2015/05/04(月)

ロートレック美術館

今日も宿を早めに出て、駅に向かう。支線の列車は2両編成で、ラッシュ時とあってか混雑していたが、なんとか座ることが出来た。約1時間でアルビ(Albi)に到着し、駅から歩いて旧市街を目指すが、ガイドブックの地図だと駅が範囲外になっているため少し分かり辛い。先にバスターミナルの場所を確認しておいてから、サント・セシル大聖堂(Cathédrale Sainte-Cécile)へ。フランス革命期の破壊を免れた中世のゴシック建築で、「最後の審判」の大壁画や、天井、身廊などの装飾が見事である。続いて隣接するトゥールーズ・ロートレック美術館(Musée Toulouse-Lautrec)を見学。パリのムーラン・ルージュのポスター等で知られる画家アンリ・マリー・レイモン・ド・トゥルーズ=ロートレック=モンファ(Henri Marie Raymond de Toulouse-Lautrec-Monfa)は当地が出身地で、ベルビー宮(Palais de la Berbie)だった建物にコレクションが展示されている。アルビに到着した時点ではどんよりと曇っていたが、昼前にはすっかり晴れて青空が広がっている。天気が悪ければそのまま市内で昼食を済ませてから帰るつもりだったが、これだけ晴れているならばと遠出を決意し、旧橋(Pont Vieux)周辺のタルン川(Tarn)の畔や旧市街を一通り歩いてから、バスターミナルに急ぐ。そしたら再び雲が増え始めたりする。

コルドシュルシエル

郊外に向かう707番のバス(平日でも1日4往復のみ)は、高台に登ってヴィルヌーヴ(Villeneuve)、リヴェール・カゼル(Livers-Cazelles)という2つの村を経由し、約30分でコルド・シュル・シエル(Cordes-sur-Ciel)に到着。 “空の上のコルド”の名前の通り、丘の上に要塞に築かれた要塞が、まるで空に突き出すように見える。まずは村の全景の撮影ということで、バス停から道を引き返してポイントを探す。手前の景色が邪魔したりして、結局15分くらい歩くことになったが、なんとかそれらしい写真を撮ることが出来た。少し寄り道して他の撮影地点を探したりしながらバス停に戻り、いよいよ城塞に向かう坂道を登り始める。

コルドの広場より

道はかなりの急勾配で、水平に建っている家との角度が半端ない。中世まで遡る3つの門を潜って、村の中心部に着いたところで、ようやく道がほぼ水平になる。帰りのバスまでかなり時間があったので、とりあえず遅めの昼食を取ることにする。事前に調べていなかったので、適当に探して広場に面した店に入り、サラダと煮込みビーフを注文。空腹を満たしたところで、ゆっくりと村内の路地を巡る。高低差があるものの、長軸が200メートル程度の城塞なので、城壁の周囲も一回りしておく。着いた時にはまだ曇っていたが、次第に晴れ間も出るようになったので、視界が開けた場所から眺める景色も鮮やかさを増している。もとより視界は悪くないので、眼下に広がる盆地は遠くまで見渡せる。

アルビ旧市街

急坂で慌てる訳にもいかないので、少し早めに麓に降りて、さらなる撮影ポイントをさらに探してからバス停に向かう。帰りのバスは通学生で混雑していたが、トゥールーズに着く頃には観光客だけになっていた。終点の少し手前の停留所で下車して、新橋(Pont neuf)付近から午前中とは別ルートで旧市街を歩いて、アルビの駅に戻る。帰りの列車は6両もあったが、乗客が少なくてガラ空きだった。連休前にロートレック美術館のことを知って、いろいろ調べるうちにアルビとコルドの両方を訪れることになったが、結果的に2日連続の城塞観光となった。