2012/05/21(月)

昨夜から別の建物に移ったため朝食の場所も変わったが、料理の内容は基本的に同じだった。ネットで確認すると、関東地方では薄曇りだったものの金環食は観測出来たようである。今回の旅行が金環食と重なってしまったことに気が付いたのは、国際線の決済をして暫く経ってから。旅程の変更は出来なかったので、2月に早々と買っておいた観測用グラスは知り合いに譲ったのである。つくばでも見られたのかな。

国立美術館

地下鉄ベーカールー線でチャリングクロス(Charing Cross)に出て、朝のトラファルガー広場(Trafalgar Square)を散策。ネルソン提督(Admiral Nelson)像が見下ろす広場は、トラファルガー海戦(The Battle of Trafalgar)の勝利を記念して作られ、観光の定番らしいけど訪れるのは今回が初めて。予定より早く着いてしまったので、オリンピックまでのカウントダウン時計や第四の台座(Fourth Plinth)のパブリックアートを眺めた後は、ベンチに腰掛けて時間調整。午前10時になったところでナショナル・ギャラリー(The National Gallery)に入館し、脇目も振らず17世紀の絵画を展示するノースウィング(North Wing)に直行。今日の目的は、朝一番でフェルメール(Vermeer)作品を鑑賞すること。ここには「ヴァージナルの前に立つ女」と「ヴァージナルの前に座る女」があるが、似たようなモチーフで対として見られるのを避けるため、敢えて違う部屋に展示されている。そこをわざわざ、それぞれの絵の前に数分ずつ立って、何度も往復して見比べてみる。確かに絵の雰囲気が明るい前者に対して後者は暗く、周りの絵もそれに合わせているようである。日本でフェルメール作品を展示すると、必ず混雑してゆっくり鑑賞することなど不可能だけど、ここでは心ゆくまで“独り占め”することが出来た。館内には13~20世紀の絵画が、時代・地域別に展示されていて、ボッティリェリ、ミケランジェロ、ダビンチ、エルグレコ、レンブラント、モネ、ルノワール、ゴッホなど超有名どころも多数。それなのに大英博物館と同様、国立だから入館無料という太っ腹である(ただしこちらは撮影禁止)。カフェでの昼食を挟んで、全ての部屋を一通り見て回る。

ウェストミンスター

ナショナル・ギャラリーの見学を終え、ホース・ガーズ(Horse Guards)の前を通って国会議事堂(House of Parliament)の前に出ると、ちょうどビッグ・ベン(Big Ben)が午後2時を告げるところだった。国会議事堂の隣にあるウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)は、十数年前に来た時は確か外観を観ただけだったので、中に入るのは今回が初めてのはず。ここはウィリアム征服王(William the Conqueror)以来、歴代国王の戴冠式が行われた場所で、現在の建物は11世紀にまで遡るのだとか(内部は撮影禁止)。入口でオーディオガイドを借りて、内陣、祭壇、歩廊、身廊、博物館などを見て回る。ガイドが示す場所に戴冠の椅子がなかったが、出口付近のガラスケースに表示なしで保管されていたのが多分それなのだろう。

アフタヌーンティー

歩き疲れていたので一駅だけでも地下鉄に乗って、グリーン・パーク(Green Park)に移動。比較的新しいジュビリー線(Jubilee Line)は地下深くにあるため、時間的には地上を歩いた方が早かったかもしれないけど、エスカレーターに乗っている間は歩く必要がないので、こちらの方が楽と言えるだろう。ピカデリー通り(Picadelly)を少し歩いて、7年ぶりのフォートナム・メイソン(Fortnum & Mason)本店へ。2008年の創業300周年を機に改装されたとのことで、最上階はその名も"The Diamond Jubilee Tea Salon"というティールームになっている。受付で予約があることを伝えると、奥の席に案内される。紅茶の種類を指定して暫く待つと、アフタヌーンティーが運ばれて来る。サンドイッチ、スコーン、ケーキのお馴染みの3段とは別に、ジャムとクロテットクリームもタワーになっていたのが面白い。優雅な午後のひと時を過ごした後は、各階売場を見て回る。F&Mオリジナルの文具やティーセットもあって、いろいろ衝動買いしたくなったけれど、荷物の量のことを考えてぐっとこらえ、結局4種類のティーバッグを買うに留めておく。

リージェント公園

帰りはピカデリー・サーカス(Picadilly Circus)からベーカールー線に乗り、ベーカー・ストリート(Baker Street)で途中下車して、カロリー消費も兼ねてリージェンツ・パーク(Regent's Park)を散策。キュー植物園のバラ園では開花していなかったものの、ロンドン市内の住宅地でバラが咲いているのはちらほら見掛けていたので、ここのバラ園なら咲いているかもと期待したのだけれど、まだ全然咲いていなかった。開花時期の異なる品種を並べて植えたりはしないのかな。仕方がないので小さな花が咲くロックガーデンや幾つかの花壇を巡ってから駅に戻る。さすがに夜はサンドイッチを買って食べる程でもなかったので、持参の携行食をかじってから就寝。