2013/08/29(木)

カレル橋

今朝は天気が回復して、雲一つない青空が広がっている。昨夕訪れた共和国広場から、「王の道(Královská cesta)」を歩いて旧市街を横断。ガイドブックによると、昔の王達の戴冠式のコースだったとのこと。旧市街広場(Staroměstské náměstí)を経て、路地をくねくねと辿ると、ヴルタヴァ川(Vltava)の畔に出る。日本ではドイツ語形のモルダウ(Moldau)の名前で知られているが、この川に架かる最古の石橋がカレル橋(Karlův most)で、プラハ随一の名所である。橋は歩行者専用となっていて、両側には聖人像が等間隔に立ち並んでいる。朝のこの時間はまだ、観光客もまばらなようである。橋の上からは対岸の街並が順光で浮かび上がって見えるが、一番手前の建物の屋根にブルーシートが被せてあって、景観を損ねているのが残念。

プラハ城

橋を渡ってマラー・ストラナ(小地区/Malá Strana)に入っても「王の道」は続き、坂道を登り詰めた先のプラハ城(Pražský hrad)で終点となる。この辺りからはプラハの旧市街方面が見下ろせる。途中の景色を見ながら歩いていたら、思ったよりも時間が掛かったため、城内は既に混雑が始まっていた。券売所でプラハカードを提示して、入場券に引き換えてから見学開始。まずは入ってすぐのところにある聖ヴィート大聖堂(Katedrála svatého Víta)から。巨大なゴシック建築で、デザインの違うステンドグラスが並んでいるが、そのうちの一つはムハ(ミュシャ)の作品である。続いて旧王宮(Starý královský palác)とバロック式建築の聖イジー教会(Bazilika svatého Jiří)を訪れた後、錬金術師の長屋だった黄金小路(Zlatá ulička)へ。その先にあるダルボルカ(Dalborka)という塔までが、プラハカードで見学出来る城内施設となっている。

哲学の間

プラハ城のすぐ隣にあるのがシュテルンベルク宮殿(Šternberský palác)で、内部はプラハ国立美術館(Národní galerie v Praze)の一つになっている。ここにはバロック時代までの欧州絵画が集められていて、エルグレコやルーベンスの作品もある。一通り見たところでかなり空腹になっていたし、各施設も昼休みに入る時間帯だったので、予定を変更してストラホフ修道院(Strahovský klášter)の近くの店に入って、自家製ビールとチキンのグリルを注文。食後は来た道を少し引き返してロレッタ教会(Loreta)を訪れる。イタリアのロレッタに運ばれたという聖母の家を模した建物が中心となっていて、礼拝堂の内装や回廊にある財宝室も見事である。再びストラホフ修道院まで戻って、上階の「哲学の間」や「神学の間」を見学。天井まで届く書棚や、フレスコ画の下に並ぶ地球儀や天球儀が印象的である。

展望台より

「飢えの壁(Hladová zeď)」と呼ばれる飢饉救済の公共工事で作られた城壁に沿って歩き、ペトシーン公園(Petřínské sady)に出る。公園の中央にある展望台(Rozhledna)はエッフェル塔を模したもので、高さは60メートルしかないが、丘の頂上に立つので眺めは良いとのこと。追加料金を払えばエレベーターにも乗れるのだけど、折角なので(?)階段を登る。一番上の展望室に着いたら、いつの間にか空は雲に覆われていて、遠くまで一望出来るプラハの街並も薄暗くなっている。各方面の写真を撮りながら、暫く天気が回復するのを待ってみたけれど、なかなか雲は途切れない。諦めて階段を降り始めたら、途中から急に晴れ間が見え出した。すぐに最上階に引き返したいところだったけど、階段は上りと下りが別々になっていたので、一旦中層階まで降りてから慌てて引き換えしたら、今度は午後の日差しを浴びた街並が広がっていた。やっぱり晴れていると印象はかなり違うよね。

一通り撮影してから、塔を降りてそのまま丘を一気に下る。市街地に戻ると再び天気が悪くなり、時折小雨がぱらつくようになる。軍団橋(Most Legií)でヴルタヴァ川を渡って、旧市街と新市街の境目を歩いて、昨日行き損ねたヴァーツラフ広場(Václavské náměstí)に行く。ここがビロード革命の舞台となったところだね~と思う間もなく雨が降り出したが、すぐに止んだ。昨日の夜から3連続でしっかり食べていたので、夜は駅構内の売店で買ったサンドイッチで軽く済ませる。歩き疲れたので明日の予習をしてから早めに就寝。