2010/11/22(月)

中正紀念堂

駅の窓口で一日乗車券(一日票)を購入してから、MRT淡水線で市内中心部に向かう。MRTの車内アナウンスは4言語で、最初は北京語で最後は英語。間の2つのどちらかが台湾語なのだろうけど、残る一つは何かと後から調べたら客家語だった。台北駅の2つ先で下車して、すぐ近くにある中正紀念堂へ。初代総統である蒋介石の顕彰施設であるが、“介石”は字(あざな)で“中正”が諱(いみな)なのである。入口に向かい合って並ぶ国家戯劇院と国家音楽庁は、紫禁城の建物を模しているのかな。88段を登って本堂に入ると、銅像のある広間となっている。階段の上から振り返ると、広場越しに周囲の景色を少し見渡せる。

功夫茶セット

東門経由で二二八和平公園を散策した後、総統府、西門紅楼とレトロな建物を外から眺める。城中市場、台湾省城隍廟経由で訪れた北門は、台北府城門のうち唯一19世紀の完成当時から変わっていないもの。といっても周囲に城壁はなく、幹線道路の間の安全地帯に、門だけがぽつんと残されている。問屋街を通って、昔の面影を残す迪化街を歩いてから、MRT双連駅に出る。そこから淡水線、板南線、そして台北MRT唯一の新交通システムの木柵内湖線と乗り継いで、中山国中で下車。駅から少し歩いて「竹里館」に入る。東京にも支店がある茶芸館で、功夫茶のセットを注文。茶葉は迷わず、甘い香りがする烏龍茶の阿里山金萓。

龍山寺

一休憩したところで、MRTを乗り継いで国父紀念館に移動。こちらは孫文の顕彰施設で、中山公園に囲まれた建物には、銅像のある広間の他、資料館や劇場もあるらしい。再びMRT板南線に乗って台湾最古の寺院である龍山寺を訪れると、雨が僅かに降っていたが傘を差す程でもなかった。これで台北市街地の名所は一通り訪れたことになるので、MRT淡水線に乗って郊外に向かう。北投駅で新北投支線に乗り換えると、ずっとノロノロ運転だったので驚いたが、後から調べると騒音対策なのだとか。次の新北投駅が終点で、駅前から続く新北投公園を湯の香漂う川沿いに歩いて行く。建ち並ぶ温泉旅館の中には、「熱海」や「京都」という名前もあった。途中には北投温泉博物館や、地熱谷といった見所があるが、どちらも月曜が休みである。この辺りには日本式公衆浴場「瀧之湯」など日帰り入浴施設が幾つかあるが、露天風呂があって水着着用でない所となると、温泉街の一番奥まった場所まで行くことになる。坂道を上り続けてようやく「亜太温泉生活館」に辿り着く。館内で浴衣に着替えてから、露天風呂「岩の湯」へ。泉質はラジウムを含んだ硫黄泉で、平日なので空いていた。

台湾料理

帰りも駅まで歩いたが、下りなので足取りは軽い。北投で北に向かう列車に乗り換え、終点の淡水に向かう。淡水河の河口に面した港町には、スペインのサン・ドミンゴ要塞だった紅毛城があるが、こちらも月曜日休館。河に沈む夕日の名所でもあるけど、今日は対岸さえも霞んでいる。川岸まで歩いているうちに暗くなり始め、屋台が立ち並ぶ通りは夜市のようであった。駅に戻ると先発列車は既に座れなかったので、次発列車に乗って市内中心部に出る。小雨の降る中をガイドブックに載っていた台湾料理の店に行くと、満席で30分待ちと言われたが、他の店を探して移動する元気も残っていなかったので、そのまま待っていると予告通り30分位で席に案内された。注文したのは豆腐のスープ、牛肉と葱の炒め物と大根入り炒飯。外に出ると雨は止んでいたので、宿に帰るまで傘は使わずじまいだった。