2016/07/20(水)

国会議事堂

朝は早めに宿を出て、窓口の開く時間(午前8時)に合わせて国会議事堂(Országház)のビジターセンターへ。9時過ぎの最初の英語ツアーを申し込んだ後、すぐ近くのドナウ川の畔から対岸のブダ地区や王宮の丘を眺める。この時間だと朝日が当たって順光になるが、手前の川面が陰になるのがちょっと難点。議事堂を回り込んで正面側で時間待ちをしているうちに、行進曲が聞こえてきて人だかりが出来ていたので行ってみたところ、国旗掲揚式が始まったところだった。時間前にビジターセンターに戻ると、英語ツアーの空きは既に昼前以降になっていた。保安検査を経て、レシーバーを装着してガイドツアー開始。1902年に完成した建物は欧州としては比較的新しいが、荘厳な造りで宮殿並みに規模は大きく、高さは今でも国内一なのだとか。ドームの真下のホールには、初代国王イシュトヴァーン1世(I. István)以来、代々の戴冠式に使用された王冠と錫杖、宝珠が展示されているが、この区画のみ撮影禁止。議場や控室などを見学して、地下にある展示スペースに出た頃でツアーは終了となる。

大聖堂

議事堂を出て自由広場(Szabadság tér)を経由し、聖イシュトヴァーン大聖堂(Szt. István Bazilika)まで歩く。順光のうちに対岸のブダ地区を眺めておきたかったので、まずは展望台に上ることにする。エレベーターは混んでいるようだったので、階段を歩いて登る。今日も朝から晴れていて、ペシュト側は日向になっていたが、ブダ側の王宮の丘付近が雲の陰になっている。暫く待ってみたが、完全に雲がなくなることはなかったので、適当なところで切り上げて大聖堂内部を見学。地図を見ると国立オペラ劇場(Magyar Állami Operaház)がわりと近かったので、アンドラーシ通り(Andrássy út)に出て建物の外観だけ見ておく。地下鉄1号線に乗ろうとしたら、対向式ホームで中では繋がっていなかったので、一旦外に出て道路を渡ってから反対側のホームに回る。1号線は本格的な地下鉄としてはロンドンに次ぐ歴史があり、電気式の地下鉄としては世界初となる。地面から浅い場所にある駅構内は柱が目立ち、ホームもかなり低く、小さな車両を連ねた編成は定員も少ない。駅間距離も短く、いかにも歴史を感じさせる路線となっている。英雄広場(Hősök tere)で下車し、道路を幾つか横断して同名の広場に出る。ガイドブックには広場を囲む英雄像の名前が全て記載されていたが、全体の写真を撮っただけで駅に引き返す。帰りはデアーク・フェレンツ広場(Deák Ferenc tér)まで出て3号線に乗り換え、フェレンツィエク広場(Ferenciek tere)近くの老舗レストランで昼食。注文したのは魚のスープと鶏のシチュー、そしてグラスの白ワイン。

セーチェーニ鎖橋

昨日購入した24時間有効の1日券は昼過ぎまでだったので、午後は徒歩での移動となる。といっても地下鉄はブダ地区の両端にしか乗り入れていないし、トラムやバスは路線網が複雑だったので、天気も良いから歩いた方が手っ取り早かったりする。ドナウ川の畔に出て、セーチェーニ鎖橋(Széchenyi Lánchíd)を渡る。市内のドナウ川に架かった最初の橋で、戦争で破壊されたが後に修復されている。対岸がちょうどブダ王宮(Budavári palota)がある丘の麓で、丘を貫くトンネルの横にあるケーブルカーを利用するつもりだったけど、長蛇の列が出来ていたので、断念して坂道を登り始める。南端で折り返した道は、王宮前のテラスに続いている。丘の上はかなり広くて、南北に1km以上、東西に数百メートルあるので、通りの両側に家が連なりちょっとした町のような雰囲気がある。ペシュトとは反対側の高台から景色を眺めた後、一旦北端まで歩いてマーリア・マグドルナ塔(Maráia Magdolna torony)やウィーン門(Bécsi kapu)を見学。暑い中を歩き続けていると、水分不足になりそうだったので、途中の店で飲料を購入。

中央部まで引き返すと券売窓口は混雑していたが、今度は行列に並ぶ。マーチャーシュ教会(Mátyás templom)と漁夫の塔(Halászbástya)のみならず、毎正時の鐘楼ガイドツアーまで含まれた共通券があったので、衝動的に申込む。約1時間後のツアーを指定されたので、まず教会の中に入る。上階の宝物庫も見学出来たので行ってみると、午前中に見た王冠・錫杖・宝珠のレプリカも展示されていた。本物はあまり近寄れなかった分、近寄ってじっくり細部まで眺める。続いてすぐ近くの漁夫の塔へ。高台の縁に連なる砦状の建物の一部区画が有料になっていて、眼下にはドナウ川越しにペシュト地区が広がっている。この時間帯は順光になっているが、ここでもところどころ雲の陰が出来ていたので、日陰で涼みながら撮影のタイミングを伺う。近くの公園で時間調整してから、集合場所に行って鐘楼ガイドツアーに参加。階段室がかなり狭いので、ガイドに続いて一斉に登って、一斉に降りることになる。200段程度の階段なのでそれ程大変ではないのだけど、今日は朝から相当歩いているので、さすがに疲れを感じる。それ程高くないとはいえ、丘の上からさらに突き出た場所になるので、丘の両側の景色や丘の上の建物の屋根を見渡すことが出来る。

ブダペスト王宮

宿に帰る前にもうひと頑張りということで、丘の南側にある王宮まで行って、E区画にあるブダペスト歴史博物館(Budapesti Történeti Múzeum)を見学。写真撮影は別料金だったので、一緒に申し込んで許可シールを受取る。戦時中に破壊された王宮の建物は戦後に修復され、地上の各階には先史時代以来の資料が展示されている。地下には昔からの部屋が残っていて、貯蔵庫や礼拝堂を結ぶ通路が迷路のようになっている。階段を上り下りしながら順路に沿って一通り見学した後、違う出口から外に出る。王宮のB~D区画は国立美術館(Magyar Nemzeti Galéria)になっていて、特別展としてピカソ展やモディリアーニ展も開催されていたが、既に閉館時間が迫っていたし、歩き疲れていたのでたとえ時間があったとしても無理だったかも。帰りは丘を一気に直線で下る階段を使って麓に降りて、鎖橋経由でペシュト地区の宿に戻る。今日は暑い中8km以上歩いた上、階段や丘を上り下りして疲れ果てていたし、それ程空腹でもなかったので、飲料だけ調達して帰って夜は携行食で済ませる。