2015/08/29(土)

当初の予定では二十数年ぶりに大歩危を訪れるつもりだったけど、今日明日は天気が良くないということなので、まだ行っていない場所を優先することに。早めに宿を出て、土佐くろしお鉄道ごめんなはり線直通列車に乗り込む。2両編成だったのでもしやと思っったら、やっぱり後ろ1両は途中で切り離しとなるというアナウンスがあったので、出発前に先頭車両に移動。後免から快速運転となり、安芸で切り離した後は各駅停車に戻る。1時間と少しで終点の奈半利に到着し、高架下に降りて北川村の村営バスに乗車。最初の停留所である「モネの庭」までは約10分。距離にして約2kmだから歩けないこともないが、丘の上にある施設なので最後の方は坂の連続となる。

モネの庭

という訳で、念願の北川村「モネの庭」マルモッタンにようやく来ることが出来たが、先月のフランス旅行でジベルニーの本家を訪れることになったので、よもやの本家の1月後の訪問となる。窓口の係員の勧めに従って、3つある庭のうち「光の庭」から訪れることにする。その名の通り本家ジベルニーの"Jardin d'eau"を模したものだが、池の形や遊歩道の配置まで忠実に再現しているので、歩いていると半端ない既視感があった。さすがに池の周りの植生は異なるものの、色とりどりに咲き乱れる睡蓮は、まるで絵画を見ているようだった。本家ジベルニーだと気温が低くて、睡蓮は午後にならないと開花しないとのことだったが、こちらは午前中が見頃になる。また、気温が低くてジベルニーでは根付かなかった青い睡蓮も、他の色に混じって咲いている。あと強いて違いを挙げるなら、ジベルニーの睡蓮の葉はわりと自由に広がっていたのに対し、北川村では整然とした楕円形になっていたことかな。

旧竹崎家

「水の庭」の奥にあるのが「光の庭」。こちらは北川村オリジナルで、モネの描いた地中海地方の絵の雰囲気を再現したとのこと。といっても今朝は蒸し暑いし、地中海と高知の植生が混じっているので、気分的には“日本の植物園”という感じかも(^^;;; 「水の庭」から駐車場を通って、反対側の門を潜り、カフェで早めの昼食~と思ったら少し時間が早かったので、遅めのブランチメニューを注文。建物の前に広がるのが「花の庭」で、こちらは本家ジベルニーの"Le Clos Normand"に因んでいるが、庭の構造を完全に模している訳ではなく、全体的な雰囲気を似せているだけである。といっても建物に続く緑のアーチなど、部分的に現地を再現している場面もある。あまり時間がなかったので、園内を一通り散策した後は、「フローラルホール」で開催中の魚梁瀬森林鉄道の展示を見てからバス停に戻る。村営バスが奈半利駅に着く手前に、古い民家が目に入ったので駆け足で見に行って外観だけ撮影。後から調べたところ、旧竹崎家という元商家で、現在は「高田屋」という喫茶店として営業しているとのこと。町内には他にも古い建物が残っているようなので、またの機会に訪れてみたい。

野良時計

奈半利からオープンデッキ車「しんたろう号」に乗って、途中の安芸で下車。駅前から城下町方面を目指して歩き出したつもりが、途中の標識に従っていたのがどうも自動車用だったらしく、安芸川の畔まで遠回りすることになってしまったが、どうにか安芸城址にたどり着く。本丸跡の丘に登った後は、「土居廓中」と呼ばれる城下町を散策。独特の生垣や石垣で区切られた真っ直ぐな道を歩き、公開されている武家屋敷「野村家」を見学。そして少し離れた場所にある「野良時計」を訪れる。時計好きの地主が自宅に時計台を自作し、それが周辺で農作業(野良仕事)をする人達に時間を知らせる役目を果たしていたとのことで、現在も民家の一部となっているため内部は非公開。帰りは真っ直ぐ歩いて駅まで戻る。

高知に到着した頃には本格的な雨となっていて、宿に戻るまでの間に結構濡れてしまった。部屋で休憩しながら服を乾かしておいたが、靴の方は完全に乾かせなかった。夕方になって再び高知駅に出掛け、地元の知り合いと食事。帰る頃には土砂降りとなっていたが、待っていたところで弱まるとは限らなかったので、そのまま傘を差しながらもずぶ濡れになって宿に戻る。マイルにつられて駅や電停から遠い宿にしたのが裏目に出たかな(^_^;)