2016/05/06(金)

今朝も日帰りツアーに参加する前に、サンタ・ルチアに立ち寄る。昨日行けなかった卵城にも入ったが、思ったよりも時間が足りなくて急ぎ足での見学となる。内部は意外と広くて階段や通路を歩くのが大変だったが、それでもなんとか上方から両側の景色を眺めることが出来た。

今日は違う会社のツアーに参加したが、集合場所は昨日と同じで、やはりローマ発のツアーと合流する形式。カプリ島ゆきの客を下ろした後のバスに乗り込み、まずはナポリ港周辺を軽く車窓観光ということで、ジョヴァンニ・ボヴィオ広場(Piazza Giovanni Bovio)やトリエステ広場(Piazza Trieste)、ヌオヴォ城(Castel Nuovo)の前を回った後、高速道路に乗って東に向かう。ヴェスヴィオ山の麓を回り、ポンペイ(Pompei)で高速を降りて遺跡近くの駐車場で下車。

ポンペイ遺跡

入口から並木道を通り、剣闘士の宿舎、大劇場(Teatro Grande)を見学してから、かつてのポンペイの街の中に入る。ポンペイは西暦62年の地震の後、再建途上の79年に起きた大噴火で埋もれたため、他のどの場所よりもローマ帝国らしい街並みが保存されているとのこと。街路には馬車の轍や繋ぎ石が残り、両側の建物も壁が残っているものが多い。パン屋の竃や居酒屋の露台、井戸など低い場所にある石で出来た物は、はっきりと確認出来る。比較的保存状態の良い娼館(Lupanare)やスタビア浴場(Terme Stabiane)の内部や、ヴェスヴィオ山を望む広場(Foro)も見学。団体行動のため、写真を撮るために早足で先回りしたり後から追い付いたりと、ちょこまか動き回ることになる。公共交通もあるので、個人で訪れた方がよかったかなと思いつつ、そうなったら写真を取りすぎて整理するのも大変になりそう。それにしても、こちらも現代美術とコラボ中のようで、巨大な人物像があちこちに設置されていて、写真に写り込んでしまう。

秘儀荘壁画

エルコラーノ門(Porta Ercolano)から街の外に出て、墓地跡を通ってフレスコ画で知られる秘儀荘(Villa dei Misteri)を見学した後は、バスに乗って近くの昼食会場に移動。今日もメインは選択制だったので、ピッツァ・マルゲリータ(pizza Margherita)を注文。ピッツァといえば、ナポリが本場だからね。地元名産のワインもあったけど、今日もノンアルコールということで、飲み物はシチリア産のブラッドオレンジにしておく。帰りはカメオ工房に立ち寄ってからナポリに戻ったところで、ツアーを離脱。

ヴェスヴィオ山

昨日よりは早い時間だったし、午後から出てきた雲もそれ程多くなかったので、トレド通りのドゥーカ・ダオスタ広場(Piazetta Duca d’Aosta)からケーブルカーに乗って、ヴォメロの丘(Vomero)に登る。ナポリ市街地からは複数のルートがあるのだけど、一番南にある中央鋼索線(Funicolare Centrale)を利用。終点のフーガ広場(Piazza Fuga)から階段や坂道を登り、案内に従って歩いていたつもりが、途中で次の標識が見当たらなくなったが、現在位置と方角は分かっていたので多少遠回りした程度で、サンテルモ城塞(Castel Sant'Elmo)に到着。そびえる壁の前を回りこみ、坂道を登って城塞内に入り、さらに傾斜路を登ってようやく屋上に出る。上部はかなり広いので、全ての景色を一望することは出来ないものの、一周する間に南のナポリ湾とカプリ島、西の新市街地や北の丘陵地、そして東にはナポリ市街地の全景を見渡せる。ヴェスヴィオ山方面は少し陰になっていたものの、全体的に日が差して思った以上の眺めだった。城塞の前もテラスになっていたので、上からとは少し違う角度の景色を眺める。

ナポリ夜景

同じ路線で麓に降りた後、一旦宿に戻って部屋で休憩。夜のツアーを申し込んでいたので、指定場所である近所のホテルから迎えの車に乗り込む。まず夕方の景色を眺めるということで、サンテルモ城塞の前のテラスへ。先ほど訪れたばかりだけど、あたりは既に茜色に染まりつつあるので、同じ景色でも雰囲気は異なる。再び麓に降りて、旧市街のピッツェリアで夕食。メインは勿論ピッツァ・マルゲリータ、名物とはいえ、同じ日に2回食べることになるとは思わなかったけど、美味しかったらよしとしよう。ツアーの締めくくりにもう一度サンテルモ城塞前のテラスに行き、今度は夜景となったナポリ市街を見下ろす。これで函館、香港に続いて「世界三大夜景」をコンプリートしたことになる。ここの特徴は、手に取るような距離の灯りが、広範囲にわたって続いていることだろうか。ということはレンズの広角側でも、全てを写真に収めることが出来ないということになる。帰りは指定場所ではなくホテルに直接送ってもらう。すっかり遅い時間になったため、可及的速やかに就寝。