2015/05/03(日)

ミディ運河

ボルドーからナルボンヌまでの幹線は、高速列車が多数運転されているが、平均すると1時間に2本もないので、気合を入れて早めの列車に乗る。奇しくも1日1本だけ運転されているトゥールーズ発バルセロナゆきの直通列車だったりする。バルセロナで折り返してトゥールーズに戻って来るのが夜遅くとなるため、昨日は乗り継ぎ列車を利用することになったのだけれども。最初の停車駅であるカルカソンヌまでは1時間足らず。下車してとりあえず帰りの指定券を購入してから駅前に出ると、ミディ運河(Canal du Midi)が線路に沿って流れている。地中海とトゥールーズを結び、17世紀末の開通以来19世紀まで、ガロンヌ川を介して大西洋に抜ける水運ルートとして活躍していたとのこと。両岸に並木が続く運河は、列車の車窓からもずっと見えつ隠れつしている。

コンタル城

日曜の朝で、バスティード・サン・ルイ(Bastide St-Louis)と呼ばれる新市街は静まり返っている。カルノ広場(Place Carnot)を通ってオード川(Aude)の岸に出ると、丘の上の大きな城塞が見えて来る。駅から歩くこと約30分、旧橋(Pont Vieux)を渡って対岸の集落を歩き、急坂を登ってオード門(Porte d’Aude)を潜るとようやくシテ(Cité)と呼ばれる旧市街を擁する城塞の中に辿り着く。まずはコンタル城(Château Comtal)に入って城の内部を見学し、そこから旧市街を取り囲む城壁の上部に出る。東側を3分の1周してナルボンヌ門(Porte Narbonnaise)まで往復することが出来る。旧市街の屋根を見下ろしながら城壁を歩くのはクロアチアのドブロブニクを思い出すが、こちらは城塞自体が高台にあるので、反対側の眼下には平野が広がっている。

カスレ

城を出て旧市街を散策すると、細い路地には所狭しと店が並び、観光客が溢れている。欧州最大級の城塞といっても、長軸が300メートル程度なのですぐに一周出来てしまうので、二重城壁の間も歩いてみる。ちょうど昼時となったところで、広場に面したガイドブック掲載店に入る。やっぱり豆を使った郷土料理のカスレ(cassoulet)を食べておかなくちゃね~といっても既に4年前にボルドーでも食べているんだけどね。デザート付きのコースだったので、クレーム・ブリュレ(crème brûlée)を選択。

カルカソンヌ城塞

食後はサン・ナゼール・バジリカ聖堂(Basilique St-Nazire)を訪れた後、名残の城塞内散策。オード門から外に出ると、朝と違って逆光条件ではなくなっていたので、少しだけ追加撮影。坂を下って駅まで歩いて戻り、予約していた列車を待つ。今度はパリからのTGVで、車両は総2階建てになっていた。トゥールーズに帰った後は、昨日の市内観光の続きをするつもりだったけど、一旦宿の部屋で休憩していまうと再び出掛ける気力がなくなってしまった。連日の疲れが溜まっているところに、朝早くから出掛けて歩き回ったのだから無理もない。現代美術を見に行くのも、ガロンヌ川クルーズも、どうしてもという訳でもなかったので、そのまま明日の予習を済ませてから早めに就寝。