2011/07/27(水)

今朝はマーケット広場の南側にあるマカシーニ・ターミナル(Makasiiniterminaali)からの出発。なんだかイタリア語みたいな名前だけれど、フィンランド語は母音の割合が多いため、飛行機のアナウンスを聞くとイタリア語のように聞こえなくもない。乗船券販売窓口は混雑していたが、事前にネットで予約済みなので、待合室で乗船開始を待ってから電子チケットを持って直接改札に進む。高速艇に乗り込み、昨日訪れたスオメンリンナを通り過ぎ、ヘルシンキを後にする。いつもの習性で窓際に座ったものの、外洋では海以外に見える物はないというのに、日向側でカーテンがないのでかなり暑く感じる。ようやく陸地が見え始めて暫くすると、エストニア(Eesti)の首都タリン(Tallinn)に到着。

タリン旧市街

バルト三国は2004年にEUに加盟し、2007年末からはシェンゲン圏にも入っている。さらにエストニアは今年からユーロ通貨も導入したので、フィンランドから国内旅行感覚で日帰りすることが出来るのである。ヘルシンキとタリンは高速船で約100分。複数の運航会社があって発着ターミナルも異なるが、今回利用したリンダ・ライン(Linda Line)は市民ホール港(Linnahallsadam)に入る。港から既に旧市街が見えているので、迷うことはない。工場の脇を通り、路面電車が走る大通りを渡ると、旧市街の北端にある海洋博物館“ふとっちょマルガレータ”(Paks Margareeta)はすぐ目の前である。その横のスール・ランナ門(Suur Rannavärav)を潜ると、中世そのままの街並に入り込む。“三人姉妹”(Kolm Õde)と呼ばれる、現在はホテルとなっている三連の建物の前を通り、まずは聖オレフ教会(Oleviste Kirk)を訪れ、旧市街で一番高い塔に登る。空腹時に運動するのはちょっとしんどいけど、食後だともっと大変になるからね。螺旋階段を上り詰めて展望台に出ると、眼下には旧市街の屋根が広がり、その外側の城壁や新市街、背後の森や海まで、天気が良いのでかなり遠くまで見渡せる。塔を降りた後は教会の内部や外側も見学。

エストニア料理

西側のライ通り(Lai)には“三人兄弟”(Kolm Venda)があるけれど、こちらは三連であることが少し分かり辛い。そのまま通りを南に進み、旧市街の中心部近くの“Vanaema Juures”で昼食。エストニアの伝統料理と勧められるまま頼んだのが、ポークグリルのジャガイモ&ザウアークラウト添えと、エストニアビール。もしかしなくてもドイツ料理と酷似しているけれど、タリンはその昔レーファル(Reval)という名前でハンザ同盟に入っていたのだから、ドイツ文化の影響を受けていても不思議はない。ベリー(漿果)が入っているところは北欧風かな。因みにタリンという名前は、“デーン人の城”(Taani Linn)に由来するのだとか。

トームペア城

午後は坂道になっているピック・ヤルク通り(Pikk Jalg)をえっちらおっちら上って、トームペア(Toompea)の丘に向かう。ロシア正教のアレクサンドル・ネフスキー聖堂(Aleksander Nevski Katedraal)を訪れた後、トームペア城(Toompea Loss)に面した公園から“のっぽのヘルマン”(Pikk Hermann)と呼ばれる塔を眺め、大聖堂(Toomkirik)を見学してから丘の北側と東側にある2つの展望台(Vaateplats)を巡る。聖オレフ教会の塔の上からとは角度が異なり、旧市街を屋根に近い高さから見下ろすことになる。

ラエコヤ広場

下りはリュヒケ・ヤルク通り(Lühike Jalg)の急な階段を通って、旧市街中心部へ。そろそろ時間が気になり出したので、聖ニコラス教会(Niguliste Kirik)、ラエコヤ広場(Raekoja Plats)に面した旧市庁舎(Raekoda)、聖霊教会(Pühavaimu Kirik)、大ギルド会館(Suurgildi Hoone)の中にある歴史博物館(Eesti Ajaloomuuseum)と足早に回る。タリンは狭い範囲に見所が集中しているので、かなり効率良く回ることが出来る。ピック通り(Pikk)を歩いてスール・ランナ門から外に出て、市民ホールの屋上を経由して港に戻る。

帰りの船は日が当たらない側の窓際に座ったが、今度はエアコンが強すぎて肌寒かったりする。ヘルシンキ到着後、スーパーに寄ってサンドイッチを買って帰る。ガイドブックに載っている近場の店は夏期休業中が多く、映画「かもめ食堂」の舞台となった店は遠かったし~てゆーか映画自体見ていないので、遠出するだけの元気はなかったのである。