2017/08/21(月)

今日は平日なので、朝食の開始時間は6時。可及的速やかに食事と出掛ける支度を済ませ、7時前に宿を出る。行き先の天気予報は今ひとつみたいだけど、ずっと雨という訳でもなさそうだし、シカゴ市内の観光は大体済ませているので、これはもう行くしかないだろう。ということで最寄り駅の隣から、直接ブルーラインに乗って空港入り。あまり時間がないときに限って、駅からターミナル1に向かうムービングウォークが停止していたりする。出発階に上がって自動チェックイン機で搭乗手続きを済ませた後は、預け入れ荷物がないのでそのまま保安検査に進む。搭乗口に着いたのは出発まで30分を切っていたけれど、国内線だから問題はないだろう。シカゴは今朝もどんよりと曇っているけれど、果たして目的地の天気はどうなのだろうか。

部分日食

水平飛行中は、時折地上が見えていたので少し期待したのだけど、着陸態勢に入る頃には再び雲に覆われてしまう。そして到着したカンザスシティー国際空港(Kansas City International Airport)は、どんよりとした雲の下。このままずっと空が完全に覆われているようでは、折角イリノイからミズーリに来たのが無駄ということになってしまうけど、とりあえず帰りの飛行機まで他に行くところがある訳ではないので、ターミナル内のベンチでポッドキャストを聴きながら待つ。昼前になって時折日が差すようになったので、持参した日食グラスを持って外に出る。空港ターミナルは扇型の低い建物が駐車場を取り囲んでいるだけなので、太陽を観察する場所には困らない。日食グラスを通して太陽を見ると、確かに部分的に欠けている。ずっと見ていても急激に変化する訳ではないので、時折頃合いを見計らって外に出る。周囲にもちらほらと空を見上げる人たちがいる。このまま晴れ間が続いてくれればいいのだけど、雲の流れを確認したら無情にもこれから太陽が隠れる方向。そのうち太陽は薄い雲の中に入ったため、日食グラスを通さずに大部分が欠けた状態で撮影が出来たりする。

真昼の暗闇

空を見上げる人たちは次第に増えていったが、その後は雲が厚くなったため、太陽がどこにあるかさえわからなくなる。それでも諦めきれずに空を見上げていると、部分的に薄くなった雲を通して、ほぼ欠けた状態の太陽が瞬間的に確認出来た。途中あった通り雨にも負けずに待ち続けていると、周囲が夕方から夜のように暗くなり、空港ターミナルにも明かりが灯ったことで、皆既日食になったことを間接的に体感。完全に夜の状態になるのかと思っていたら、南の空の低いところは薄明かりが残っていることに気付く。そして皆既日食の終了時間になると、周囲はどんよりと曇った昼間に戻る。残念ながら皆既日食の太陽は見られなかったけれど、部分日食の太陽と皆既日食の暗転は確認出来たのだからよしとしよう。日食ツアーに参加していたら、もっと晴天率の高い場所に行けたのだろうけど、値段がとんでもなく高い上、競争率も高かったため早々に諦めたのだから仕方がない。あくまでも今回は観光旅行のついでに、半日と6万円の航空運賃を使って、運良く晴れれば観察出来るかな~というスタンスだったので。西の方が晴天率は高かったのだけど、開始時間が早くなる上、皆既帯の中に入る他の空港はシカゴからの日帰りが難しかったのだから仕方がない。一応カンザスシティー市内(カンザス州とミズーリ州にある同名の双子都市)より空港の方が、皆既帯の中心に近かったのだけどね。

搭乗手続きはシカゴで往復分を済ませてあったので、少し早いけれどそのまま保安検査を済ませて搭乗待合室へ。窓の外を見ると本格的な雨が降っている。これが日食の後だっただけでも、今回はラッキーだったのだろうか。そろそろ搭乗開始かなと思っていたら、荒天のため滑走路閉鎖とのアナウンス。そういえばいつのまにか雷を伴う激しい雨になっている。他にどうしようもないのでそのまま待っていると、1時間くらいして雨が小降りになったところで、ようやく搭乗開始のアナウンス。離陸するまで時間を要したものの、飛び立った後は順調に雲の上を進み、今回もミシガン湖の上空を旋回してからオヘア空港に着陸。

深皿ピザ

オヘアからブルーラインに乗ってシカゴ市内に戻り、レッドラインに乗り継ぐ。乗換駅では一旦改札の外に出て、地下街の中を結構歩くことになる。下車したのはシカゴ駅~というとなんだか中央駅みたいな名前だけど、シカゴ通りとの交点にあるというだけのこと。ブルーラインやブラウンラインにも同名の駅が、それぞれ離れた場所にあるからややこしい。因みに北米では中央駅のことをユニオン・ステーション(Union Station)と呼び、シカゴではループ・エリアの西隣にある。夕暮れの街路を歩いてマグニフィセント・マイルの「ジオダーノス(Giordano’s)」に入って、シカゴ名物その3のディープディッシュ・ピザ(deep-dish pizza)。注文してから出てくるまで30分以上を要したが、店内でWiFiが使えたので、待ち時間にiPod touchでタイムラインを確認。一番小さいサイズを注文したのだけど、予想以上に大きくてびっくり。

シカゴ夜景

予定よりもすっかり遅くなったけれど、シティーパスの残りでジョン・ハンコック・センター(John Hancock Center)の展望台に上る。ここでも行列はスキップ出来たけれど、この時間だと元々そんなに混んでいなかったりする。本当は夕方前に訪れて、夜景に変わる様を楽しみたかったのだけど、飛行機が遅れただけでなく時間の掛かるピザを注文したのだから仕方がない。昼間の景色とは比べられないものの、少し離れた場所から見る高層ビル群や、郊外へと続く光の海は見事。地上に降りてシカゴ大火(1871年)前から唯一残る建物であるウォーター・タワー(Water Tower)を眺めた後、レッドラインに乗ってループ・エリアに戻り、夜のシカゴ劇場を撮影してから宿に帰る。