2011/05/07(土)

睡蓮の部屋

朝食会場は別館と聞いていたので、一旦表に出て少し先にある建物に入ると、すぐそこに料理とテーブルが並んでいたので驚く。9時前に宿を出て、メトロ12号線でコンコルド(Concorde)に向かう。コンコルド広場(Place de la Concorde)でオベリスク(Obélisque)越しにエッフェル塔(Tour Eiffel)を見た後、チュイルリー公園(Jardin des Tuileries)の入口付近にあるオランジュリー美術館(Musée de l'orangerie)へ。その名の通り元は果樹栽培温室だった建物で、フランス到着時に用意しておいたミュージアム・パスを利用して入館。この美術館に来るのは初めてで、地下の展示室のルノワール、セザンヌ、ピカソなどの作品を見てから、地上階の「睡蓮(Nymphéas)」の部屋に進む。スイレンを描いたモネの大きな絵が四方に掲げられた部屋が2つ続いているが、これらの連作を収めるために美術館として整備されたという経緯があるそうな。印象派の絵なので少し離れて鑑賞すると、スイレンの花びらに立体感があったり、水面に映る雲まで再現されているのが分かる。スイレンの絵に囲まれて佇んでいると、水音まで聞こえてくるような気がする。

ポークソテー

チュイルリー公園の中を散策してから、セーヌ川を渡ってオルセー美術館(Musée d'Orsay)前の行列に並ぶ。保安検査を済ませてから、昔の駅舎を利用した館内に入る。ゴッホやゴーギャン、ミレーの絵などを鑑賞してから、営業開始直後のレストランで昼食。前回もここで食事をしたはずだが、豪華な内装にあまり見覚えがなくても9年前だから仕方がないか。ポークソテーと一緒にアルザスの赤を注文。午後に入って足の疲れを感じるようになっていたけれど、足早になりながらも一通り見て回る。美術館を出てセーヌ河畔経由でサン・ジェルマン・デ・プレ教会(Saint-Germain des Prés)まで歩く。ロマネスク様式の荘厳な教会内部に入った後、広場に面した老舗カフェで休憩しようかと思っていたが、かなり混雑していたみたいなので、そのまま地下鉄で移動。

ポンピドゥーセンター

4号線と11号線を乗り継いで、ランビュトー(Rambuteau)で下車。地上に出ると外壁に配管が並ぶ工場のような建物が目に入るが、これは裏側なので表側に回るとポンピドゥー芸術文化センター(Centre National d'Art de Culture Georges Pompidou)の全貌が見える。元大統領の名前を冠した独創的なデザインの建物は、図書館、美術館、映画館などからなる複合施設で、中央の正面玄関から中に入り、外壁を斜めに登るチューブエスカレーターを乗り継いで、国立近代美術館(Musée National d'Arte Moderne)へ。ピカソやダリなど有名画家の作品が並んでいて、以前上野で見たシャガールの絵もある。その後の時代の絵画はあまりに抽象的なので、歩きながらさっと眺めるだけになるが、さらに時代が進むと見る角度によって変わる作品や、内部に入って体験する作品などがあり、深い意味は分からなくても結構楽しめたりする。最上階は展望スポットとなっているが、ガラス窓があったりして眺める方向に制約があるので、パノラマ写真向きではない。

凱旋門の三色旗

市庁舎(Hôtel de Ville)の前からメトロ1号線に乗って、シャルル・ド・ゴール・エトワール(Carles de Gaulle Etoile)に移動。折角ミュージアム・パスがあるので、9年ぶりに凱旋門(Arc de Triomphe)に登ろうとしたら、入口も券売所も閉まっていた。夕方から式典開催のため臨時休業とのことで、巨大な三色旗が掲げられて献花式が行われていて、勲章を付けた退役軍人らしき人々もいた。仕方がないので夕食の予定を早めて、近くにあるレクリューズのカルノー店に入る。注文したのは、Château Batailley(ACポイヤック)の2002とフィレ・ステーキ。優美なマルゴーもいいけれど、ポイヤックの力強さも捨て難いね。帰りに凱旋門の傍を通ると吹奏楽が聞こえてきたので、式典はまだ続いていたようである。