2010/08/05(木)

予約確認メールによると宿の朝食は8時からとなっていたが、現地に行ってみると8時半からとの案内。それで8時半に食堂に行ってみたら、準備にあと10分掛かるとのこと。まぁ、10室もない小さな宿だから仕方がないよね。ツアーの迎えが来るのは9時半だからまだ余裕があるし~と9時に部屋に戻った途端にやって来たツアー会社。えっ、9時半でしょ?9時だよ!とここで押し問答をしても仕方がないので、大慌てで荷物をスーツケースに押し込んで部屋を飛び出し、マイクロバスに乗り込む。やっぱり予約票では9時半となっているけど、明日も同じ時間に来ると思っておいた方がいいのだろうな.....

駱駝岩

バスはギョレメを出て、今日のツアーで行きそうな所を通りながら、別の町に入って他の客を拾う。ここはユルギュップ(Ürgüp)になるのだろうか、立ち寄ったホテルはほぼ垂直の崖を利用しているのが印象的。事務所の前でバスを乗り換えて、カッパドキアの一日ツアーが始まる。まず最初に訪れたのがデヴレント谷(Devrent Vadisi)。高台から奇岩群を見下ろした後、“駱駝岩”など特徴的な岩を近くで見学。“想像力の谷”という別名がある通り、岩は見る角度や人によって、魚や鳥などに見えてくる。岩の間を散策することも出来たが、砂岩質の岩の表面は滑りやすく、山歩きに適した靴を履いている訳ではなかったので、あまり遠くには行けなかった。

妖精の煙突

続いて訪れたパシャパー(Paşabağ)もカッパドキアを代表する景色の一つで、“妖精の煙突”と呼ばれる柱状の奇岩が林立している。カッパドキアは火山活動の後、溶岩や火山灰が風雨に浸食された結果、数多くの奇岩が残されて独特の景色を作っているが、ここでは柔らかい層の上に硬い層があったため、まるで帽子が載っているような格好になっている。遊歩道を散策しながら、奇岩の中の教会跡を見学したり、高台から全景を見下ろす。生憎と空が曇っているため写真を撮っても、白っぽい岩とのコントラストが小さくなってしまう。内陸にあるカッパドキアは冬は冷え込み雪が降るのに対し、夏は暑くて乾燥していると聞いていたが、連日快晴という訳でもないようである。

午前最後の見学地は、ギョレメ野外博物館(Göreme Açık Hava Müzesi)。ギョレメの町外れにある教会遺跡群で、岩を堀抜いて作った教会の中には、12~13世紀のフレスコの宗教画やそれ以前の抽象画が残されている。正教会でも宗教画が禁じられていた時代があったらしい。礼拝堂だけでなく貯蔵庫や食堂などもあり、それらのうち代表的な“林檎の教会(Elmalı Kilise)”“蛇の教会(Yılanlı Kilise)”等を見学。フレスコ画の保存状態が良い“暗闇教会(Elmalı Kilise)”を別料金で見学することも出来たが、混雑していたのと疲れていたのでパス。天気が少し回復して時折日が射すようになったが、そうなると今度は暑さがこたえるようになるのである。野外博物館から見下ろす谷には、崖の壁面に小さな窪みが沢山穿たれていたが、これは鳩を住まわせるためのもので、通信や肥料などに役立てたそうな。入口近くには巨大な岩に作られた7階建相当の構造物があったが、内部が崩れる危険があるため立入禁止。空き時間を利用して添乗員に明日以降のピックアップ時間を再確認したところ、ギョレメ地区は9時になっているとのこと。

赤い川

バスに乗って北に向かい、“赤い川(Kızıl Irmak)”を渡る。古代ヒッタイトを舞台とする「天は赤い河のほとり」の題名の由来となった川で、橋を渡る時に車窓から撮影。季節によっては流れ込んだ土で赤くなるそうだが、今は青々とした水をたたえている。なお、ヒッタイトの遺跡があるハットゥシャシュ(Hattuşaş)に行くとなると、アンカラからでもかなり時間が掛かるようだ。川を渡った先にあるアヴァノス(Avanos)の洞窟レストランで昼食。メインは壺焼きケバブ(Testi Kebabı)で、デザートはフルン・シュトラッチ。イスタンブルで食べたシュトラッチと比べると甘さは控えめで、米の粒が残っていた。アヴァノスは陶器の町ということで、ツアーでは陶芸工房にも立ち寄る。轆轤は床を掘り抜いて設置する大掛かりなもので、足で蹴って土台ごと回していた。隣接の売店では小物から大皿まで様々な陶器を販売していたが、特に欲しい物は見付からなかった。輪になった部分を肩に掛けて使う、古代のワイン容器も形としては面白かったのだけどね。チャイの容器に入った“アップルティー”が供されたが、林檎風味の紅茶ではなく林檎果汁だった。

ウチヒサルの砦

再びバスに乗ってギョレメを通過し、町の東側にあるエセンテペ(Esentepe)の展望台へ。“ギョレメ・パノラマ”の名の通り、山並みを背景としてギョレメの町を一望することが出来る。昨夕の展望台に比べると町から離れているため、雄大な景色を眺められるが、空はまた雲に覆われてしまったので、白い背景に白い谷間だとコントラストは今ひとつ。でも晴れていたらこの時間帯だと逆光になるので、写真撮影にはちょうど良かったのかもしれない。その少し先にあるのがウチヒサル(Uçhisar)の砦。丘の上の巨大な一枚岩に幾つも穴が穿たれていて、その大きさと独特の造形に圧倒される。ガイドブックによると中にも入れるようだが、残念ながら外から眺めただけでツアー終了となった。

宿に戻って暫く休憩したら夕食に出掛けるつもりだったが、なんだか体調が良くなかったので携行食で済ませる。昨日のうちに行く店まで決めていたのだけど、この暑い中をレストランまで歩いて、坂を上って帰って来る元気が残っていなかった~てゆーか、どうやら風邪を引いてしまったようなので、薬を飲んでさっさと就寝。