2012/05/23(水)

ロンドン塔

ロンドン滞在6日目は、地下鉄環状線にタワー・ヒル(Tower Hill)に移動。深く考えずビクトリア回りの直通列車に乗ったけど、距離が短くて駅数も少ない逆回りの方が早かったかもしれない。ただし必ず1回は乗り換えなければならないのだけど。駅からテムズ川の方に歩いて、十数年ぶりにロンドン塔(Tower of London)に入場。南西側の門から入って、混雑する前にまずはジュエルハウス(Jewel House)に入る。その名の通りの宝物庫で、歴代の王の装飾品、食器などがずらりと並んでいる。中でも圧巻なのがど世界最大級のダイヤモンドである「アフリカの星(Star of Africa)」など、煌びやかな宝石の数々を嵌め込んだ王冠や錫杖の展示コーナー。ショーケースの両側は動く歩道になっていて、決して立ち止まれないようになっているが、歩いて戻ることは可能なので、今回も何往復かして表から裏から眺める。敷地中央にあるホワイト・タワー(The White Tower)を見学した後は、カフェテリアで昼食を取ってから、小塔や城壁など公開エリアを一通り回る。途中、昔の衣装を着た人達が寸劇をしていたが、シェークスピアなのだろうか。

クイーンズハウス

帰りは南側の門から外に出て、タワー・ブリッジ(Tower Bridge)の近くを通って、DLR(Docklands Light Railway)のタワー・ゲートウェイ(Tower Gateway)駅へ。高架ホームから始発の小型列車に乗って、次のシャドウェル(Shadwell)でルイシャム(Lewisham)ゆきに乗り換える。東に向かう列車は南に進路を転じ、テムズ川をトンネルで潜って地下駅のカティー・サーク・フォー・マリタイム・グリニッジ(Cutty Sark for Maritime Greenwithch)という長い名前の地下駅で下車。地上に出るとそこはグリニッジの中心部で、グリニッジ・マーケット(Greenwith Market)を覗いてから、旧王立海軍学校(Old Royal Naval College)に入り、壮麗な内装のペインティッド・ホール(Painted Hall)と礼拝堂(Chapell)を見学し、続いて国立海事博物館(Ntational Maritime Museum)とその隣のクイーンズ・ハウス(The Queen's House)も訪れる。

本初子午線

既に歩き疲れていたけれど、もうひと頑張りして南側にある丘に登る。高台に着いたところでテムズ川方面を見下ろすと、海軍学校や海事博物館の手前にスタジアムらしきものが建設中だった。後から調べると、オリンピックの近代競技の会場になるらしい。そしてグリニッジに来た最大の目的である旧王立天文台(Old Royal Observatory)に入る。観測所としての役割を終えてから20年以上経つが、天文台本館の窓の位置を軽度0として時刻の基準としたため、グリニッジ標準時(Greenwich Mean Time)の由来となっている。ただしイギリスは夏時間を採用しているため、一年の半分はグリニッジ標準時より一時間早くなっている。本館からモニュメントまでの間、本初子午線が目に見えるよう地面に線を刻んでいて、ひっきりなしに訪れる観光客で混雑していたが、なんどか合間を縫ってモニュメントや、東半球と西半球を跨いでいる写真を撮影。後から思えば、子午線上から振り返って本館の窓も撮影すべきだったかも。敷地内にはカメラ・オブスクラ(camera obscura)があったので入ってみる。ラテン語で「暗い部屋」を意味するが、ピンホール写真の暗室の中に原理で映し出された画像を観察するもの。写真機のことを“カメラ”と呼ぶのは、“カメラ・オブスクラ”に由来してるとのこと。暗幕の中に入って目を凝らすと、テーブルの上にどこかで見たような建物が浮かび上がっていたが、さっき訪れたばかりのクイーンズ・ハウスだった。

キングスクロス駅

麓に降りて海事博物館の正面側を通ったら、入口に大きなボトルシップのモニュメントがあったけど、実はトラファルガー広場の「第四の台座」にあった先代のパブリックアートだったことを後から知る。駅名の元となったカティー・サーク号(Cutty Sark)の前を経由して駅に戻り、DLRに乗って帰りは市街地側のもう一つの起点であるバンク(Bank)駅で下車。そこはシティ(City)と呼ばれる金融街の中心で、駅名が示す通りイングランド銀行(Bank of England)や王立取引所(Royal Exchange)があるので、乗り換えついでにそれらの建物を見てから、地下鉄北部線に乗ってキングスクロス・セントパンクラス(King's Cross St. Pancras)に移動。地上のキングスクロス駅を訪れるのも十数年ぶりで、前回はなかった「9と4分の3番線」のモニュメントを探すと、すぐに見付かった。本物の9番線は短距離列車用の別棟にあり、10番線との間には壁がない。このため映画の撮影では長距離列車が発着する4番線と5番線の間の壁を使用したそうだが、今回訪れるといずれのホームにも手前に自動改札が設置されていた。今やホグワーツ特急に乗るためには、自動改札対応の乗車券が必要な訳だね(^^;;; 因に「93/4」のモニュメントは改札外なので、乗車券がなくても見たり触れたりすることが出来る。市内のハリポタ映画のロケ地を巡るウォーキングツアーがあって、郊外には最近テーマパークが出来たけど、他の名所をさておく程のポッタリアンではないので、いずれ機会があればということで(^^;

帰りは環状線に乗ったが、現在は環状運転ではなくエッジウェアを起点に一周した後、ハマースミス・シティ線(Hammersmith & City Line)に乗り入れる“逆6の字運転”を行っている。キングスクロスからハマースミス(Hammersmith)ゆきに乗れば、直接パディントンに行けるのだが、ハマースミス・シティ線のパディントン駅ホームは郊外線の向こう側にあってかなり歩くことになるため、エッジウェア始発の環状線に乗り換える。しかし次の列車がなかなか来なかったので、結果的には直通列車に乗って歩いた方が早かったかも。夜はパディントン駅構内のパブで夕食を取るつもりだったが、混んでいて空いている席がなかったので、諦めてスーパーでサンドイッチを買って帰る。コッツウォルズの一日を除けば、ロンドンで5日間観光したことになるが、今まで行っていない所を優先して回っても、まだまだ訪れていない名所は沢山残っている。