2015/11/01(日)

一晩経ってもYubitterの不具合は続いているようなので、急遽類似サービスのモバツイに登録。試しにケータイメールから写真付きでつぶやいてみたところ、問題なく反映されていたので、今回の旅行中はこちらを使うことにしょう。

高千穂峡

朝早くチェックアウトして、バスセンターから高速バス「あそ号」に乗車。延岡市街地を出た後は、バイパス経由で高台伝いとなるため、川べりの集落や旧道、高千穂鉄道の廃線跡が、はるか下方に見える。高千穂バスセンターで下車して、ロッカーに荷物を預けてから、早々と観光開始。まずは中心街を抜け、高千穂神社の前を通って、急坂を下って高千穂橋へ。券売所で貸しボートを申し込むと、その時点で既に20分待ちになっていた。仮設階段を延々と降りて、乗船場で救命胴衣を着けて順番待ち。自分の番号が呼ばれたところでボートに乗り込む。そういえばボートを漕ぐのって、西表島のカヌーを除けば子供の頃以来になるのだったっけ。多少もたつきながらも橋の下を潜って真名井の滝の近くに出ると、風に吹き寄せられているようで、ボートが反対側の崖の近くで固まっている。全てのボートが稼働している混雑で、慣性と風で制御が難しい上、しかも素人集団だから、一度“渋滞”に嵌るとそう簡単には抜け出せない。立ち往生したのが滝の反対側だったから良かったけれど、もし滝の近くならずぶ濡れになるところだった。抜け出すまでに時間の半分以上を費やすことになってしまったが、なんとか「仙人の屏風岩」の下まで出てから折り返し、帰りは極力巻き込まれないように注意して、船着き場に帰り着く。下半身はずっと同じ姿勢を続けたままで、上半身は普段使い慣れない筋肉を使い続けたので、明日以降の筋肉痛が怖いけれど、今から心配しても仕方がない。帰りに券売所の前を通ると、1時間待ちという声が聞こえてきた。

高千穂橋梁

高千穂峡淡水魚水族館を見学した後、高千穂橋を出て急坂を登り、バスセンターの近くを通ってから、さらに坂道を上って旧高千穂駅に出る。旧高千穂鉄道は2005年秋の台風で大きな被害を受けた後、復旧を断念して2008年までに全線廃止となっている。前回2001年に高千穂を訪れた時は、同鉄道の乗りうぶしも兼ねていたのだけれど、まさか次に訪れるまでに廃線になっているとは思わなかった。現在は廃線跡の一部を利用して、「高千穂あまてらす鉄道」が観光用のスーパーカートを運行している。45分間隔の運転で、旧駅の窓口に着いた時には前の便が出た直後だったが、既に次の便は残席2になっていた。1便あたりの定員が17名と、マイクロバスよりも少ないのだから仕方がない。旧駅周辺や構内の展示や施設を見学してから、案内に従ってスーパーカートに乗り込む。軽トラを改造した2台を連結したもので、旧プラットフォームではなく、手前の軌道上が乗場になっている。旧高千穂駅を出発し、東に向かって走り出す。昼近くになって気温は上がってきたものの、吹きさらしだとさすがに肌寒く感じる。途中、2つのトンネルを通り抜けたが、車両から天井にイルミネーションを投影していた。旧天岩戸駅で一旦停止し、風速を確認してから~といってもほぼ無風だったので、そのまま高千穂橋梁に乗り入れる。現役時代は日本一の高さを誇った鉄橋で、営業列車も減速サービスをしていたが、スーパーカートは谷底の真上で完全停止。連結部から下を覗くとかなりの迫力だが、写真に撮ったところでそう簡単に表現は出来ない。鉄橋を渡りきる寸前で折り返し、旧高千穂駅に到着したところで約30分の旅が終了。下車後は構内の端にある車庫に行って、旧高千穂鉄道の静態保存車両や展示を見学。

天安河原

中心街に戻り、「がまだせ市場」併設の高千穂牛専門のレストランに急ぐ。既に昼近くで、店内は予約が多く入っていたようだが、焼肉ではなくステーキを選択したら、それ程待たずにカウンター席に案内された。折角なので下から2番目のメニューと、地元のワイン(メルロー)のグラスを注文。食後のコーヒーを飲んでも、まだ少し時間に余裕があったので、市場も少し見学してからバスセンター隣の観光案内所に向かう。受付で手続きを済ませてから、予約していた観光タクシーに乗車。前回来た時は定期観光バスを利用したのだけれど、現在は運行されていない。最初に訪れたのは天岩戸神社。ここまでなら路線バスがあるものの、本数は少ない。前回バスツアーで訪れた際は、西本宮と川向こうの天岩戸を見学しただけだったが、今回は天安河原と東本宮にも行くことが出来た。天安河原は西本宮の先の道路から山道を降った先にある岩窟で、天照大神が岩戸の陰に隠れた際に八百万の神々が評定を行った場所とされている。巨大な岩窟は入り口が広いが薄暗く、通り道以外は沢山の小さな石が積み重ねられているので、まるで賽の河原といった雰囲気になっている。東本宮は岩戸川の対岸にあり、石段を登った先にある境内は木々に囲まれて静まり返っている。

続いて訪れたのが高千穂峡~って本日2度目。今度は御橋から遊歩道を通って、真名井の滝を上から眺め下ろしたり、さっきは見上げる余裕もなかった仙人の屏風岩を対岸から眺めたりして進む。槍飛橋を渡って、「高千穂三段橋」と呼ばれる峡谷に掛かる三つの橋(神橋、高千穂大橋、神都高千穂大橋)を見上げる場所に出て、待機していたタクシーに乗車。前回バスツアーで来た時に、遊歩道まで歩いたかどうかの記憶は定かでなかったが、後から記録を確認してみると歩いていたことが判明。ただし当時はまだ高千穂バイパスは工事中だったので、三段橋の眺めも違っていたはずである。高千穂峡を後にして、高千穂神社を訪れる。階段を登った先にある巨木の立ち並ぶ境内は、バスツアーで訪れた時の記憶が残っていた。

市街地を出て今度は坂道を登り続け、4箇所目の目的地である国見ヶ丘へ。晴れた日は阿蘇の五山まで見えるはずだが、天気は下り坂なので盆地の縁の山あたりまでしか見えない。桜が咲いている木があったが、二度咲き種なのだろうか。予定したところを巡った後も、少し時間が残っていたので荒立神社にも訪れる。天鈿女命(あめのうずめのみこと)と猿田彦命の夫婦が祭神で、芸能を司るということから有名人も来ることがあるのだとか。神社を出る頃には雨が降り出していたので、バスセンターに立ち寄って荷物を取り出した後、宿まで送って貰ったところでツアー終了となる。昼にがっつり食べた後なので、すぐ近くのコンビニで軽食を調達してから部屋で休憩。

高千穂神楽

夜になって本格的な雨が降っていたが、折角高千穂に宿泊しているのだからということで、傘を差して高千穂神社まで歩く。高千穂といえば夜神楽が有名で、これは毎年晩秋から冬に掛けて、週末になると町内のどこかの集落で夜通し演じられているが、高千穂神社の神楽殿では毎晩観光用にダイジェストを上演しているのである。早めに到着したので最前列の端の方に座れたが、座布団のない板の間で45分も座ったまま待つのは結構辛かった。とはいえ始まる直前には会場は満杯となっていたので、やはり早めに来て正解だった。いよいよ開演となり、笛と太鼓の伴奏に乗って舞が始まる。全33番の中から、クライマックスとなる「手力雄の舞」「鈿女の舞」「戸取の舞」の3つが演じられるが、それぞれの舞も本来のものより縮めてあるとのこと。最後の演目は「酒濾しの舞」で、酒に酔った伊邪那岐命と伊邪那美命が客席に入り込んで笑いを誘う。上演時間は約1時間で、待ち時間を含めると2時間近くも座りっぱなしで結構疲れたが、高千穂の夜の定番を体験出来て良かった。降り続く雨の中、宿に帰ってとっとと就寝。