2018/05/02(水)

今日は祝日なので、朝食開始時間は遅めとなる。5月1日がメーデーの祝日となる国は多いが、スロベニアでは2日も含めた連休になっている。通常は到着翌日に市内観光をするところが、祝日は閉まっている施設が多いため、郊外のツアーに参加することにしたのである(ツアーで訪れる場所は閉まっていないことを確認済み)。ということで朝食後は速やかに支度を済ませて、近くの集合場所に急ぐ。9人乗りのワゴンは途中のピックアップで満席となって出発。

ブレッド湖

リュブリャナを出て北に向かって走り、1時間弱でオーストリア国境に近いブレッド湖(Blejsko jezero)の畔に到着。湖岸から船方の漕ぐボートに乗って、ブレッド島(Blejski otok)に渡った後は、船着場から100段の石段を登って聖マリア教会(Cerkev Marijinega vnebovzetja)を訪れる。周囲400メートルの小さな島なので、短い滞在時間でも一周以上出来てしまう。元の乗船場に戻った後、ワゴンで湖を半周して、丘の上にあるブレッド城(Blejski grad)へ。下層部分は修復工事中だったが、上層部分の見学は通常通り。テラスに出ると、眼下には山に囲まれたブレッド湖の全景が広がり、ガイドブック等と同じアングルでブレッド島が見える。反対側の城壁からは、ジュリア・アルプス(Juliske Alpe)の裾野が見渡せる。これで青空が広がっていたら最高なのだけど、あいにくの曇り。といっても視界は悪くないし、雨が降っていないだけでもよしとしよう。

クレムナレジーナ

湖岸のブレッド村(Bled)で自由行動となったので、時間を気にしながら湖岸のレストランで昼食。マスのソテーと一緒に注文したシヴィ・ピノというのは、後から調べるとピノ・グリのことだった。そして忘れてはいけないのが地元銘菓のブレイスカ・クレムナ・レジーナ(Blejska kremna rezina)。一緒に頼んだコーヒーがウィーン方式で出てきたのは、やっぱりオーストリア文化圏だったからか。午前中はどんよりと曇っていたのに、出発前になるって急に青空が広がったので、集合場所に早足で戻る途中に湖岸からの風景を撮影。

プレデャマ城

午後は首都郊外を通過して、リュブリャナの南西にあるポストイナ(Postojna)に移動。途中で寝入ってしまったので、景色はあまり覚えていない。有名な鍾乳洞は見学時間が後になったので、先に郊外のプレデャマ城(Predjamaski grad)を訪れる。直訳すると“洞窟の前”という名前で、日本のガイドブックでは「岩壁城」と紹介されることもある。その名の通り洞窟の入口を塞ぐような場所に建つ城で、内部に入ると崖の壁面に寄り掛かる構造が見て取れる。テラスから谷間を見下ろしたり、背後の洞窟の入口まで行くことが出来る。住むには寒すぎる場所だが、長期籠城に使われたことがあるらしい。

ポストイナ鍾乳洞

そして本日のハイライトとなる、ポストイナ鍾乳洞(Postojnska jama)の見学。入口から最初の2キロはトロッコ列車に乗って移動。結構なスピードなので、それなりに着込んでいても風が冷たいが、次々と流れ去る鍾乳石の空間というのは不思議な体験。終点からは徒歩見学となり、最初に壮大な空間に出たけれど、手持ちコンデジで撮影してもなかなか迫力が伝わらない。林立する石筍は、なんとなくアンコール・トムの尖塔群を思い出したりして。英語ガイドはアメリカンDJ並のマシンガントークだったけど、発音が明瞭で鍾乳洞の解説は馴染みのある内容だったので、なんとかついていくことが出来た。天井から細い棒状の鍾乳石がびっしりと下がる“スパゲッティ・ホール”、そして白と赤の鍾乳石を基調とした“ホワイト・ホール”と“レッド・ホール”を抜け、洞窟を代表する“アイスクリーム岩”の前に出る。その先は反響が5秒も続く“コンサートホール”があるが、実際に演奏会が行われるらしい。最後にホライモリ(体表の色合いから“ヒューマンフィッシュ”と呼ばれる)の前を通って、別ルートのトロッコ列車で入口に戻る。

ポストイナでは晴れていたのに、帰りの道中では雨が降った形跡がある区間を通過。リュブリャナに戻ったら空の半分くらいが青かったので、再び手早く旧市街散策。東の空には虹が出ていた。リュブリャナ城に登っても、展望が開けている側が雲に覆われていたので、今日はリュブリャニツァ川(Ljubljanica)に架かる「肉屋の橋(Mesarski most)」と「竜の橋(Zmajski most)」まで行ってみる。夜は適当な軽食の店が見付からなかったので、持参した携行食で済ませる。