昨日は市内を歩き倒してしまったけど、今日と明日は日帰りツアーを申し込んだので、そんなに無茶をすることはもうないだろう。迎えの車に乗って、くさり橋近くの営業所でワゴン車に乗り換える。ブダペストから高速に乗って南に走ること1時間半で、地方都市ケチケメート(Kecskemét)に到着。地元出身の建築家によるアール・ヌーヴォー調の建物を確認しつつ、3宗派の教会や市庁舎(Városház)を見ながら旧市街中心部を少し散策した後、短時間の自由行動となったので、カフェで休憩してから市庁舎のからくり時計を見学。
ケチケメートを出て田舎道を走り、郊外の観光農場に向かう。ハンガリーは山が少なく、国土の大半をプスタ(puszta)と呼ばれる平原が占めているので、町の建物が見えなくなると木立を除けば見渡す限りの草原となる。農場に到着して、アンズの蒸留酒(パーリンカ/pálinka)とチーズスコーン(ポガーチャ/pogácsa)で歓迎を受けた後、馬車に乗って少し離れた場所まで移動。伝統的な農家の建物が保存され、調度品や道具類も昔ながらのものが揃っている。再び馬車で農場に戻り、馬場の客席に座って馬術ショーを鑑賞。馬車で縦横無尽に走り回ったり、立ち乗りしたり、馬を地面に横たわらせたり座らせたりといった様々な馬術が披露され、伝統的な遊戯や牛追いの光景も再現。最後は立ち乗りの状態で合計10頭の馬を1人で操る技で締めくくり。その後はツィンバロム(cimbalom)演奏を聴きながらの昼食となり、グヤーシュ、鶏と魚のフライ、ミルクパイの3皿で、量はかなり多め。ワインやソフトドリンクも用意されていたが、地元の単品種の白はともかく、赤はカベソーとメルローにピノノワールという謎のセパージュだった。
農場を後にしてブダペストに戻り、中心部のデアーク・フェレンツ広場でツアーは解散。その時点でまだ午後4時過ぎだったのので、近くのシナゴーグ(Zsinagóga)を訪れる。ユダヤ教の礼拝施設としては欧州最大で、内部は壮大な空間となっているが、キリスト教と違って祭壇は設けられていない。付属の博物館は改装中につき、公開スペースは限られていた。今日は昨日ほど疲れ果てている訳ではなかったけど、昼食が遅めでなおかつ量がかなり多かったので、宿に戻った後は外出せずに今夜も携行食で済ませる。今日もまたずっと天気が良かったけど、明日からは少し雨が降る可能性があるらしい。といっても今から心配しても仕方ないので、明日の予習を済ませてから寝床に入る。