2013/08/27(火)

ケーニヒシュタイン

朝早く宿を出て、昨日とは反対方向の近郊列車に乗車。ドレスデンを出て暫くすると、エルベ川渓谷に沿って進むようになる。この辺りはザクセンのスイス(Sächsische Schweiz)と呼ばれる景勝地となっている。ケーニヒシュタイン(Königstein)で下車して、集落の方に向かう。ここから目的地まで観光用のバスも出ているのだけど、本数がかなり限られるようなので、そのまま案内に従って歩き続ける。町外れの坂道がそのまま、林の中の石畳の遊歩道とな。分岐点から先は山道となり、ひたすら登り続け、駅から30分と少しでようやくケーニヒシュタイン城塞(Festung Königstein)に到着。山の上に建つ大規模な要塞で、今春ワシントンのナショナルギャラリーで見た絵がが非常に印象的だったので、訪れてみたくなったのである。

エルベ川渓谷

城壁の外側を回り込んで、駐車場に面した窓口で入場券を購入。城壁の間の急坂を登って城門を潜り、そこからさらに建物の中の階段を登ると、そこはさながら小さな町のよう。南側の城壁の上に立って、後背地の景色を眺めてから、ポンプ小屋、食料庫、礼拝堂などの建物を見て回る。城内の森を抜けて北側の城壁に出ると、眼下には湾曲して流れるエルベ川と、対岸の丘陵地が広がっている。河岸に見えているケーニヒシュタインの町からここまで歩いて登るのは結構大変だったけど、空は晴れて景色は最高。眺めを楽しみながら城壁沿いに歩いて、城門付近の建物を見学してから、外に出て元来た道を引き返す。列車は30分に1本だけなので、最後の方は急ぎ足になったが、反対側のホームはかなり遠い場所にあったりする。

アイアーシェッケ

ケーニヒシュタインの近くには、バスタイ橋というザクセンのアルプスで一番有名な場所があるが、こちらは隣の駅から船で対岸に渡ってから、また山道を登ることになる。さすがに時間と体力がなかったので今回は断念して、おとなしくドレスデンに戻る。旧市街に出て「クロイツカム(Café Kreuzkamm)」で、アイアーシェッケ(Eierschecke)を食べて休憩。バウムクーヘンも元はこの辺りが本場らしいが、以前ミュンヘンで同じ店に入った時に注文しているので、今回はドレスデンのチーズケーキにしたのである。ラズベリーの実がたっぷり入ったソースが添えられていた。

フラウエン教会

元気が出たところで、ノイマルクト広場(Neumarkt)に面したフラウエン教会(Frauenkirche)を訪れる。第2次世界大戦の空襲で一夜にして瓦礫となり、戦後は長らく廃墟のままになっていたが、今世紀に入って再建されたもの。展望台の入口は広場の反対側にあり、順番を待ってエレベーターに乗る。ドームの内側は螺旋スロープになっていたので、急な階段は最後の少しだけだった。展望台に出てエルベ川の畔に広がる街並を眺める。急に雲が多くなってきたようだが、ドレスデンを越えて十分遠くまで見渡せる。

続いて河岸のテラスに面したアルベルティーヌム(Albertinum)へ。上階のノイエマイスター絵画館(Galerie Neue Meister)は、一部の区画が改装中で閉鎖されていたが、ゴッホやマネ、ピカソなどの有名画家の作品は展示中だった。地上階の彫刻展示室(Skulpturensammlung)を見学した後は、周辺を少し散策。まだ夕方前だったけど、一旦宿に戻って出直して来る元気はなかったし、既に空腹だったので、近くのレストランで早めの夕食。やっぱり地元料理かなということで、ドレスデン風ミートローフ(Dresdener Wiegebraten)とグラスワインの赤(ドルンフェルダー)を注文。ドレスデン滞在中は雨続きという予報を出しているサイトがあったけど、結局一時的に雲が多くなったことはあっても、基本的にずっと晴れていた。