2013/08/14(水)

おけさ灯台

宿を出て駅前からバスに乗り、朱鷺メッセの奥にある乗船場へ。ネットで予約していた乗船券を券売機で受け取ってから、待合室で待機した後、ジェットフォイルに乗り込む。指定された座席は1階後方の窓側。新潟港を後にして、快調に航行するうちに眠りに落ちたので、気が付けばもう半分以上を過ぎていた。窓から島影が見えるようになっていたが、晴れていてもそれほど視界が良くないので、距離の割には霞んでいるようである。フェリーなら2時間半掛かるところ、高速艇だと1時間と少しで佐渡島の両津港に到着。港の入口に「おけさ灯台」という表示が出ていたが、よく見ると赤い灯台の先端が“おけさ笠”の形をしていた。

とりあえず荷物を乗船場のロッカーに預けてから、近くの食堂に入って昼食。注文したのはサバの焼魚定食。そういえば新潟に来てから初めての和食メニューになるのかた。港付近は砂州になっていて、両津湾の反対側に位置するのが加茂湖。新潟県内では最大の湖で、海と繋げたため現在は汽水湖になっている。折角なので湖が見える場所まで行って、写真を撮影してから港に戻る。30℃を越える真夏日で外はかなり暑いので、ターミナル内で時間待ちをした後、予約していた観光バスに乗車。

たらい舟

両津を出た後は、佐渡島のくびれた部分を横断。海の向こうの大佐渡山地を見ながら真野湾沿いに進み、最後に峠を越えると南岸の小木港に着く。現在は両津が佐渡の表玄関となっているが、古来は都に近い方の小木の方が港として栄えていたのだとか。今でも直江津との間をフェリーが結んでいる(冬期は運休)。佐渡といえば“たらい舟”だが、島の中でも見られるのは小木周辺だけなのだとか。この辺りは海底火山が隆起した複雑な地形で、ごつごつとした黒い岩が多く、普通の舟では入れない場所でも漁が出来るようにと、小さくて平底のたらいを利用した舟を作ったのだとか。真円のたらいだと回ってばかりで進めないので、楕円形になっているとのこと。観光用のたらい舟は一回り大きく、船頭の他3名まで乗ることが出来る。軽快なリズムに乗って乗船場を離れ、港の中を軽く一周。途中で操船体験も出来るそうだが、素人が漕いでもそう簡単には進まないようだし、一眼レフカメラが気になるので遠慮しておく。

宿根木集落

バスで宿根木(しゅくねぎ)に移動し、重要伝統的建造物群保存地区を散策。北前船の寄港地だった場所で、船大工が作った独特の外観を持つ家が建ち並んでいる。内部を公開している民家もあるが、ツアーでは時間がないため内部見学か集落散策のどちらかしか選べないので、後者を選択。 一旦バスに戻って、坂道を登ってすぐの所にある「千石船展示館」を見学。北前船としていた千石船を原寸大で復元していて、船内に入ることも出来る。廃校になった小学校の校舎が隣接していて、民俗資料が沢山展示されていたが、集合時間まで少し余裕があったので、坂道を途中まで引き返して宿根木集落を見下ろす場所に出る。佐渡で多く見られる真黒な能登瓦と、石を置いた屋根が混在していて、印象的な風景となっている。途中にあった郵便局も、伝統的家屋を模した木造建築となっている。

真野湾側に戻り、本日最後の観光地である西三川ゴールドパークへ。出迎えるのは狸のキャラクター「とんちぼ君」。佐渡ではタヌキのことを“とんちぼ(頓智坊)”と呼ぶそうだが、狸を祀っているのは全国的にも珍しく、佐渡と阿波くらい~という話が「平成狸合戦ぽんぽこ」にも出て来るそうだが、20年前に一度観たきりなのでよく覚えていなかったりする。ゴールドパークでは“砂金とり体験”が出来るが、ツアーでは3つあるレベルの中の初級コースとなる。水を張った台に沈めた砂利の中から、専用の容器を使い、比重の違いを利用して砂金を探し出す。砂利の大部分を流して、残った砂の中に光る粒があれば、指先に付着させてスクリュー管に移す。1回目はわりと目立つ金色の粒を1つ見付けられたが、2回目は見当たらなかった。制限時間30分で熱中して探す人も多かったが、子供にも合わせてなのか台が低くなっていて、屈んだ姿勢を続けるのが辛くなってきたので、1粒で満足したことにして切り上げる。後から調べてみると、中級コースは人工河川、上級コースは自然河川にしゃがみ込んでの作業になるようである。

帰りのバスは西海岸の各地を回るだけで、出発地の両津に戻るには、佐和田バスターミナルで路線バスに乗り換えるという変わったシステム。ネットで調べてもこれといった店が見付からなかったので、両津到着後はターミナル内の売店でパンと飲み物を買ってから、荷物を取り出して宿まで歩く。部屋で無線LANが使えるのは有難かったけど、和室なので椅子に座って作業出来ないのが辛い。座卓に茶道具セットを載せて、その上にノートPCを置いたりしたけど、座椅子に座っているだけでもしんどかったので、必要情報の収集を済ませてからさっさと就寝。