2011/07/26(火)

マーケット広場

朝市の屋台で賑わうマーケット広場の前から、市営渡船に乗ってスオメンリンナ島(Suomenlinna)に渡る。ヘルシンキを守る要塞があった島々が橋で結ばれていて、現在は世界文化遺産に登録されている。要塞建設当時のフィンランドはスウェーデン領だったので、“スウェーデンの要塞”を意味するスヴェアボリ(Sveaborg)と呼ばれていたが、ロシア統治時代を経てフィンランドが独立した際、“フィンランド(スオミ)の要塞”と名前を変えたのである(ただしスウェーデン語では今でも"Sveaborg")。なお、“フィンランド”というのは他言語による呼び名で、フィンランド語の自称はスオミ(Suomi)となる。

スオメンリンナ島

島の北端にある港から上陸し、中央部まで歩いてビジターセンター内にあるスオメンリンナ博物館(Suomenlinnamuseo)を見学。展示品の解説はフィンランド語とスウェーデン語のみなので、英語の冊子を持ち歩いて該当ページを読むことになるが、ビデオ上映中のオーディオガイドは日本語も選択可。島の歴史を一通り勉強した後、橋を渡って南に向かって歩き続けると、要塞時代の石積みや砲台などが見られるが、現在の島は緑が多い海辺の行楽地となっているようである。海岸で泳ぐ家族連れもいたりする。ゆっくり回れば半日から一日滞在することも出来そうだけど、島南部が見渡せる高台まで行ってから、潜水艦の前を経由して北側の港に戻る。昼食は“Panimo”でスモークサーモンのグリルとシードル。ガイドブックによると島は午後から混雑するとのことだったが、折り返し便として到着した船は確かに満員御礼だった。

ウスペンスキー寺院

マーケット広場前で船を降りて、丘の上に建つウスペンスキー寺院へ。19世紀のロシア正教教会で、イコン(聖画像)が並ぶ内部は西ヨーロッパの教会とは明らかに様式が異なる。続いて駅前のアテネウム美術館(Ateneumin Taidemuseo)を見学。入館券は丸シールだったので、手の甲に貼ってもらう。特別展はラップランド(Lappi)がテーマで、常設展は地元フィンランド作家の作品を中心に、ゴッホやゴーギャンなども少々。次の場所に行く前に、駅に立寄って窓口で乗車券を購入。昨日、今日と自動券売機を試してみたけど、フィンランド語とスウェーデン語しか選べず、全く知識のないフィンランド語は無理でも、スウェーデン語なら何とかならないかと頑張ってみたものの、地名が言語によって大きく異なるので断念したのである。フィンランドでは普通に英語が通じるので、窓口や店内での会話は楽なのだけど、街中の表記は2つの公用語だけで英語はない場合が多いので、その点ではちょっと苦労する。

テンペリアウキオ教会

今日も朝からずっと晴天が続き、午後の汗ばむような陽気の中、駅から少し離れたテンペリアウキオ教会(Temppeliaukionkirkko)まで歩く。“ロックチャーチ”の別名が示す通り、岩盤をくり抜いて造った教会で、内部には岩肌も見られる。岩山の外側にも登ることが出来る。夕食はエスプラナーディ公園にある“Ravintola Kappeli”で、チキンのグリルとシャルドネのグラスを注文。食後にミックスベリーのコールドスープというのを試してみたけれど、そのまま他のデザートに添えられそうな程、かなーり甘かった。