2011/07/23(土)

宿の料金が割安だったので朝食はあまり期待していなかったが、今まで泊まった中でもわりと豪華なほうだった。宿を早めに出て中央駅の券売機で乗車券を購入し、ユーロシティ(EuroCity/EC)に乗って南に向かう。ダルムシュタット(Darmstadt)、ベンスハイム(Bensheim)、ヴァインハイム(Weinheim)に停車しながら、約1時間でハイデルベルク中央駅(Heidelberg Hauptbahnhof)に到着。中央駅から旧市街まで少し離れているので、ガイドブックではバスを利用するよう勧めているが、時間に余裕があったのでビスマルク広場(Bismarckplatz)まで20分掛けて歩く。ここから東側が旧市街となり、歩行者専用となっているハウプト通り(Hauptstraße)を進む。ハイデルベルク(Heidelberg)は大学町として知られているが、通りを少し外れた大学広場(Universitätsplatz)の周囲に、大学の建物や図書館が並んでいる。卒業式っぽい格好をした人たちがいたけど、こちらは今が卒業シーズンになるのだったっけ。

ハイデルベルク

聖霊教会(Heiliggeistkirche)のあるマルクト広場(Marktplatz)からコルンマルクト広場(Kornmarkt)を経て、ケーブルカー(Bergbahn)乗り場へ。券売機では往復乗車券と入場券のセットが選択出来ないようだったので、窓口に並んで購入。早めの時間に来たつもりだったが、週末とあってか満員となって出発。一つ目のシュロス駅(Station Schloß)で下車し、歩いてすぐのところにあるハイデルベルク城(Schloß Heidelberg)へ。まずは高台となっている前庭から、旧市街とその向こうのネッカー川(Neckar)を見下ろす。順光条件となる時間だけど、雲が多いため景色としては少し暗め。堀に架かる橋を渡って城内に入り、中庭とドイツ薬事博物館(Deutsches Apotheken-Museum)を見学してから北側のテラスに出る。今度は日が射していたので、景色のコントラストも上がっている。続いて世界最大級のワイン樽があるという建物に入ってみると、高さ3メートルを超す大樽があって、記念撮影している人たちもいたけれど、実はそれは前座に過ぎなかったりする。真打ちは奥に控えていて、高さは7メートルくらいあるだろうか。階段を使って樽の上に登れるようになっていたが、まるで船の甲板に立っているようである。下まで降りると、まさに見上げるような高さである。城館の内部を巡るガイドツアーもあったけれど、だいぶ空腹になっていたのでパスして外に出る。晴れ間が続いていたので、再び前庭のテラスから撮影した後、ケーブルカーで麓に戻る。昼食は旧市街にある”Zum Güldenen Schaf”で。訳すと“金の羊亭”といったところか。料理は豚肉のグリルにして、地元の白ワインをグラスで注文。

哲学の道

カール広場(Karlplatz)に寄ってから、ネッカー川に架かるカール・テオドール橋(Karl-Theodor Brücke)を渡る。そこから細い歩道に入るが、急な階段が連続していてちょっとした山登りとなる。息を切らしながらたどり着くのが、山の中腹を通る「哲学の道」。ゲーテ(Goethe)やニーチェ(Nietzsche)が思索に耽りながら歩いたことに因む~というのは京都の哲学の道と同じであるが、言うなればドイツにあるこちらが本家。ガイドブックでは「哲学者の道」となっているけれど、ドイツ語ではどちらも" Philosopenweg "だから特に区別はないようである。展望所からは対岸の旧市街や城が見下ろせて、特に午後は眺めが素晴らしいということだったが、手前の木々が視界を一部遮っているため、これぞという写真が撮り難い。下り方向に進むと、少しだけ木が少なくて見張らせる場所があったので、それでよしとしよう。遊歩道の端まで歩き、住宅街の急坂を下って、テオドール・ホイス橋(Theodor-Heuss Brücke)からビスマルク広場に出る。市内の名所は大体回ったので、そのまま駅に向かう。街中で何度かエーベルバッハ(Eberbach)という地名を標識で見掛けたけれど、そういえば某少佐と同名の町はこの近くだったね。駅に着いても予約した列車まで1時間近くあったので、ベンチで暫く休憩してからホームに降りる。

ビア・バイク

帰りの列車は今日だけ途中駅通過となっていたが、マンハイム(Mannheim)回りの別ルートを通るためのようで、保線工事による迂回だったのだろうか。ハイデルベルクからフランクフルトに向かうインターシティー(InterCity/IC)はECも含めて一時間に一本あるけれど、夏場は何故かフランクフルト中央駅か南駅(Frankfurt Süd)のどちらかにしか停まらない列車が交互に運転されている。この運行が今年だけの特例なのかどうかは不明。南駅の方に停まる列車をあえて選んだのは、夕食に予定していた店がそちらからの方が近かったからに他ならない。南駅から歩いてシュヴァイツァー広場(Schweizerplatz)に出ると、目の前を不思議な乗り物が通過してゆく。えっ、あれって、以前機内誌で紹介されていた自走式のビアスタンドであるビア・バイク(BierBike)!? カウンターの両側に座った人たちがペダルを漕いで進む方式で、ハンドルは最前方の運転席に座っている人が操作するようになっている。慌ててカメラを構えてなんとか撮影。

ロールキャベツ

この辺りにはガイドブックに載ってる店が2軒あるので、前回行っていない方の店にするつもりだったけど、夏期休業中だったので前回と同じ”Adolf Wagner”に入る。夕食には早い時間でも週末の店内は混雑していて、相席になった地元の家族連れと少し話したりする。名物の甘くないアップルワイン(Apfelwein)と一緒に、ロールキャベツ(Kohlroulade)を注文したら、かなり大きな物が出て来た。ここから宿までの距離は約1.5キロ。歩けない距離ではなかったが、既に疲れていたので地下鉄を一駅ずつ乗り継いで、中央駅に戻る。宿の部屋で休んでいると、突然の大雨。暫くしたら止んだけど、外を歩いている時でなくてよかった。