2017/10/08(日)

摩周湖

今日の予報は晴のち曇だったのに、朝起きて窓の外を見ると霧の中。朝食を済ませて早めにチェックアウトしてから、路線バスに乗って川湯温泉駅に移動。駅周辺も霧に包まれていたので、何も知らなければ「霧の摩周湖」を覚悟するところだったのだけど、ライブカメラで現地は晴れていることを確認済み。実際、「屈斜路バス」に乗って林の間の道路を登っているうちに、急に視界が良くなって青空が広がる。山の上から眺めると、屈斜路湖方面は雲海となっている。そして20年ぶり3回目となる摩周第1展望台に到着すると、晴れ渡る空の下に神秘の湖水が広がっている。風もなく穏やかな湖面は、空の雲を映し出している。湖岸の紅葉も写り込み、期待以上に良い景色。一通り写真を撮った後は、時間の許す限り景色を眺める。

硫黄山

駅に戻ると霧はすっかり晴れていて、駅前広場から硫黄山がはっきりと見える。屈斜路バスの次の見学停車はその硫黄山で、こちらも20年ぶり3回目となる。真っ青な空の下、荒涼たる景色の中、そこかしこの山肌から噴煙が上がっている。振り返ると周囲の山々は鮮やかな錦秋で、彩度のコントラストが激しい。硫黄で着色している噴気孔群に近付いてみると、立入禁止エリアの手前でも、少し噴煙が上がっていたり、ぐつぐつ音を立てていたりする。続いての見学停車は、屈斜路湖畔の砂湯。その名の通り、湖岸の砂を掘ると湯が出て来る場所だが、岸辺からも湯気が立ち上っている。湖面にはまだ一部霧が残っていて、幻想的な雰囲気になっている。

バスは湖岸を回って美幌峠を目指すが、和琴半島で下車。エコミュージアムを見学してから湖岸に出ると、霧はすっかり晴れていた。木道を歩いて、和琴半島を横から眺めた後、半島を一周する自然探勝路に入る。全長2.5kmで、所要時間は約1時間。湖岸沿いの平坦な道かと思ったら、坂あり階段ありの道だった。川湯温泉駅にロッカーがなくて、全ての荷物を背負ったままだったので、ちょっと大変。探勝路は殆どが林の中で、半島の先端付近になってようやく視界が開ける。露出した斜面から噴煙が上がるオヤコツ地獄が見えていて、ここでも周囲の錦秋と対照的になっている。和琴半島は地熱と酸性土により独特の植生をしているとのことだが、冬でもコオロギが鳴くらしい。紅葉の季節の今日も確かに鳴いていた。あと、道南あたりが北限のはずのミンミンゼミが隔離的に生息しているとのこと。半島を一周して、バス停近くの売店で買ったいも団子を食べた後、美幌峠から戻って来たバスに乗車。

アイヌ民俗資料館

今度はコタンで下車して、「アイヌ民俗資料館」を見学。小さな建物なので資料映像を鑑賞しても所要は1時間くらい。湖岸付近を散策してバス停に戻った時点で、次のバスまで1時間半。ベンチもない場所だったけど、暑くもなく寒くもなく、雨も降っていなかったので、それ程大変ではなかった。後から調べたら、もう少し早く戻って反対方向のバスに乗っていれば、美幌峠まで行って来れていたのだけど、その場合は荷物を背負ったまま展望台への階段を登ることになる。ようやくやって来たバスで川湯温泉駅に出て、列車待ちの間に構内の店で早めの夕食。

釧網本線の下り列車に乗る頃には、外はすっかり暗くなっていた。持参した文庫本を読み始めたけど、睡魔に襲われ暫し仮眠。2時間近くで終点の釧路に到着。コンビニに寄ってから駅間の宿にチェックイン。