2012/05/25(金)

朝食はブラック・プディング(black pudding)があったので、イングリッシュよりはアイリッシュということになるのかな。昨日のうちに確認しておいた集合場所であるユースホステルに向い、館内の旅行会社カウンターで受付を済ませてから、すぐ近くに停まっていたバスに乗り込む。ほぼ満席となってから出発し、ベルファストを出て北に向かって走る。

キャリクファーガス城

最初に停車したのは、ベルファスト湾(Belfast Lough)の北岸にあるキャリクファーガス城(Carrickfergus Castle)。12世紀のノルマン時代に遡る古い城で、海辺に横たわる姿は壮大だが、まだ開館時間前なので外から眺めて写真を撮るだけとなる。そこからさらに海岸沿いを走り続け、農場の間にある幾つかの村を通り過ぎる。ベルファストにいる間は実感がなかったが、エニシダの茂牧草地や、色鮮やかに塗り分けられた家を見ると、ここもアイルランドであることをはっきりと認識する。途中の丘陵地を越える間は雲が増えて薄暗くなったが、次の目的地に着く頃にはすっかり良い天気になっていた。

キャリクアリード吊橋

キャリク・ア・リード(Carrick-a-Rede)の駐車場で下車し、オプションの入場券を購入して、海辺の遊歩道を辿る。空はどこまでも青く、緑の草地や青緑の海との対比が美しい。道の両側にはカウスリップ(cowslip)やスミレ、アルメリアなどの花が彩りを添えている。15分程歩いたところで、吊橋(rope bridge)に辿り着く。幅が狭くて一方通行となっているため、暫く待ってから係員の指示に従って渡る。海面からの高さは80メートルもあるが、長さも80メートルなので、すぐに渡り切ってしまうためそれ程怖さは感じない。ただ手摺が低い位置にあるため、少し屈んだ姿勢を続けることになってしまった。小さな島に渡って、周囲の景色を見渡す。沖合にはバードウォッチの名所であるラスリン島(Ruthlin Island)が横たわっている。帰りは橋を渡って少し違うルートを通ってから、元の道に合流して駐車場に戻る。カフェテリアで休憩する程の時間も残っていなかったので、少しだけ周辺を散策してからバスに戻る。

ブッシュミルズ醸造所

そこからブッシュミルズ醸造所(Bushmills Distillery)まではすぐだったが、到着時には既に午後2時近くになっていたので、まずはカフェテリアで昼食。思わず昨夜と同じシェパーズパイを注文してしまったが、ジャガイモを使った料理にさらに付け合わせのジャガイモが付くところが、かなりアイリッシュである。醸造所は400年以上の歴史を誇り、ガイドブックによると世界最古らしい。見学ツアーもあったけれど、時間が中途半端だったのと、ウィスキーは細かな違いがよく分からないこともあって、カフェテリア横のカウンターで試飲だけしておく。香りの良いウィスキーだったけど、やっぱり他の種類との違いはよく分からない(^^;;;

巨人の土手道

海辺の崖に聳えるダンルース城(Dunluce Castle)を遠くから眺める場所に立ち寄った後は、いよいよ本日のハイライトであるジャイアンツ・コーズウェイ(Giant's Causeway)へ。高台にある駐車場から、1km程坂を下って先にある。シャトルバスもあったけれど、かなり混雑していたので歩いて下ることにする。途中、礼文島の澄海岬みたいに半円状の入り江を崖が取り囲む場所があったので、その後暫くの間、頭の中で「銀の龍の背に乗って」が鳴り続けることになる。20分近く歩くと、海岸に柱状節理が広がる場所に出る。昔々、巨人がスコットランドとの行き来に通ったという伝説が残る場所で、独特の風景はマグマが冷え固まる際に出来たものだとか。見渡す限り六角柱の中を気の向くまま歩いて、あちこちから撮影する。遠くには遊歩道の先が崖を登っているのが見えたが、時間的制約が厳しかったので、それ以上先には進まずに駐車場に引き返す。

駐車場近くの売店で清涼飲料水を買って、集合時間を待つ。近々新しいビジターセンターが開業するとのことだったが、今はまだ工事中。帰りは内陸側の高速道路を通って、真っ直ぐベルファストに戻る。市庁舎前でもバスを降りることが出来たが、宿までの距離は殆ど変わらなかったので、終点のユースホステル近くで下車。ガイド氏の話は面白かったが、"down"を“ダイン”と発音するなど訛りもあって、聞き取り辛かったのが残念。今日は昼食が遅かったので、夜はサンドイッチを買って軽く済ませる。