2011/07/28(木)

ヘルシンキ中央駅

ヘルシンキに来てから3日間はずっと天気が良かったが、今日は朝から曇り。中央駅から特急列車に乗って西に向かう。4両編成の客車は全て2階建てで、指定された座席は1階だけど進行方向。ヘルシンキ近郊は複線だけど、郊外では単線となる。途中で雨が降ったりしたけど、2時間後に目的地のトゥルク(Turku)に到着する頃には止んでいた。トゥルクはフィンランド第3の都市で、中世以来1812年まで首都だった街。街の通り名標識と同様、駅名標もフィンランド語とスウェーデン語の2言語表記になっているが、トゥルクはスウェーデン語だとオーボ(Åbo)と全く別の名前になってしまうからややこしい。因にヘルシンキはスウェーデン語ではヘルシンフォーシュ(Helsingfors)となる。

トゥルク大聖堂

駅から中心部にあるマーケット広場(Kauppatori)まで歩いたが、古都とはいっても街並は近代的である。アウラ川(Aurajoki)を越えた先にあるのが、トゥルク大聖堂(Tuomiokirkko)。高さ100mの塔は遠くからでも目立つが、登ることは出来ない。近くにはシベリウス博物館(Sibelius Museo)があったけど、フィンランドを代表する作曲家であることと、“フィンランディア”という曲名しかしらなかったのでパス。昼食はネットで調べたバイキング・レストラン“Harald”に入る。日本でバイキング料理というと食べ放題になってしまうが、この場合はバイキングをテーマにしたレストランという意味である。木造の店内にはバイキング風の小道具が並び、洗面所の表示は“Harald”と“Helga”になっている。昼食メニューから白身魚のグリルを注文すると、スープとサラダバーと食後のコーヒーまで付いていたのでかなりのお得感。

マーケット広場

マーケット広場からバスに乗ろうとしたら出た直後だったので、時間つぶしに広場の出店を見て回る。色とりどりの野菜や花、スパイスに加え、フェンネルの黄色い花穂や山積みになったエンドウ豆が目立つ。ヘルシンキの市場でも同様の光景だったので、これがフィンランドの名物ということになるのだろうか。エンドウ豆はホテルの朝食にもあったので、翌日試してみたところなんと生だったのでびっくり。後から調べてみると、どうやらこちらでは生で食べるのが普通なのだとか。

トゥルク城

港に向かう1号系統のバスに乗り、トゥルク城(Turun linna)の前で下車。城内部の順路は複雑で、様々な調度品や展示品が並ぶ部屋が沢山ある。全体の案内図もないので今どの辺りにいるのか分かり辛いが、要所に係員が立っているので迷うことはない。1時間掛けて内部を見学した後、隣接する公園から建物の外側を眺める。13世紀以降増築を繰り返しているが、建築年代によって外観の印象はかなり異なる。すぐ近くはトゥルク港(Turku Satama)で、ヘルシンキからの列車も一部は港前まで運転しているが、長距離フェリーが発着する朝夕だけで、昼間は人気も少なくがらんとしている。日差しの強い中歩いてみたが、港湾施設に囲まれ海辺に近付くことは出来なかった。

バスでマーケット広場に戻る頃には雲が増え始め、ちょっと早いかなと思いつつ駅に向かうと空模様はいよいよ怪しくなり、駅に着いた途端に本格的な雨が降り出す。構内で軽くお茶してから、ベンチに座って指定した列車の発車時刻を待つ。トゥルクを出る時もまだ少し降っていたが、ヘルシンキに到着するとすっかり止んでいたので、結局今日も持参した傘は使わずに済んだ。そして今夜も食事はサンドイッチで済ませる。