2017/08/24(木)

カナダ滝

朝食を済ませてすぐに宿を出て、近くのホテルから日帰りツアーに参加。当初は郊外の宿を予約していたのだけど、朝早く地下鉄を乗り継いで来るのは大変だったので、急遽市内中心部の宿に変更したのである。値段は当然高くなるけれど、やっぱり利便性には代え難い。バスに乗って市街地を出発し、オンタリオ湖に沿って南西に向かう。ミシサガ (Mississauga)、オークビル(Oakville)、バーリントン(Burlington)といった郊外の街を通過し、湖の西端を回り込んで進路を東に転じる。ウェランド運河(Welland Canal)を渡って、段丘を登ると程なく前方に水煙が見えてくるが、今日は雲が多いので言われないと気付くのは難しい。トロントを出てから約2時間で、ナイアガラ・フォールズ(Niagara Falls)の街に到着。その名の通り、ナイアガラの滝がある世界的に有名な観光地だけど、ナイアガラ川(Niagara RIver)対岸の米国側にも同名の街がある。まずはテーブルロック(Table Rock)で下車して、カナダ滝(Canadian Falls)が流れ落ちるのを真横から眺める。絶え間ない轟音の中、川の水が滝に吸い込まれるのは大迫力だが、静止画を撮影しても伝わり辛いかも。集合時間に遅れないよう、小走りで移動して、馬蹄形の滝の全貌をカメラに収める。

アメリカ滝

船に乗るために、バスで1キロだけ下流側に移動すると、アメリカ滝(American Falls)がカナダ滝と並んだ状態で撮影出来るようになる。ゴート島(Goat Island)に阻まれて分かれた2つの滝は、落差こそ殆ど変わらないものの、カナダ滝はアメリカ滝に比べると幅は2倍、流量は9倍になるらしい。エレベーターで川岸まで降りて船着場まで歩くと、ちょうど前の船が乗船を締め切った直後だったので、次の便の案内開始を待つ。観光船はカナダ側と対岸のアメリカ側の両方から出ていて、以前はどちらも「霧の乙女号(Maid of the Mist)」という名前だったが、カナダ側は現在「ホーンブロワー・ナイアガラクルーズ(Hornblower Niagara Cruise)」という名前になっている。支給された使い捨ての赤いポンチョを身に付け、折角だからと上層デッキの最前方に陣取って出航を待つ。ナイアガラ川に進み出ると、カナダ滝の水煙が雲と識別し易くなっている。先にアメリカ滝に接近し、積み上がった巨石に流れ落ちる様を眺める。右端の比較的細い流れは「ブライダルベール滝(Bridal Veil Falls)」という名前で、ルナ島(Luna Island)によって分かれた別の滝になっている。

次はいよいよカナダ滝に接近。滝がどんどん迫って来て、轟音も大きくなるが、ここまで来るともう土砂降りの雨の中と変わらない状態になる。ポンチョで保護されているものの、袖の部分が短いため前腕部がずぶ濡れになる。カメラも早々にしまい込んだが、なんとか勢いが弱まった隙に取り出して一枚だけ撮影したものの、ほぼ白いだけの写真になっていた(^_^;) 川風が肌寒い状態で水を浴びてしまったので、帰りは風や水の当たりにくい下層デッキに移動。アメリカとカナダを結ぶレインボー橋(Rainbow Bridge)を眺めながら船着場に到着し、下船してポンチョを脱ぐと袖先だけがずぶ濡れ状態になっていた。写真を取りつつ集合場所に戻り、バスに乗って土産物店に行った後、シェラトンホテルの高層階にあるレストランで、滝を見ながらブッフェ形式の昼食。

ホワールプール

午後はバスに乗ってナイアガラ川沿いに下り、ホワールプール(Whirlpool)で下車見学。直訳すると「渦巻き」ということになるが、一見すると川の合流点のようだが実は屈曲点が深く切れ込んでいて、そこに水が渦巻いていることに由来する。川を渡るケーブルカーもあるけど、対岸では降りられず行って戻るだけのアトラクションだそうな。さらに下流に向かって進むと、段丘を越えて両岸の崖は急に低くなる。ナイアガラの滝は1万年前にこの辺りから始まって、毎年1メートルもの速さで現在の場所まで後退したとのこと。半世紀前の工事により、現在は毎年3センチまで浸食は抑えられているらしい。世界一小さな教会といわれるリビングウォーター・ウェイサイド教会(Living Water Wayside Chapel)の前を通過し、米英戦争当時の要塞跡であるフォート・ジョージ(Fort George)の近くの駐車場でバスを降りる。

クイーン通り

林の中の道を暫く歩くと、ナイアガラ・オン・ザ・レイク(Niagara-on-the-Lake)の中心部に出る。その名の通りオンタリオ湖に面したナイアガラ川河口の街で、19世紀の英国式の建物が多く残されている。街の象徴となっている時計塔(Clock Tower)近くで自由行動となり、まずは水辺のクイーンズ・ロイヤル・パーク(Queen’s Royal Park)に出てみる。厳密に言うとまだナイアガラ川の岸辺ということになるのだけど、眼前に広がる水面はそのままオンタリオ湖に繋がっていて、対岸は遠すぎて見えない。街中に戻って、メインストリートのクイーン通り(Queen Street)を歩くと、印象的な街並みとなっているけれど、道幅がわりと広くて車や歩行者も多いので、少し賑やかすぎる感じかな。通りを一往復して、ナイアガラ薬局博物館(Niagara Apothecary Museum)を見学した後、駐車場まで戻ると少しだけ時間があったので、フォート・ジョージが見える展望台にも立ち寄る。

この辺りはワインの産地としても知られている~ということで、ピリテリ・エステート・ワイナリー(Pillitteri Estates Winery)で見学停車。ワイナリーだから勿論試飲ありで、通常の白、赤に続いて、アイスワインの白と赤も。折角だから買って帰ろうかなと迷っているうちに、レジが混雑してしまったのでパスして、建物近くの葡萄畑を見学。畑の端にバラを植えているのは、ボルドーと同じ理由かな。帰りはほぼ同じコースを辿ってトロントに戻り、出発時よりは多くの場所に停車。その中の一つが滞在中のホテルだったので、一旦部屋で休憩してから出直す。昨日行き損ねたハンバーガーのチェーン店、”The Burger’s Priest”のうち、宿から一番店まで歩く。ガイドブックに載っていた店舗は遠かったので、ネットで調べておいたのである。幾つかあるメニューのうち、”High Priest”というのが名前からしてビッグマック相当(!?)だろうということで注文。出て来るまでに時間を要したけど、美味しかったのは間違いない。宿に帰ったらシャワーを浴びる元気も残っていなかったので、日焼け止めだけしっかり落としてから就寝。