2013/04/29(月)

今日はどんよりとした天気で、朝から小雨が降ったり止んだり。朝食はネットで調べた店に行ってみたら、まだシャッターが開いていなかったので、第2候補の店でホットビュッフェとベーグル。

今日はローワー・マンハッタン(Lower Manhattan)地区の観光ということで、ダウンタウン方面の地下鉄に乗り、ウォール街(Wall St)で下車。入植時代にあった防護壁に由来する地名だが、今は言わずと知れた世界に名だたる金融街。横方向の“ストリート”なので、高層ビルに挟まれていても道幅は狭い。まずはニューヨーク証券取引所(Ney York Stock Exchange)の斜め向かいにあるフェデラル・ホール・ナショナル・メモリアル(Federal Hall National Memorial)を見学。合衆国2代目の議事堂として初代大統領の就任演説が行われた場所で、宣誓に使った聖書の現物も展示されているが、現在の建物は1842年に税関として復元再建されたもの。小雨の振る中、イースト・リバーの埠頭まで歩いて行ってみたが、ブルックリン橋(Brooklyn Bridge)は手前の建物に一部隠されていた。

グラウンドゼロ

街中に戻って、トリビュートWTCビジター・センター(Tribute WTC Visitor Center)を見学してから、“グラウンド・ゼロ(Ground Zero)”とも呼ばれるナショナル9.11メモリアル(National September 11 Memorial)へ。ワールド・トレード・センター(World Trade Center)のツインタワーの建っていた場所は、巨大なプールとなっていて、絶えず水が流れ落ちる空間が、“不在の大きさ”を示している。敷地内の樹木は新たに植え直されているが、ただ一本だけ生き残った木があり、サバイバー・ツリー(Survivor Tree)と呼ばれている。ちょうど開花時期を迎えていたマメナシの仲間(Callery pear)で、木全体に真白な花が咲いている。敷地を見下ろす形で、ワン・ワールド・トレード・センター(1 Wrold Trade Center)が建築中で、かつてのツインタワーを凌ぐ高さに達している。

昼食はガイドブックに載っていたチェーン店で、ハンバーガー。ベーグル以外にも少しはアメリカらしいものを食べなきゃね~ってやっぱり量が凄いね。ポテトや飲物の“レギュラーサイズ”は日本の感覚では“ラージサイズ”よりも大きい。雨の降り続く中、アメリカン・インディアン博物館(The National Museum of the American Indian)を見学してから、マンハッタン最南端にあるバッテリー・パーク(Battery Park)を散策。クリントン砦(Castle Clinton)は改修中だったので、外から眺めるだけ。自由の女神も遠くに見えていたけど、雨に霞んでいた。

ヤンキースタジアム

予定していた場所は一通り訪れたので、早めにピア6(Pier 6)に行って、遊覧ヘリコプターの搭乗手続き。荷物をロッカーに預け、安全講習ビデオを見た後、救命胴衣を着込む。予約よりも30分早く駐機場に案内され、黒い機体に乗り込んでヘッドセットを装着。操縦士を入れて定員は6名。2名×3列という配置なので、全ての座席が窓に面している。そのうち1列は逆を向いているが、操縦士の隣席に座るよう指示される。相変わらず雨は降り続いていても、風はそれ程強くなかったので、ヘリポートからふわりと飛び立つ。最初はリバティー島に向かい、自由の女神を見ながら旋回した後は、ハドソン川沿いに北上。左側に座っていたので、行きはニュージャージー側の景色を眺めながらの飛行。ジョージ・ワシントン橋(The George Washington Bridge)付近で川から離れ、ブロンクス(The Bronx)に入り、ヤンキー・スタジアム(Yankee Stadium)上空で折り返す。帰りもハドソン川に沿って飛ぶので、今度はマンハッタン側がよく見える。エンパイア・ステート・ビルの頂上が隠される程の雨雲ではなかったが、景色は全体的に霞んでいる。それに風向きによっては雨粒がガラスを伝って流れるので、写真を撮るのも一苦労。20分の遊覧飛行を終えて、ヘリポートに着陸。当初は昨日午後の予約を入れるつもりだったが、ヤンキースタジアムで試合がある時は上空飛行禁止となるため、ニューヨーク湾の南側に往復するコースになるとの連絡があったので、今日に変更したのである。結果的に昨日の方が天気が良かったのだけど、予約時は長期予報さえ出ていなかったのだから仕方がない。勢いで記念写真を購入し、荷物を取り出してからピア6を後にする。

グッゲンハイム美術館

地下鉄ボウリング・グリーン(Bowling Green)駅まで歩いて、急行系統に乗って86丁目駅に移動。セントラルパークに向かって歩き、メトロポリタン美術館の近くにあるグッゲンハイム美術館(Solomon R. Guggenheim Museum)へ。シティ・パスではグッゲンハイムとトップ・オブ・ザ・ロック展望台のどちらかを選択することになっていて、既に初日に展望台の方でクーポンを使っているけど、パスを提示すれば入館料が少し割引になる。“カタツムリ”と形容される建物の形が非常に独創的で、上に行く程広がる螺旋状のスロープが続いていて、各フロアにある大小の展示室に接続している。下から順に登って行って、マティスやピカソ、シャガールなどの絵画や、彫刻、映像などの現代芸術作品を鑑賞。1階の売店を覗いてみたら、建物の形を模したマグカップを売っていた。

今日もコンビニに寄って、サンドイッチを買って帰り、宿に一旦引き上げてから、迎えの車に乗って夜のツアーに参加。グラマシー(Gramercy)、イースト・ビレッジ(East Village)地区を抜けてローワー・マンハッタンに出て、ホワイトホール・ターミナル(Whitehall Terminal)からスタテン・アイランド・フェリー(Staten Island Ferry)に乗り込む。マンハッタンとスタテン島(Staten Island)を結ぶ無料の市営連絡船だが、リバティー島の近くを通るので、自由の女神を眺めるのが乗船目的である。雨は上がっていたが、空は相変わらずどんよりと曇っている。終点のセント・ジョージ・ターミナル(Saint George Terminal)で一旦降りて、次の船で乗ってすぐに引き返す。帰りは既に暗くなっていて、自由の女神もライトアップされている。往路でも既に肌寒かったが、帰路では外にずっと立っていられない程寒くなっていたので、船室で適宜戻りつつデッキから撮影。といっても動き続ける船から、少し離れた場所にある暗い被写体を撮るのは非常に難しく、何枚か試したうちの1枚でもそれなりに写っていればいいのだけど。

ブルックリン橋

ローワー・マンハッタンから橋を渡って、対岸のブルックリン・ブリッジ・パーク(Brooklyn Bridge Park)へ。ここからはローワー・マンハッタンの夜景を横方向から眺めることが出来る。高層ビルの灯りが水面に映って綺麗なのだけど、やっぱり気になるのは夜のブルックリン橋。二十数年前に中島みゆきが「見返り美人」のプロモーションビデオで、橋脚によじ登ったことで有名(?)である。吊橋のワイヤに点々と灯る明かりは確かに見覚えがある。橋脚にも可能な限り近付いてみたが、さすがに梯子までは確認出来なかった。続いてハドソン川対岸の夜景ポイントに向かったが、いつの間にか車の中で寝入ってしまい、気が付いたらニュージャージー州のハミルトン公園(Hamilton Park)に到着するところだった。川沿いの高台にあるので、ミッドタウンを真横から、少し見下ろすことになる。エンパイア・ステート・ビルもはっきりと確認出来る。川の近くは風が肌寒かったので、一通り撮影してから車に戻る。帰りは目を覚ましたまま、ハドソン川をトンネルで潜り、ミッドタウンの宿に到着したところでツアーは終了。今夜も寝支度をしてから出掛けたので、部屋に帰り着いたら速攻で就寝。