2012/08/21(火)

スルジ山より

昨日の朝食会場が混雑していたので、今朝は早めに行ったら空いていたので拍子抜け。今日も昨日程ではないけど、やっぱり明け方から煙たい感じがする。昨日よりは少しゆっくりしてから宿を出て、バスに乗って旧市街入り。ピレ門の近くのフランシスコ会修道院(Franjevački samostan)を見学してから、朝のうちは順光になる聖母被昇天大聖堂を撮影した後、路地の階段を上って旧市街の北側へ。ブジャ門(vrata od Buža)から外に出て、ロープウェイ(žičara)の乗り場まで急坂を登る。次第に遠ざかる旧市街を見ながら、わずか数分で山頂駅に到着。標高412メートルのスルジ山(Srđ)からは、アドリア海に抱かれたドブロブニクの旧市街の全貌が手に取るように見える。山頂駅付近だとロープウェイの建造物が写真に写り込んでしまうので、少し離れた場所にある高台まで行って撮影。街を見下ろす場所にある大きな十字架は、ナポレオンから贈られたものを、近年建て直したのだとか。内陸側に目を転ずると、石灰岩の目立つ山地が広がっている。

旧市街を暫く眺めてた後は、すぐにロープウェイで引き返すつもりだったが、巨大な鉄塔の下に要塞があったので行ってみると、中は内戦博物館(Izložba - Dubrovnik u Domovinskom ratu 1991 - 1995)となっていた。クロアチアが旧ユーゴスラビアからの独立を宣言すると、ドブロブニクはセルビア・モンテネグロ側からの攻撃を受けている。その時破壊された街並はすっかり修復され、今では全く気が付かない程だが、展示された写真では今朝目にしたばかりの場所が崩されている。スルジ山も攻防戦の舞台となり、ケーブルカーも破壊されてしまったが、一昨年から運転を再開している。内戦が終わって和平が成立してから20年近くが経ち、街は大勢の観光客で賑わっているが、昔のことだと言うには短すぎて、歴史は複雑すぎることは想像に難くない。

ケーブルカーで麓に降りると、乗り場はかなり混雑していた。ガイドブック情報だと、歩いて登れば途中の街並の眺めが素晴らしいらしいが、少なくとも真夏に実行すべきではないな。と言いつつ、高台に上がれば旧市街を間近に見下ろせるかな~と一瞬坂道を登り掛けたが、既に空腹になっていたので踵を返し、旧市街に戻って昼食。前菜とメインとデザートを組み合わせるメニューがあったので、パテと鶏料理とプディングを注文。細い路地に並んだテラス席で、テーブルと椅子には少し傾斜が付いていたけれど、料理と白ワインはなかなか良かった。

ロクルム島より

午後はちょっと遠出ということで、旧港から船に乗る。鈴なりの客を乗せて旧市街から遠ざかり、15分程でロクルム島(Otok Lokrum)に到着すると、蝉の大合唱が出迎える。船着場から少し歩いたところには植物園があるが、真夏の乾燥地帯なので花は殆ど咲いていない。山道に入って旧坂を登り詰めると、標高約100メートルの最高地点に要塞がある。屋上に出ると対岸を一望することが出来るが、旧市街方向は樹木に一部隠されている。帰りは坂を下って北側の海辺まで出てみたが、旧市街方向は陰になっていて僅かしか見えなかった。船着場を通り越して南側も少し散策してみたが、暑かったし、これといった見所もなさそうだったので、暫く待って次の船で引き返す。到着前に先頭部に出ると、海にそそり立つ城壁が近付いて来る。海洋交易が盛んだった頃は、これが最も馴染み深い入市方法だったのだろう。

ドブロブニク城壁

聖イヴァン要塞まで街中の路地を歩き、上階部分にある海洋博物館(Pomorski muzej)を見学した後、地上階にある水族館(Akvarij)にも入る。一通り観光を済ませ、今日も暑くて歩き疲れた状態になっていたが、旧港でアイスクリームを食べて休憩してから、最後のもうひと頑張りで城壁に登る。昨日と全く同じコースを辿り、ミンチェタ要塞からピレ門へ。同じような写真ばかり撮っても仕方がないので、今日は午後に順光になる方角を中心に撮影。午前中とは少し違った印象の街並を、上から眺めながら一周したところで午後5時前。旧市街に降りて早めの夕食にしようかなと思ったけど、まだ当分空腹にならなさそうだったので、今日もバスで宿に引き上げる。フロントで明日の空港連絡バスの時刻を確認してから、部屋に籠って携行食で済ませる。