2018/08/04(土)

いつものようにほぼ1時間おきに目を覚ましながらも、6時間以上の睡眠を確保してから起床。宿のコンセントが見慣れない形状で、沢山ある穴にどうやって接続したらいいか暫く悩んだが、いろいろ調べたらスイス独特のJ型が3つ、120度ずつずれて連なっているものだった。欧州大陸共通のC型とは互換性があるので、端子をそのうちの2つに挿せばいいだけのことだった。

週末は朝食の開始時間が7時半と遅めなので、その時間を利用して昨日の写真の取り込み。朝食後はなるべく早めに宿を出て、コルナヴァン駅で往復乗車券を購入してからローザンヌ(Lausanne)ゆきの列車に乗り込む。今回はスイス連邦鉄道(Chemins de Fer Fédéraux Suisses/CFFs/CFF)のスイス・ハフフェア・カード(Swiss Half Fare Card)を利用。連邦鉄道は勿論のこと、登山鉄道やロープウェイなど、スイス国内の交通機関の殆どが半額になるというもの。購入費用として120フランが必要になるが、有効期間は1月で回数に制限なし。フリーパスだと特定の日に相当集中して利用しなければ元が取れないけれど、こちらは毎日少しずつの利用でも十分得になる。券売機でも選択肢として「子供/ハーフフェアカード」があるので、乗車券を購入するのも簡単。勿論車内検札の際には、ハーフフェアカードの提示が必要。

レマン湖畔

レマン湖(Lac Léman)沿いに走ると、車窓にはブドウ畑が広がる。この辺りはワインの名産地らしい。約40分でローザンヌ駅(Gare de Lausanne)に到着。駅前からメトロに乗り換えたが、どうも前回(18年前)とは様子が異なる。後から調べたところ、2008年にリニューアルして、ラックレール式(歯型付きレールを列車の歯車と噛み合わせる)からゴムタイヤ式に変わって無人運転となり、路線も旧市街側を延長したらしい。まずは坂を下る方の列車に乗って、湖岸のウシー(Ouchy)に出る。空には雲が殆どないが、対岸のアルプスは逆光となっているため、少し霞んで見える。それにしても暑い。欧州でもずっと高温が続いていて、スイスでも連日30℃を超えているらしい。関西の猛暑に比べれば気温も湿度も低いとはいえ、普段は真夏日の昼間にずっと出歩くことはそうないので、結構こたえる。なるべく日陰を歩いて、波止場から湖岸沿いにオリンピック公園(Parc Olympique)に行って、丘の上のオリンピック博物館(Le Musée Olympique)の外観を見学。

ローザンヌ市街

メトロの駅に戻って、今度はローザンヌ駅を通り越して、旧市街の中心にあるリポンヌ(Riponne-Maurice Béjart)で下車。斜面にある迷路のような旧市街に地下駅から出て来ると、今どこにいてどちらを向いているのか分からなくなってしまう。駅を中心に少し歩き回って、ようやく現在地と方角を特定したところで、市庁舎前を経由してローザンヌ大聖堂(Cathédrale de Lausanne)に向かう。屋根の付いた階段を登り続けて高台に出ると、目の前に大きな建物が聳え立つ。場所の制約から、全貌を写真に収めることは出来ない。大聖堂の中に入り、内部の階段をさらに登り続けると、塔の上に出て湖に抱かれたローザンヌの街が見渡せる。相変わらずアルプス方面は逆光だけど、位置関係からすると晴れてる限りは昼間はずっとそうなるのかな。

フォンデュ

州庁舎になっているサンメール城(Château St. Maire)、改装中の州立美術館(Musée Catronal de Beaux-Arts)の前を通って、旧市街中心部にある店で早めの昼食。スイスのフランス語圏の名物といえば、やっぱりフォンデュ(fondue)。一人だとサラダ・デザート付きのコースは注文できなかったので、フォンデュとサラダを単品で。パンとチーズだけのシンプルなフォンデュだったけど、問題なく完食。ワインは地元ヴォー州のVinzel La Boiserieで、ブドウ品種はシャスラ(Chasselas)。帰りは下りなので、ローザンヌ駅まで歩いて戻ろうとして、途中のフロン駅(Lausanne-Flon)の谷間に降りたら、その先の道が見付からない。向かい側の斜面も越える必要があったので、高架橋をそのまま歩くのが正解だったんだね、ということで一度降りた階段を登り直してから先に進む。

ジュネーブ市街

ジュネーブに戻って、駅前から路面電車に乗って、ヌーヴ広場(Place de Neuve)で下車。公園内にある宗教改革記念碑(Mur des Ré:formateurs)を見てから、旧市街に直接上がろうとしたら通行止になっていたので、公園の外に出て迂回。ジュネーブの旧市街は小高い丘の上にあるので坂道が多いが、山の斜面にあるローザンヌほど勾配はきつくない。市庁舎前を経由してサンピエール大聖堂(Cathédrale de St. Pierre)を訪れ、ここでも塔に登って景色を眺める。午後になっても相変わらずの暑さだけど、空には雲が広がるようになっている。大聖堂の隣にある国際宗教改革博物館(Musée International de la Réforme)の前を通って、美術・歴史博物館(Musée d’Art et d’Histoire)に行ったら上階の美術館は閉鎖中だったので、歴史博物館の部分のみ見学。坂道を下って、観覧車や花時計のあるイギリス公園(Jardin Anglais)に出て、レマン湖越しに大噴水(Jet d’Eau)を眺める。高さ180メートルもあるので、旧市街のどこからでも一部が見える。前回(18年前)に間近まで行っているので、今回はパスしてローヌ川(Le Rhône)を渡って駅方面に戻る。モントルーの近くでレマン湖に流れ込んだローヌ川が、ジュネーブから再び流れ出しているので、細長いレマン湖全体がローヌ川の一部ということになるのかな。

湖岸から見えている山がモンブラン(Mont Blanc)であることに気付き、もうひと頑張りして大噴水と重なって見える場所まで行ってみる。ジュネーブ市街地からも見えるんだね~って、「モンブラン橋(Pont du Mont-Blanc)」や「モンブラン岸壁(Quai du Mont-Blanc)」という名前があるくらいなので、関東でいうところの「富士見」地名に相当するのだろう。駅構内で買い物してから宿に戻る。昼にしっかり食べたので、夜は軽食で済ませる。当初はモンブランの展望台に行くつもりだったのだけど、さすがに初日から高地に行くのは無茶かなということで、おとなしくローザンヌとジュネーブの市内観光することにしたのである。といいつつどちらの旧市街も坂道で、どちらの大聖堂も塔に歩いて登ったので、結構歩き疲れていたりする。眠くても夕方から寝てしまったら変な時間に目覚めてしまいそうだけど、無理して起きていてもかえって寝付きが悪くなる可能性もあるので、適当なところで就寝。