2012/05/24(木)

ヒースロー空港

宿を出てヒースロー・エクスプレスで空港入り。駅から地下通路を延々と歩いて第1ターミナルに入り、搭乗手続きを済ませて列に並んで手荷物を預けた後も、空港の中をかなり歩かされることになる。途中でラウンジを見付けたので入ったが、あまり時間がないので少しだけ休憩してから外に出る。ところが案内図がデフォルメされていて、そこから搭乗口までもかなりの距離があって焦ったが、機内整備に時間を要していたこともあって、ゲート前で暫く待つことになる。ようやく搭乗開始となり、ブリティッシュ・ミッドランド航空(bmi)のエアバス機に乗り込む。今回はEconomy Extraという運賃だったので、機内最前列で軽食と飲物は無料。といっても食事時間帯ではなかったので、選べるのはスナックかケーキ~ということでキャロット・ケーキとミルクティーを注文。

クイーンズ大学

ブリテン島(Great Britain)を後にしてマン島(Isle of Man)の上空を通過し、アイルランド島(Island of Ireland)北部にあるジョージ・ベスト・ベルファスト・シティ空港(George Best Belfast City Airport)に着陸。ターミナル前の停留所から小型バスに乗って、ベルファスト市街地に向かい、終点のヨーロッパ・バスセンター(Europa Bus Centre)で下車。予約していた宿はそこから歩いてすぐのホテルで、行ってみると早い時間でもチェックイン出来たので、荷物を置いて一休み。ロンドでは途中で広い部屋に移れたことを喜んでいたが、ここではそれよりも広くて綺麗な部屋に同じ値段で泊まれたりする。フランスでもやっぱりパリの3つ星ホテルと同じ値段で、地方では4つ星ホテルに泊まれたので、イギリスでも事情は似たようなものなのか。市内観光が出来るのは今日の午後だけなので、早速外に出掛ける。まずは南に向かって歩き、クイーンズ大学(Queen's University)の風格ある建物を眺める。

植物園

続いてアルスター博物館(Ulser Museum)に入って、喫茶室で休憩してから、自然や歴史に関する展示を見学。アルスターとはアイルランド古来の4つの州の1つで、アイルランド島の大部分が共和国として独立した際、アルスター9県のうち6県が連合王国に残留している。敷地内は植物園(Botanic Gardens)になっていて、良く晴れた空の下、緑溢れる園内は多くの人で賑わっていた。屋外を軽く一周してから、パームハウス(Palm House)に入ると、アルストローメリアを集めた区画があって、いずれの株も溢れんばかりの花を咲かせていた。今度は北に向かってバスセンターを通り過ぎ、ビクトリア女王像のある市庁舎(City Hall)、アルバート時計台(Albert Clock)を経て、ラガン川(River Lagan)の岸まで歩く。この先は入り江に繋がっていて、造船所が建ち並んでいた地区となっている。ここで建造された最も有名な船はタイタニック号(RMS Titanic)で、縁の場所を巡るボートツアーや、処女航海100周年を記念した展示複合施設などもあるが、今回は時間がないのでパス。

ピースライン

ここまででかなり歩いていたが、折角なのでもうひと頑張りして西ベルファスト地区(West Belfast)まで歩き通す。この辺りは宗派によって住み分けが行われていて、フォールス・ロード(Falls Road)界隈はカトリック地区。北アイルランド紛争関連の壁画が目立つ以外は、れんが造りの家が建ち並ぶ落ち着いた住宅街である。ここから北に向かう途中にピース・ライン(Peace Line)と呼ばれる分離壁があって、その周辺は無人地帯となっている。その北側にあるシャンキル・ロード(Sankill Road)はプロテスタント地区となり、祝日かと見まがう程のユニオン・ジャック(Union Jack)の小旗の数々が翻っている。

中心部に戻って、バスセンター近くの老舗パブの上階レストランで夕食。注文したのはシェパーズ・パイ(shepard's pie)とギネス(Guiness)。パイという名前が付いていても、挽肉の上にジャガイモを載せて焼いた料理なので、パイ生地は使っていない。食後にブラウニー(browny)を頼んだら、巨大なアイスクリームが乗っていて驚く。スーパーに立ち寄って宿に帰り、部屋で無線LANを使おうとしたらオンライン決済がうまくいかなかったので、フロントで24時間券を購入したら、お釣りは北アイルランドの紙幣だった。連合王国内の硬貨は共通だが、紙幣は地域によって異なる上、スコットランドと北アイルランドはそれぞれ複数の発行元があるらしい。国内ではいずれの紙幣も通用することになっているが、さすがにイングランドでは他地域の紙幣の認知度が低いので、ガイドブックのアドバイスに従って北アイルランド滞在中に使い切ることにしよう。