2009/11/01(日)

朝7時過ぎに宿を出て、昨日のうちに下見をしておいた集合場所に向かう。迎えのバスに乗って上環のフェリーターミナルに移動。渡された乗船券を手に出国審査場に進むと、多くの観光客で混雑していた。出国手続きを済ませてから、座席指定を受けて高速双胴船に乗り込む。香港を出てから約1時間でマカオに到着。

こちらも晴れているようだが、靄かが掛かっていて近くの景色さえ霞んでいる。桟橋のフェンス越しに飛行機が見えたので驚いたが、空港のすぐそばということは着いたのはタイパ島(氹仔島/Ilha da Taipa)側だったんだね。海上にある滑走路から陸上にあるターミナルへ、誘導路を進んでいる途中だったようである。案内表示が広東語、ポルトガル語、英語になっているのを見て、マカオに来たことを実感。1997年の香港に続いてマカオも1999年に中国に返還されたが、どちらも返還後50年は一国二制度を続けることになっているので、中国、香港、マカオの間を行き来する際には今でも入出国の手続きが必要である。ということで入国手続きを済ませ、ツアー参加者が揃うのを待ってから、一日観光のバスに乗車。

媽閣廟

海に架かる3本の長大橋のうち一番西側の西彎大橋(Ponte de Sai Van)を渡って、マカオ半島(澳門半島/Península de Macau)に渡る。中国本土側も埋め立てが進み、マカオとの間は幅数百メートルの水路のようになっている。半島部には高層アパートが建ち並び、香港島の下町と似たような雰囲気になっていたが、香港ほど建物は密集していないようである。最初に訪れたのは媽祖を祀った媽閣廟(Templo de Desua A-má)。航海や漁業を司る媽祖は福建、広東、台湾で信仰される道教の女神で、日本の長崎や横浜でも祀られている。そして"Macau"というポルトガル語地名は、「媽閣廟」の広東語の発音“マコッミウ”に由来しているのだとか。廟内には香港の文武廟にもあった巨大な渦巻き線香が吊されていた。丘の上の方にも建物があったが、時間がないのですぐに集合場所に戻る。

マカオタワーより

続いて半島最南部に移動して、マカオタワー(澳門旅遊塔/Torre de Macau)へ。高さは338メートルなので、東京タワーより少し高い。エレベーターで58階の展望台に上り、景色を眺める。時間が経つにつれ靄は薄まってきて、北側はマカオ半島の少し先まで見えていたが、逆光となる南側は光が散乱してタイパ島の影が微かに見えるだけだった。タワー上階ではバンジージャンプの他、安全ロープを装着して外を歩く体験が出来るようになっていた。ツアーでは時間がないので当然無理だが、時間があったとしてもスカイウォークでさえかなり怖そう(^^;

セナド広場

タワーから下りた後は、丘の上の高級住宅地を通って旧市街に向かう。後から調べると「夜会Vol.6シャングリラ」のロケに使われた建物(旧ホテル・ベラビスタ/現ポルトガル領事館)の前を通っていたようである。バスを降りて丘の上にある聖ポール天主堂跡(大三巴牌坊/Ruínas de S. Paulo)へ。17世紀に建築で、19世紀の火災により正面の壁などを残すのみとなっているが、広場を見下ろす見晴らしの良い場所にある。垣間見える路地は南欧の雰囲気がある。広東語とポルトガル語が併記された街路名表示は、ポルトガル名産のアズレージョ(青い陶製タイル)である。旧城壁の遺構とナーチャ廟を見学してから、階段を下りて聖ドミニコ教会(玫瑰聖母堂/Igreja de S. Domingos)を訪れた後、白黒の波模様のモザイクが敷き詰められたセナド広場(議事亭前地/Largo do Senado)まで歩く。この辺りはコロニアル風の建物が並び、異国情緒溢れる場所となっているが、幾つかの建物の外壁が改装中なのか保護シートで覆われていた。

エッグタルト

昼食は半島南東部にあるホテルでビュッフェ形式。折角なのでポルトガルワインをグラスで注文。 午後はタイパ島に戻って、世界最大のカジノ「ヴェネチアン・マカオ・リゾート」へ。マカオはカジノが集まる街で、売り上げでは米国のラスベガスを追い抜いたとのこと。希望者はここで下車してカジノを体験出来ることになっていたが、特に興味がなかったのでそのままコロアネ島(路環島/Ilha da Coloane)に向かう。タイパ島とコロアネ島は元々別の島だったが、間を埋め立てて陸続きとなっている。その間の地区は両者の名前を取ってコタイ(路氹/Cotai)と呼ばれ、現在開発が進行中である。島の南西部にあるコロアネ村(路環市區/Vila de Coloane)に着いたら、まずはエッグタルトの試食。リスボンで食べたのが懐かしい。聖フランシスコ・ザビエル教会(聖方齋各聖堂/Igreja de S. Fransisco Xavier)を訪れた後、南欧のような雰囲気の街並を散策。空はすっかり晴れて気温も30度近くで結構暑い。迎えに来たバスでタイパ島に戻り、カジノに立ち寄ってから乗船場に向かう。

出国・乗船手続きを済ませ、少し待ってから船に乗り込む。約1時間で香港に戻って再入国。帰りは宿泊ホテルまで直接送って貰う。夜はガイドブックに載っていた近くの店に行ってみたら開いていなかったので、コンビニのサンドイッチで済ませる。