2010/04/17(土)

朝の内はまだ雲が少し残っていたものの、今日から明日にかけてずっと晴れの予報なので、日焼け止めを塗ってから出掛ける。途中のコンビニで軽食と飲料を調達してから、名護十字路バス停へ。名護の市街地を出て北に向かい、海辺に出て暫く行ったところで羽路奥武橋を渡って奥武島に入る。小さな無人島を走り抜るとすぐ屋我地大橋を渡り、屋我地島をぐるっと巡る。車窓からは時折、羽地内海の鮮やかな色が見える。島西部と今帰仁村を結ぶワルミ大橋は、まだ工事中だった。終点の運天原で下車し、その先の県道をぼちぼちと歩き始める。高台に出て短い橋を渡り、峠を越すと一直線の下り坂が海の中へ橋となって続いている。これが1995年に開通した古宇利大橋である。

古宇利大橋

半世紀以上前から本島と橋で繋がっていた屋我地島は名護市に属しているのに対し、橋が出来るまで交通を運天港との間の船に頼っていた古宇利島は今帰仁村に属している。橋の開通と同時に航路は廃止となったが、屋我地島までのバスは延長されなかったので、車を利用するのでなければ歩いて渡るしかないのである。という訳で橋のたもとの展望所から写真を撮った後は、ひたすら歩道を歩き続ける。全体の3分の1くらいのところが最高点で、少しだけ海に張り出した展望スポットもある。行く先には古宇利島、反対側には屋我地島や本部半島、そして間にある遠浅の海は鮮やかなコバルトグリーン。宮古島の池間大橋や来間大橋と並ぶ絶景である。この辺りまでは橋の手前に車を停めて歩いて来る人もいるが、ここから先は歩く人影もぐっと少なくなる。さらに3分の1ほど進んだところにも展望スポットもあり、眼下の海には珊瑚の群生が黒い影となって広がっている。バスを降りてから約1時間で古宇利島に到着し、島入口にある「ふれあい公園」のベンチに座って早めの昼食。

ピポットホール

ここまで来ればレンタサイクルがあるようだけれど、古宇利島はそれ程大きくなくて山がちだし、時間にも余裕があるので徒歩で一周を開始する。坂道を上って周回道路を反時計回りに進むと、やがて東側の展望が開け、本島の北端・辺戸岬まで見渡せるようになる。途中にはこれといった名所もないので、そのまま島の北側まで歩き続け、集落の手前で坂を下って海辺に出る。この辺りの海岸には円筒状空洞地形群(ピポットホール)があり、波打ち際の岩場に円形の穴が沢山並んでいる。沖に並ぶ島影は伊是名島や伊平屋島。いつかは行ってみたいけれど、日帰りでは観光出来ない“難易度”の高い島である。

農村公園より

周回道路に戻って集落を通り抜け、未舗装の道に入って坂を上り続ける。島の中心部は南に傾斜した台地となっていて、畑が広がっている。持参した地図が不正確だったので、少し迷いながらも「アマジャフバル農村公園」を見付け、展望デッキやトゥーミヤー(遠見台)跡から北側の景色を眺める。その後は適当な道を選んで南に下り、小学校や診療所の前を通って古宇利港の近くに出る。ウフドゥイマ(シラサ岬)に下りた後、DPZの記事で紹介されていた「人類発祥の島」の石碑を見付ける。島を一周したところで昼前と同じ場所に座って、持参したどら焼きを食べながら休憩。バスの時間には十分余裕があったので、しっかり足を休めておく。

帰りは日の当たる向きが変わっているので、古宇利大橋から眺める本島の山並みが、午前中よりはっきりと見えている。ゆっくり1時間歩いて運天原バス停にたどり着き、程なくやって来た折り返しのバスに乗る。まだ元気が残っているようなら、屋我地島の入口でバスを降りて奥武島経由で本島まで歩いて渡ってみるとか、あるいは古宇利大橋から屋我地島の東海岸を歩いて本島まで行ってみることも考えていたけれど、やっぱりかなり疲れていたので名護まで乗り通す。途中で2回くらい意識が途切れたけれど、予定通り名護十字路で下車。夕食は十字路の近くの店に入るつもりだったけど、開店時間を過ぎても「準備中」のままだったので、諦めて宿の近くの「A&W」で軽く済ませる。飲物は勿論、名物のルートビアで。

ブランドン・サンダースン「試されし王(ミストスピリット-霧のうつし身2)」読了