2010/08/04(水)

トラム

宿を出て荷物を引っ張りながら最寄りの電停まで歩く。昨日のうちにジェトンを購入しておいたので、販売機のない近い方の改札から入ることが出来た。トラムに分岐路線はなくても途中の駅で折り返す列車もあるので、行き先を確認してから乗車。機内持込サイズのスーツケースと肩掛け鞄だけとはいえ、トラムがギュウ詰めだったらしんどいなと心配していたが、車内は比較的空いていて、途中から座ることも出来た。アクサライ(Aksaray)地区でハフィフ・メトロ(Hafif Metro)の始発駅に連絡しているが、乗り換えに少し歩くことになるので、そのままトラムの終点ゼインティブルヌ(Zeytinburnu)まで乗り通す。ここなら乗り換えはすぐのはずだけど、と構内踏切を渡りながらメトロの駅を探すと、すぐ目の前に地上区間の駅があったので、そのまま橋上駅舎への階段を上る。“メトロ”を名乗っていても実体としては、小型車の走るライトレールで、終点のハワアラヌ(Havaalanı)がアタテュルク空港の地下である。鉄道だと旧市街からここまで約1時間掛かるが、運賃はトラムとメトロを合わせても3リラ(約180円)で済む。

国際線ターミナルはメトロの駅に近いが、国内線ターミナルまでは地下通路をかなり歩くことになる。まず入口で保安検査を受けてから、上階で搭乗手続きを行った後、もう一度保安検査を受け手から搭乗待合室に進んだが、国内線エリアには航空会社ラウンジが見当たらない。カード会社ラウンジならあるのだけど、航空会社の表示が出ていないということは制限エリア外にあるということなのだろうか。わざわざ外に出て保安検査を受け直すのも面倒なので、エリア内のカフェや待合室に座って、iPodで音楽を聴きながら登場案内を待つ。短距離ビジネスだとエコノミーと変わらないシートを使ってりう場合もあるが、今回は専用座席のある機材だった。カウンターで希望を聞かれないまま通路側の座席を割り当てられたので、満席なのかと思っていたら通路の反対側の並びは空席だったので、ドアクローズを待って客室乗務員に確認してから移動。

離陸後すぐにボスポラス海峡が見えたが、ベルト着用サイン点灯中だったので撮影は出来なかった。機内食を食べながら、黒海沿岸から内陸の乾燥地帯へと移り変わる景色を眺める。首都アンカラ(Ankara)の上空も通過したようだが、こちら側の窓からは確認出来なかった。地面に赤い色が目立つようになるが、そういう土壌なのだろうか。イスタンブル空港を出てから1時間余り、予定よりも少し遅れてカイセリ空港(Kayseri Havalimanı)に着陸。タラップを下りて到着ターミナルまで歩く。プレハブのような建物で、手荷物返却はターンテーブルではなく直線状のコンベア~って受取損ねたら床に放り出されるってことかいな(^^;

洞窟ホテル

ターミナルを出て、予約しておいたシャトルバスでカッパドキア(Kapadokya)に向かう。カイセリはこの辺りの中心都市で、飛行機の便数も多いためカッパドキアの空の玄関となっているが、ギョレメ国立公園(Göreme Milli Parklar)までは30km以上離れていて、エルジェス山(Erciyes Dağı)がどーんと聳える他は、ただ丘の間に平原が広がっているようである。しかし西に向かって1時間走ってギョレメ(Göreme)に到着すると、窓の外は奇岩だらけとなる。そこら中ににょきにょき生えている(?)白っぽい岩の中を走り、丘の中腹にあるホテルの前で車を降りる。岩を刳り抜いて作った洞窟ホテルの一つで、横穴式の客室が斜面に3段連なるという変わった構造になっている。地下と変わらない環境のため室内の温度変化が小さく、冷房設備がなくても真夏の昼間であろうと涼しく感じる。さすがに冬の冷え込みは厳しいのか、スチーム暖房は備わっていた。外は日差しが焼け付くような暑さだったので、夕方前まで室内でだらだらと過ごす。

ギョレメの町

ようやく暑さが和らぎ始めたところで宿を出る。町の中心に向かって坂道を下りると、岩と家が混在する白い景色の中を通ることになる。円錐形の大きな岩には中に人が住んだ跡がある。谷底の中心部は普通の家が並んでいるが、周囲の丘はどこを見ても奇岩だらけ。町の中に奇岩があると言うより、奇岩の中に町があると表現する方が正確かも。空は雲一つ無い青で、白っぽい岩や散在する緑と対比をなしている。町には曲がった道が多いので少し迷いながら、大体の土地勘を掴みながら歩く。どこを見ても変わった景色なので、普段ならあちこち歩き回っているところだけど、まだまだ暑いので適当なところで切り上げて、ガイドブックに載っていた店で早めの夕食。“オスマン・スペシャル”という鶏肉料理と一緒に注文したのは、トルコの蒸留酒ラク(rakı)。アニスで香り付けをした無色透明の液体は、水を加えると白く濁る~というのはギリシャのウーゾに似ているが、それは言わない約束ってことで(^^;;;

ギョレメの夕日

宿に向かって坂を上っていると、近くに展望台があって人が集まっているのが見えたので、そのまま歩き続けると、見晴らしの良い岩場に出る。そこからはすり鉢状の斜面に岩と家が立ち並ぶギョレメの町を一望することが出来る。日没時刻が近付いていたので、そのままそこに留まり、夕日が辺りを茜色に染めていくのを眺める。地平近くは雲に覆われていたので、太陽が見えなくなったところで坂を下りて宿に戻る。こちらでもiPod touchで無線LANに接続出来たので、就寝前にネットサーフィン。PCに比べると動作がやや不安定ではあるものの、気軽にメールチェックや情報収集出来るのは有難い。