2013/04/28(日)

途切れがちながら8時間近く眠って、睡眠不足を解消。今日は早朝出発のツアーを申し込んでいたので、携行食をかじっただけで迎えの車に乗り込む。タイムズスクエア(Times Square)近くのホテルで他の参加者を待ってから、マンハッタン北部に向かう。アッパー・ウェスト・サイド(Upper West Side)を通って、ハーレム(Harlem)地区に入り、最初の目的であるバプテスト派教会に到着。今日は日曜日なので、ミサに参列して本場のゴスペルを体験するというツアーなのだが、ちょうど創立76周年を記念するミサに立ち会うことになる。なんとなくアカペラを想像していたが、キーボードやベース、ドラムなどの楽器も使用。曲も全てがコーラス付きという訳でなく、独唱や器楽曲、ダンス曲もあったが、やはり30名以上のコーラスは力強さに圧倒される。参列者の方も感極まって、一緒に踊り出したり歌ったりと積極参加。ツアーの都合上、半ば過ぎで中座して次の目的地に向かう。

ハーレム地区

ツアー後半はハーレム周辺の名所巡り。まずは米国で最も有名なクラブであるアポロ・シアター(Apollo Theater)へ。ブラックミュージックの殿堂と言われ、店の前には輩出した著名ミュージシャンのネームプレートが並んでいる。そちらのジャンルに詳しくなくても、マイケル・ジャクソンやスティービー・ワンダーぐらいは分かるよね。続いて訪れたワシントン・ハイツ(Washington Heights)地区にあるモリス・ジュメル・マンション(Morris-Jumel Mansion)は、マンハッタンで一番古い建物で、築250年というから米国では最も古い部類だろう。公開時間前で外から眺めただけだったが、英国様式の建物と花盛りのマグノリアの組み合わせが見事。ハーレム地区に戻ってニューヨーク市立大学(City University of New York)の外観を見学してから、モーニングサイド・ハイツ(Morningside Heights)地区のグラント将軍の墓(General Grant National Memorial)を訪れる。南北戦争の北軍総司令官夫妻の墓所で、ギリシャ風の荘厳な建物である。グラント夫妻に扮した人達がいたのは、将軍の誕生日のの翌日だったからだそうな。最後にアイビー・リーグ(Ivy League)に所属する名門のコロンビア大学(Columbia University)のキャンパスを散策してから、マンハッタン中心部に向かったが、セントラルパーク付近ではマラソン大会による交通規制があったので、予定よりも時間が掛かる。

近代美術館

指定解散場所はメトロポリタン美術館他だったけど、他の参加者をタイムズスクエアまで送るのに便乗して、"MoMA"の通称があるニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art, New York)前で降ろして貰う。朝早いツアーだったので、各施設は空いていたが、美術館到着も開館直後となる。特別展や現代美術を鑑賞してから、館内のカフェで早めの昼食。折角だから地元の白ワインでも飲もうと思ったら、“クレイジー”な法律があるので、正午を過ぎるまでアルコールは提供出来ないとのことだったので、食事とコーヒーのみの注文。メインはパンにベーコンとチーズを載せて焼いた物というのは、限りなく朝食に近いような気がしないでもない。食後はゴッホの「星月夜」やムンクの「叫び」など、著名な作品を含むコレクションを一通り見てから、1階の彫刻庭園に出る。

自由の女神像

5番街(5th Ave)をアップルストア(Apple Store)まで散策した後は、今日のうちに船に乗っておこうと、地下鉄E系統で42丁目・ポート・オーソリティー・バス・ターミナル(42 St - Port Authority Bus Terminal)に移動して、ハドソン川の畔のピア83(Pier 83)まで歩く。窓口で1時間後のクルーズを予約した後、近くで時間つぶしをしてから乗船待ちの列に並ぶ。船に乗り込んで上層デッキに座ると、歩いている時は汗ばむくらいの陽気だったのに、急に川風を肌寒く感じる。右側に座ったのでハドソン川を下り始めると、前半は右岸すなわちニュージャージー(New Jersey)州側の景色が良く見える。河口からはエリス島(Ellis Island)の前を通って、リバティー島(Liberty Island)に接近。その名の通り「自由の女神像(Statue of Liberty)」がある島で、本来なら上陸するツアーもあるのだけど、昨秋のハリケーン被害の修復がまだ終わっていないため、代わりに近くから眺めるクルーズにしたのである。台座部分も含めると93メートルもある巨大な像で、間近から見上げると迫力があるけれど、マンハッタンの高層ビル群に比べれば小さいので、一昨日の着陸前に気が付かなかったのも仕方がない。帰りはマンハッタン側の景色を間近から眺めながら、ハドソン川を遡る。さっきより雲が出て来たので、さらに肌寒く感じる。

ニューヨークの地下鉄は、南北方向に5路線も走っているのに対し、東西方向は手薄で意外と不便である。次の目的地まで2km以上離れていたけど、地下鉄で移動しようとすると、途中のごく一部分だけ乗車するか、乗り継ぎで大回りするしかない。天気が悪ければ話は別だが、薄曇りではどちらも面倒だったので、そのままミッドタウンを横切って、エンパイア・ステート・ビルまで歩く。現在は再びニューヨークで一番高いビルではなくなったものの、その歴史と風格から今でもこの街の象徴であることには変わりない。エスカレーターで2階に上がり、保安検査を受けた後は入場券売場をスキップして、エレベーターに乗り場へ。80階でエレベーターを乗り継ぐ際もそれなりに待たされたが、思っていた程混んではいなかった。86階に到着して屋外の展望デッキに出ると、この高さなので地上よりもかなり肌寒く感じる。だいぶ雲が増えてきたので、写真の背景は白っぽくなってしまったが、視界はまだ十分だったので、マンハッタン南部は勿論のこと、ニュージャージー、ロングアイランド(Long Island)側のかなり遠くまで見渡せる。折角なので追加料金を払って102階にも上がってみたが、ガラス張りの小さな展望台で、景色も極端には変わらなかったという印象。

マンハッタン夜景

エレベーターを2回乗り継いで地上に戻り、今日もコンビニでサンドイッチを買ってから宿に戻る。朝早くからの観光でかなり眠かったけれど、シティ・パスでエンパイア・ステート・ビルに上ると、同日22時以降に再入場出来るという特典があるので、これを利用しないのはあまりにも勿体ない。ということで頑張って起き続け、明日の支度と歯磨きを済ませてから、夜の街に出掛ける。保安検査やエレベーターで時間が掛かるのを想定して21時半に宿を出て、22時ぴったりにチケット改札を通るように時間調整。夕方前よりもずっと混雑していて、80階では階段の利用も呼び掛けていたので、最後の数階を歩いて登ったけど、フロアの間隔が意外と広かったりする。86階に辿り着いて屋外デッキに出ると、眼下は一面の光の海。天気が多少良くなくても、視界さえ悪くなければ、夜景は晴れている時と全く変わらないのである。シャツを着込んで来たので、寒さはそれ程感じなかったけど、あまり長居はしないように~ということで、全方向を撮影しながら鑑賞した後は、さっさと地上に降りて、宿に戻って即就寝。