2012/08/23(木)

早めに宿を出て、路面電車でバスターミナルに移動。窓口で往復切符を購入したが、帰りの座席指定は出来なかった。あまり時間がなかったので急いで乗り場を探して、階下に停車中の長距離バスに乗り込む。ザグレブ市内を抜け出して、高速道路に乗って南西に向かう。カルロヴァツ(Karlovac)で高速を降りて、バスターミナルで停車した後は一般道を走る。スルニ(Slunj)を過ぎた頃から山道に入り、ザグレブを出てから約2時間でプリトヴィツェ湖群国立公園(nacionalni prk Pritvička jezera)に到着。事前の車内アナウンスがないのは海外では普通なので、少し手前から降り損なわないかハラハラし通しだった。結局、到着したら"Pritovice"とアナウンスが流れて半分近くの客が降りたから、迷いようもなかったのだけど。国立公園のバス停は2つあるのだけど、手前の第1停留所は通過して、第2停留所で降ろされる。反対側のバス停に窓口があったので、帰りのバスの指定が出来ないか確認したところ、窓口で取り扱っているのは午後4時の便のみで、手持ちの切符だと夕方遅くの便にしか乗れないらしい。運行会社が5種類くらいあるのは知っていたけれど、乗車券は共通じゃなかったんだね。

グラディンスコ湖

とりあえず帰りのことは後回しにして、林の中の道を歩き、入場券を買ってから入園。コジャック(Kozjak)湖畔に降りたらちょうど目の間に船が停まっていたので乗り込む。穏やかで緑がかった湖水は透明度が高く、魚が泳いでいるのもはっきり見える。すぐ対岸の船着場を経由してその先に進むのかと思っていたら、短距離の横断航路と長距離の縦断航路はそこで乗り換えとなっていた。下湖群への縦断航路は毎時2本の運航で、ちょうど30分を過ぎたところだったし、暫く待っても来る気配がなかったので、上湖群に向かって遊歩道を歩き始める。グラディンスコ湖(Gradinsko jezero)やガロヴァツ湖(Galovac jezero)など、階段状に連なる湖の間を滝が繋いでいる。小さな湖だと青に緑に水は色深く、倒木が沈む底まで見通すことが出来る。大きな湖は波も立たず、鏡のように景色を写す様は知床五湖を思い出させる。林間の道端にはシクラメンやマツムシソウ、アザミなどが咲いていて目を楽しませてくれる。歩いているうちにかなり空腹になっていたので、園内を走るエコロジーバスの終点近くにあるカフェテリアでハンバーガーを食べる。

コジャック湖

最奥のプロシュチャンスコ湖(Prošćansko jezero)を入口から見た後は、なるべく違うルートを取るようにして引き返す。船着場近くに来ると遊歩道が渋滞していた。船の順番待ちの行列なのだろうけど、迂回するとかなり大回りになるので大人しく並ぶ。夏場は混雑するとは聞いていたけれど、平日でもここまで混むとは。30分くらいしてようやく湖岸の船着場にたどり着いたが、縦断航路の船は出た直後なのにデッキは人で溢れ、どのくらいで乗れるのか見当も付かない。横断航路の方は待たずにすぐに乗れる状態だったので、最初の船着場に戻ってからコジャック湖畔を歩く。殆どの観光客は船に乗るため、そこから先を歩いている人は疎らだったし、平坦な道が続くので歩き易い。気温は30℃を越えているようだけど、木陰が多いので耐えい難い程暑くはない。下流川の船着場付近までは1km弱。もしかしたら船を待ち続けていた方が早かったのかもしれないけれど、途中で追い抜いていった船に乗れていたとは限らない。

ヴェリキスラップ

そこから先は下湖群で、比較的小さな湖が連なって下っていくが、坂を登ってパノラマコースに入る。途中に展望所が幾つかあって、崖の上から覗くと眼下には碧々とした湖水が広がっている。この高さだと乳白色がかって見えるのが不思議。岩肌を流れ下る国内最大の滝、ヴィリキ・スラップ(Veliki Slap)を眺めてから、湖岸まで一気に下って対岸に渡る。本当はもっとゆっくりしていたかったのだけど、ガイドブックにはバスの混雑のことも書いてあったので、さっきの船待ちの混雑を見ると帰りのバスに乗れるか心配になる。手持ちの切符が有効なのは夕方遅くの便だけど、スプリット方面から来る都市間長距離バスなので、空席がないと乗せてくれないようである。それで乗り損ねても困るので、追加料金を払ってでもいいから混み出す前に、ということで午後3時台の便を目指すことにする。そこから第1停留所まではすぐだったのだけど、第2停留所の方が先に停車するため、車道の橋を歩いて峠を越える。

第2停留所には少し早めに到着したけど、予定時刻を過ぎてもバスは来ない。それらしいバスが来て目の前に停まったが、団体用の貸切だった。暫くして一緒に待っていた人から、3時台の便は運休になる可能性が大という事前情報があったと教えて貰ったので、諦めて4時台のバスの乗車券を窓口で購入。座席指定にはなっていないようだけど、公園始発のバスなので、販売枚数から乗車予定人数は把握しているはずだよね。まだだいぶ時間があったので、公園入口のカフェでシードル(林檎酒)を飲んで休憩してから、早めにバス停に戻る。時間が近付くにつれバス待ちの客は増えていったが、大型バスに先行して小型バスを出すので、トランクに預ける荷物がない人はどうぞ~との案内があったので、これ幸いと乗り込む。積み残しを出さないよう続行運転をすると最初から分かっていれば、落ち着いて下湖群も散策出来たのにと思いつつ、何はともあれ帰りのバスに乗れて一安心。

ザグレブのバスターミナルに到着し、宿に戻る前に近くの店で夕食。クロアチア・ハンバーグなるものを注文したら、チェバプチチの大型判といった感じだった。そういえば昼もハンバーガーだったっけ。食後のコーヒーはスモールサイズで。トルコ式かと思ったらイタリア式エスプレッソだった。