2011/08/18(木)

米崎海岸

全国的に天気が良くないようであるが、沖縄はまだまだ晴天続きなので、日焼け止めを塗りたくってから出掛ける。港近くの店で自転車を借りて、県道を南に向かう。我喜屋の集落を通り抜け、我喜屋ダムを遠くに見ながら坂を登り、途中で脇道に入り海岸近くの屋蔵墓(琉球王朝の第一尚氏の祖先を祀る)に立ち寄る。峠を越して坂を下ると、弓なりの海岸沿いを快調に走る。具志川島の向こうには、昨日までいた伊是名島が見えている。島尻の集落で神アシャギ(ノロ(祝女)の祭祀場)を探してから、さらに南に向かい続ける。伊是名島と伊平屋島は近くにあって名前もよく似ているが、伊是名島が比較的平坦で丸い形をしているに対し、伊平屋島は山がちで細長い形をしている。その南端は細長い砂州となっていて、どちら側を見ても眩しいばかりの白砂と、目も覚めるような色の海が、青空の下に広がっている。景色は最高に美しいのだけど、日差しは焼け付く程強い。

野甫大橋

伊平屋島の先端から野甫大橋を渡り、隣の野甫島に上陸。これで沖縄県にある島のうち、定期船または橋で渡れる島に全て訪れたことになる。伊是名と伊平屋、野甫は那覇から遠く、沖縄本島から日帰り出来ないため最後まで残っていたが、輪番休業で期せずして長めの休みが取れたので、遂に両島連続で訪れることになったのである。野甫島は面積1平方キロの小さな島で、平べったい石を積んだ石垣が他の島とは異なるが、同種の岩が露出している地層があったので、島特産の石なのだろうか。1時間足らずで島を一周し、展望台に登って野甫大橋越しに伊平屋島を眺めてから、野甫島を後にする。帰りは伊平屋島の西海岸を回ることも考えたけど、思わぬ高低差があるかもしれないし、午後の分も体力を残しておきたかったので、同じ道を辿って前泊港に戻り、ターミナル内にある食堂で昼食を取る。

念頭平松

午後は北に向かう県道を走って内陸部に入り、田名の集落を経由して念頭平松公園へ。琉球王朝風の庭園の奥に、公園名の由来となった念頭平松がある。全方位に枝を広げた松の大木で、見事としか言いようのない樹形である。さらに北に進み続け、北端の久葉山を望む海岸にあるクマヤ洞窟を訪れる。長い階段を登っても洞窟入口までしか行けないが、国内に数ある天岩戸伝説の舞台としては最も南に位置するそうである。東海岸沿いの道路はこの辺りでショートカットして西海岸に出るが、折角ここまで来たのだからと久葉山に向かう枝道に入る。炎天下の中、自転車を押しながら急坂を登るのはかなり大変だったが、何とか頑張って灯台に辿り着く。眺めが良いことを期待して来たのであるが、灯台の周囲は草木が茂ってあまり見晴らしが良くなかった。因に伊平屋島の最北端は、鹿児島県の与論島よりも少し北に位置している。

慎重に坂を下って分岐点に戻り、西海岸沿いの道を走る。そろそろ無蔵水(んぞうみじ)と呼ばれる岩が見えてくるはずと、それらしき海岸にも下りてみたが、手元の写真と同じ物は見当たらない。あれ~おかしいな~と思いながら走り続けるうちに、見間違いようのない独特の形をしたヤヘー岩の前に出る。気付かないうちに通り過ぎてしまったのかな~と後から写真を確認すると、それっぽい岩が写っていた。ヤヘー岩付近から内陸に向かう道はかなりの坂道となっていたので、そのまま西海岸沿いに走り続ける。多少の高低差は想定の範囲内だったが、日差しを遮る物もない道を進むのはかなり大変である。走っているうちはまだ風を感じて少しは涼しくなるものの、走り止めた途端に暑さが襲いかかるので停まって休むことも出来ない。ようやく田名漁港が見えて来たところで、内陸に向かう道に入る。坂がきつかったり距離が長かったりしなければいいのだけれど、と思っていたらわりとすぐに田名集落に到着。スーパーの自販機で水分補給をしてから、日陰になっている近くのベンチで休憩。

休んだらかなり元気が戻って来たので、前泊には真っ直ぐ帰らず、腰岳に向かう林道に入る。こちらもかなりの急勾配で、自転車を押し上げるのも大変だったが、木陰が多いのと夕方前になって雲が多くなってきたので、それ程暑くないだけマシである。林道の最高地点付近にある展望台に登ると、前泊方面を見下ろすことが出来るが、雲が多いままだったので景色が一部影になっている。前泊港に戻って自転車を返却し、夕食・就寝まで宿でのんびりと過ごす。