2012/08/20(月)

明け方に目が覚めた時、テラスに出てみたらオリオン座が見えたが、煙たい感じがする。寝直して夜明けになっても、依然煙たくて視界が少し悪くなっているが、発生源らしきものは見当たらない。どこかで野焼きでもしたのだろうか。朝食会場は海辺の別棟で、東洋人で混雑していた。

プラツァ通り

<宿の近くの始発の停留場からバスに乗って、終点のピレ門前で下車。橋を渡って坂を下り、小さな門を潜っていよいよドブロブニクの旧市街の中へ。オノフリオ大噴水(Velika Onofrijeva fontana)のある広場から、東のルジャ広場(Luža trg)まで一直線に続くのがプラツァ通り(Placa)。隙間なく敷き詰められた石畳の両側に、石造りの家が整然と建ち並んでいる様は、まるで絵画の中にでも迷い込んだかのよう。大通りと交わる路地はかなり幅が狭いものの、真っ直ぐなので奥まで見通せる。オノフリオ小噴水(mala Onofrijeva fontana)のあるルジャ広場を通って、城壁の内側に沿って歩き、橋を渡ってプロチェ門(vrata od Ploča)から一旦外に出る。東に向かって歩き続け、視界の開けた場所から朝日を浴びる城壁と街並を撮影してから、再び旧市街の中に戻る。

ドブロブニク旧市街

まずは城壁の上を歩いておこうということで、プロチェ門の近くの入口でチケットを購入して階段を上る。城壁ウォークの北側部分は階段が多いが、暑いのを除けばそれ程大したことはない。通路の幅が広くないので、左回りの一方通行となっている。最高地点にあるミンチェタ要塞(tvrđava Minčeta)の塔の上から、赤い屋根が連なる旧市街全体を見下ろした後、西側に入ると下り坂が続く。街自体がプラツァ通りを中心に、南北両側に傾斜しているため、坂を下り切ったピレ門辺りでも地面からかなりの高さがあり、広場や通りを歩く人が小さく見える。再び上りとなり、ボカール要塞(tvrđava Bokar)からのルートは海沿いに弧を描いている。この辺りは民家との距離が近く、城壁と家の間に張ったロープに洗濯物を干していたりする。アドリア海に突き出た聖イヴァン要塞(tvrđava sv. Ivana)から旧港(Stara luka)を外縁を直線的に辿り、聖ルカ要塞(tvrđava sv. Luke)に戻ったところで一周約2kmのコースが終了。思うままに撮影したので、後で写真を整理するのが大変かも。

城壁から降りた後は近い順に、15世紀に建てられ宗教美術館となっているドミニコ会修道院(Dominikanski samostan)、16世紀建てられた当時は税関で今は古文書館となっているスポンザ宮殿(palača Sponza)、街の守護聖人の名を持つ18世紀建築の聖ヴラホ教会(crkva sv. Vlaha)、そして15世紀のラグーサ共和国時代の総督邸(Knežev dvor)を立て続けに見学。いずれも展示スペースとなっている内部は撮影禁止。そろそろ昼食かな~と腹時計に従って移動開始。途中で通った青空市場は暑さの中でも賑わっていて、特産品の店のラベンダーの香りに和む。まずはネットで探した店に行こうとしたら、その住所に行っても見当たらない。次にガイドブックに載っている近くの店に行ってみたら、すぐに見付かったけどかなり高めの値段設定だったのでパス。プラツァ通りを越えて階段になっている路地を上り、ガイドブックで2番目に近い店のテラス席に腰を落ち着ける。名前からして地元料理かなとドブロブニク・ステーキを頼んだら、ハムとチーズを挟んだポークだった。付け合わせがフライドポテトだけというのはヨーロッパではよくあることだけど、料理の味よりも油っぽさの方が目立ったのが残念。テーブルにはどん、っとケチャップの瓶が置かれたけれど、メリケンな調味料で誤摩化すってのもねぇ...

ルジャ広場

午後はセルビア正教会(Srpska pravoslavna crkva)を経て旧市街の南側を散策。細い路地が階段となり、時には迷路のようになっているので、歩いているだけでも楽しい。民俗博物館(Etnografski muzej)の辺りは高台になっていて、北側の展望が開けているが、建物の上階からだともっと眺めが良い。内部は農業や漁業用の道具や、民族衣装などが展示されている。博物館を出てさらに南側の路地を歩くと、城壁のすぐ内側となり小さな戸口から外に出られるようになっている場所もある。高台にある聖イグナチオ教会(Isusovačka crkva sv. Ignacija)を訪れてから、階段を下って聖母被昇天大聖堂(katedrala Uznesnja Marijna)へ。その辺りからルジャ広場までは幅広い道で繋がっていて、午後のこの時間にスポンザ宮殿方面を見ると順光条件となる。

ロヴリェナツ要塞より

早朝とは打って変わって大勢の観光客で賑わうプラツァ通りを西に向かい、ピレ門から出てすぐのところで、アイスクリームを食べて一休憩。小船が並ぶ入り江に沿って歩き、斜面に取り付く階段をひたすら登り、城壁の入場券を見せてロヴリェナツ要塞(trvđava Lovrijenac)に入る。最後のひと頑張りで屋上に出ると、入り江を隔ててドブロブニクの旧市街を眺めることが出来る。南側は海辺に切り立った崖の上に城壁が建ち、内側に家々を抱え込んでいるのがよく分かる。西から眺めるならやっぱり午後がいい、ということでこの時間まで待った甲斐はあった。ピレ門の前に戻ったところでまだ午後3時にもなっていなかったけれど、朝から暑い中を歩き続けてかなり疲れていたので、飲物を調達してからバスに乗って宿に戻り、涼しい部屋でネットをしながら休憩。夜は携行食で済ませておく。