2009/11/02(月)

今日は公共交通で市内観光ということで、地下鉄(MTR)の駅で一日乗車券(遊客全日通/Tourist Day Pass)を購入。まずは港島線(Island Line)で金鐘(Admiralty)に出て、向かい側のホームから荃灣線(Tsuen Wan Line)に乗り換え、ビクトリアハーバーを潜って尖沙咀で下車。車内アナウンスは、広東語、北京語、英語の順に流れる。広東語も抑揚のある単音節言語なのでぱっと聞いた感じは「中国語」なのだけれど、北京語とは発音体系が異なるので注意深く聞いていると、たまに知っている単語が混ざる北京語とはなんとなく区別が付きそうである。地下道を通って海の近くに出て、対岸の景色を眺めながら香港映画のモニュメントが並ぶアベニュー・オブ・スターズ(星光大道/Avenue of Stars)を散策し、ブルース・リー(李小龍/Bruce Lee)の銅像のところで引き返す。

バウヒニア

九龍のメインストリートであるネイザン・ロード(彌敦道/Nathan Road)を北に向かい、前九龍英童學校(Former Kowloon British School)に行ってみたが、木々に囲まれていたためビクトリア様式の建物の全貌を見ることは出来なかった。この辺りの街路樹は樹齢が100年以上で、気根を持つ巨木の向こうに高層ビルが立ち並ぶ独特の風景となっている。ネイザン・ロードの向かい側にある九龍公園(Kowloon Park)は、西洋式庭園や中国式庭園、迷路や彫刻などがある都会のオアシスとなっているが、各施設を結ぶ通路が階段か坂になっているので、園内を歩くだけで結構疲れたりする。屋上庭園にはバウヒニアの木が多く、低い位置で咲いている花の撮影を試みたが、今日は風が強いのでなかなか難しい。フラミンゴのいる鳥湖の近くから公園の西口を出て陸橋を渡ると、そのままペデストリアン・デッキとなり、ホテルを経て埠頭まで繋がっていたので、先端までてくてく歩いて海峡を挟む西九龍と上環方面の景色を眺める。ホテル付近から下に降りる階段は非常用っぽかったので、エレベーターで廣東道(Canton Road)に降りる。なお、香港はイギリス文化圏なのでエレベーターを"lift"と呼び、日米式の2階が"first floor(1/F)"となるだけでなく、交通信号もイギリスと同じ物を使っている。まだ昼食には早い時間だったが、近くの「糖朝」に入って粥とマンゴープリン(果肉入り)を注文。

尖沙咀から地下鉄に乗り、3つ目の旺角(Mong Kok)で降りて地上に出ると、南から続く繁華街も庶民的な雰囲気になっている。ネイザン・ロードと その周辺をざっと見て回ってから、再び地下鉄に乗って、茘景(Lai King)で東涌線(Tung Chung Line)に乗り換える。東涌線と機場快線(エアポート・エクスプレス)は同時に開業し、ほぼ全線にわたって並走し一部区間では線路も共有しているが、運賃制度が異なるので同じ駅に停車する場合でも乗り場が完全に分かれている。地元輸送を担う東涌線の方が駅が多いが、在来路線よりも駅間距離はかなり長い。九龍半島を出て青衣島から青馬大橋(Tsing Ma Bridge)で海を越え、ランタオ島北岸を走って空港の手前で機場快線と分岐すると、程なく終点の東涌(Tung Chung)に到着。

天壇大仏

駅前広場を歩いて少し離れた「昂坪360(Ngong Ping 360)」の乗り場を目指す。ゴンドラが連なるタイプのロープウェーで、列に並んでから乗車するまで20分位を要した。何台かおきに床面まで透明になった「クリスタル・キャビン」がやって来るが、単に眺めが良いというだけでなく、運賃が高いので結果的に優先乗車として機能しているようだ。ロープウェーは機場島で方向転換した後、彌勒山を経て終点の昂坪に30分弱で到着。風が強くてゴンドラは少々揺れた。山上に並ぶ土産物店街を通り抜け、宝蓮禅寺に立ち寄ってから階段を上って天壇大仏へ。屋外の大仏としては世界一なのだそうだが、坐像としてはということなのかな。天気が良いので高い所に上ると遠くまで見渡すことが出来る。この辺りから鳳凰山山頂まで往復2時間くらいで、今日は気温が低めなのでハイキング日和なのかもしれないけれど、夜のツアーを申し込んでいるので無茶はせずに東涌に引き返す。

午後の飲茶

帰りは地上駅の欣澳(Sunny Bay)で一旦ホームに降りて、地下駅では撮影しにくい列車の写真を撮ってから、次の列車に乗って香港島に戻る。エアポート・エクスプレスも通過したが、あまりの速さにカメラを構える暇もなかった。終点の香港駅に着いた後は、中環地区にある「陸羽茶室」で午後の飲茶。食後はハリウッド・ロード(荷李活道/Hollywood Road)を文武廟まで歩き、露店の並ぶキャット・ストリート(猫街/Cat Street)を経由して、地下鉄の始発駅である上環(Sheung Wan)へ。港島線で銅鑼灣(Causeway Bay)に移動し、駅近くのビクトリア公園(維多利亜公園/Victoria Park) を散策。その辺りで適当に時間を潰してから、指定の集合場所に行って迎えのバスを待つ。

香港夜景

やって来た小型バスに乗って、上環経由でピークトラムの駅に向かう。昼間に比べるとそれ程並んではいなかったようだが、優先乗車なのでそれほど待たずに乗ることが出来た。既に暗くなっている中をビクトリア・ピークに上り、一昨日と同じ展望台から夜景を眺める。風が強く空気も乾燥しているので、九龍半島側までくっきりと見えている。その分光の散乱が少なく、手前にある繁華街を裏側から見ることになるので、想像していたよりはちょっと地味だったかも。それでも「世界三大夜景」の名に違わず、これだけ高層ビルが密集している街の灯りを、すぐ近くから見下ろせる場所はそうそうないだろう。函館、香港を見たので、次はナポリということになる。一昨日と同じく下りはバスに乗って、夜景を垣間見ながら同じルートを辿って香港仔に移動。夜に輝く水上レストランの外観を見てから、トンネルを抜けて地下鉄の金鐘に着いたところで解散。折角一日乗車券があるのだからと、九龍に行って旺角の繁華街を少しだけ回ってから宿に戻る。