2010/05/04(火)

火山灰騒動のせいで今回は現地発ツアーを手配していないし、昨日電話する時間がなくてボルゲーゼ美術館も予約しなかったけれど、ローマにはまだまだ見所があるということで市内観光4日目。まずはテルミニ駅近くのサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂(Santa Maria Maggiore)へ。ローマ4大聖堂の一つで、内装も荘厳である。続いてすぐ近くのサンタ・プラッセーデ(Santa Prassede)を訪れると、9世紀の煌びやかなモザイク画が印象的だった。降り始めた雨の中、クイリナーレの丘(Colle Quirinale)に向かう。ローマ七丘の中では最も高いらしいが、現在は大統領官邸となっているクイリナーレ宮(Palazzo del Quirinale)の前のクイリナーレ広場(Piazza del Quirinale)からの眺めは近くの建物に遮られ、雨に煙るサン・ピエトロ大聖堂だけが通りの先に見えていた。

雨は次第に強くなっていったが、そのままパンテオン(Pantheon)まで歩く。その名の通り元は万神殿だった2世紀の建物が、用途を変えながらも継続的に使われたため、今でもほぼ原形を留めている。ただ列柱の並ぶ入口は、修復中なのかファザードの半分近くが足場に覆われていた。ドーム屋根の頂上は採光のために吹き抜けとなっているが、雨がそのまま降り込むため床の中央部は立入禁止になっていた。外に出るとすっかり本降りとなっていたが、もう一頑張りしてアルテンプス宮(Palazzo Altemps)へ。市内に散在する4つの建物で構成される国立ローマ美術館(Muzeo Nazionale Romano)の一つで、古代彫刻を中心とした展示になっている。2フロアのこぢんまりした建物だったけれど、一通り見学を終える頃には、雨はすっかり上がっていた。

ナヴォーナ広場

すぐ近くにあるナヴォーナ広場(Piazza Navona)は細長い形をしていて、北から順にネプチューンの噴水(Fontana del Nettuno)、四大河の噴水(Fontana dei Fiumi)、ムーア人の噴水(Fontana del Moro)がある。中央の四大河の噴水はナイル、ガンジス、ドナウ、ラプラタを擬人化したものだが、こちらも修復中なのか囲いがあり、全体像を見ることは出来なかった。広場の南にある大通りを歩いていくと、ヌォーヴァ教会(Chiesa Nuova)の前の広場に紫色の花を咲かせた大木が2本あった。何の花かと近寄ってみると、キリ(桐)だったので驚く。ヴィットーレ・エマヌエーレ2世橋(Ponte Vittore Emanuele II)でテヴェレ川を渡り、バチカンに続くコンチリアツィオーネ通り(Via della Conciliazione)やサンタンジェロ城(Castel Sant'Angelo)を撮影した後、サンタンジェロ橋(Ponte Sant'Angelo)を渡ってヌォーヴァ教会の近くに戻って、ガイドブックに載っていた店で昼食。メニューから適当に注文したら、一皿目(primo piatte)はコンソメスープの中に小さなパスタ(pastino)のみがぎっしり入ったものだった。イタリア料理にこういうものがあるんだね。二皿目(secondo piatte)は地元名物の仔牛と茸のソテー。

ジャニコロ丘より

天気は回復傾向にあったので、プリンチペ・アメデオ橋(Ponte Principe Amedeo)から対岸に渡り、ジャニコロの丘(Colle Gianicolo)へと続く坂道を上る。空は相変わらず雲に覆われていたが、視界は良くなっていたので、頂上付近の展望テラスからは、テヴェレ川越しにローマ市街を見渡すことが出来た。パオラの泉(Fontana Paola)を経由して丘の反対側に下り、サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ聖堂(Santa Maria in Trastevere)へ。12世紀当時の姿を留める教会で、ここもモザイク画が見事である。この近くの広場からテルミニ駅ゆきの直行バスに乗ることも可能だったが、まだ元気があったのでテヴェレ川唯一の中州であるティベリーナ島を通って左岸に戻る。再び雨が降り始めたが、傘を差すほどではなかった。因みにローマでは雨が降ると、街のあちこちに傘売りが出現するようである。一昨日も通った真実の口広場を経て、チルコ・マッシモ駅(Circo Massimo)から地下鉄B線でテルミニ駅に移動。

ラテラーノ大聖堂

国立ローマ美術館のひとつマッシモ宮(Palazzo Massimo alle Terme)に入って、4フロアある彫像やフレスコ画などの展示を見て回る。続いて共和国広場に面したサンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会(Santa Maria degli Angeli)を訪れる。ミケランジェロが設計した建物で、遺跡を活かした小さな入口からは想像も付かないほど、中は壮大な空間となっていた。今度は地下鉄A線に乗って、サン・ジョヴァンニ駅(San Giovanni)で下車し、アウレリアヌス城壁(Mura Aureliane)の中に入ってサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂(San Giovanni in Laterano)へ。サン・ピエトロ、サンタ・マリア・マッジョーレと並ぶローマ四大聖堂の一つで、アヴィニョン捕囚まで教皇座があった場所でもある。緻密な装飾で構成された壮大な空間を見学した後、隣接する回廊(Chiostro)も見ておく。広場の反対側にある「聖なる階段」(Scala Santa)のある建物に立ち寄ってから、地下鉄でテルミニ駅に戻る。明日の乗車券を事前に買うために自動券売機を操作したら、乗車日だけでなく乗車列車まで選択させられたが、全車自由席だったようで結局出て来たのは今日から3ヶ月有効の乗車券だったりする。

野菜の前菜

ローマ滞在中は観光優先で食事は二の次となっていたので、最後の晩くらいはリストランテに行こう~ということで宿の部屋で一休憩してから、店の開店時間に合わせて出掛ける。念のため第2候補の場所まで頭に入れておいて、折り畳みの傘だけを持参。第1候補でよさそうだったので、そのまま入店して前菜の温野菜(antipasto vegetale)とボロネーズ風フェットチーネ(fettuccine bolognese)を注文。ハーフボトルのキアンティが品切れだったので、代わりにサルティーニャのAnzenas 2007を。食後はティラミス(tiramisù)を注文したら、カスタードクリームがたっぷりで美味だった。帰りも雨は降らなかったので、結局傘を使ったのは午前中だけだった。