券を買う時少し迷ったけれど、去年食べたのと同じドングリのゼリー(도토리묵)入りのビビンバを注文。

龍駒衙門

食後は午後1番で馬上武芸を見学。逆さ乗り、立ち乗りや流鏑馬などの曲芸が続いて、あっという間に30分が過ぎる。4つの演目を全て見終わったところで午後1時半。今度は敷地内に移築した伝統的家屋を順に見て回る。すぐ近くの官庁(관정)から山村集落を経て両班家へ。市場を通り抜けて川を渡ると、どこかで見たような茅葺き屋根があるのが済州島の民家群。去年この場所で済州島独特の文化の話を聞いて済州島に興味を持ったのだけど、実際に済州島を訪ねた帰りにこの場所に再び立つというのは感慨深い。伝統民俗館は去年入ったのでパスして、忠賢書院を見てから再び川を渡る。

伝統家屋

北部地方や中部地方の民家群や南部地方の屋敷、丘の上にある金蓮寺(금련사)や陶磁器工房まで回ると、主立った建物は一通り見たことになる。最後の方は早足となってしまったが、5時の最終バスまで少し余裕があったので、正門近くの喫茶店に入って冷たい五味子茶で一服。結局滞在時間は最大限の6時間となったので、世界遺産の水原華城(수웡화성)はまたの機会ということになる。ソウル郊外だから遠からず来ることになるだろうけれど、江南(강남)地区から水原までの地下鉄が建設中なので、それが開通してから来るのが良さそうである。

参鶏湯

帰りは駅の反対側に到着したので、橋上改札からホームに降りる。地下鉄1号線直通の京釜線列車に1時間乗って、ソウル駅(서울역)で3号線に乗り換えて明洞(명동)に出る。大勢の人で賑わう歩行者専用道を歩き、小路に入った所にある「百済参鶏湯(백제삼게탕)」へ。参鶏湯を食べるのは初めてのことで、大量に発生する鶏ガラに少々手間取ったものの、薄味のスープをキムチと一緒に食べると美味だった。食後はすぐ近くの「オーソルロク・ティーハウス(o'sulloc Tea House)」に入って、グリーンティラミスとグリーンラテを注文。どこかで聞いたことのある店名だと思ったら、済州島の茶博物館と同じ系列だったんだね。帰りは2号線に乗って、乗り換えなしで江南地区に戻る。