2018/08/06(月)

ゴルナーグラート


夜が明けると快晴の空を背景に、朝焼けに赤く染まるマッターホルン。今日は昼前から曇りになるような予報だったので、少しでも早く行動しなくては!7時からの朝食を待っている場合じゃない!ということで6時半に宿を出る。マッターホルン・ゴッタルド鉄道の駅前から出ているゴルナーグラート鉄道(Gornergratbahn)の駅に行って、開いたばかりの窓口で往復乗車券を購入。始発列車に乗って、小型車両でぐんぐん急勾配を登る。“晴れていれば進行方向右側”というガイドブックの勧めに従うと、窓からマッターホルンの雄大な姿がずっと見えていた。30分と少しで終点のゴルナーグラート(Gornergrat)に到着。標高は3,100メートル弱。今日もまた一気に高山に来たので、呼吸と歩速を調整。乗ってきた列車はすぐに折り返したので、次の列車を待つ間に周辺を散策。展望台からはマッターホルンや周囲の山々、そして目の前に横たわる氷河が眺められる。途中の道で工事が始まって通行止めになったので、迂回路を通って駅に戻る。時刻表を確認して、急斜面を登って来る列車を撮影してから、折り返しに乗車。

マッターホルン

一駅だけ戻ってローテンボーデン(Rotenboden)で下車すると、マッターホルンは相変わらずくっきりと見えている。リッフェルホルン(Riffelhorn)の岩山の麓にあるリッフェルゼー(Riffelsee)を目指すが、最初の下り坂が結構急だなと思っていたら、ショートカットの方に入り込んでいたからであって、向こうに見えている通常の道はそれほどでもなかった。色とりどりの高山植物を見ながら進むと、湖面に映った「逆さマッターホルン」が現れる。どんなに晴れていても山に雲が掛かっていたり、風で水面が波立っていたりすると綺麗に見えないようだけど、今日はどちらの条件も問題なし。ただし、手前側は水面近くまで水草が見えていたので、鏡像に若干影響が出ている。隣の湖面にも「逆さマッターホルン」が映っているが、こちらは少し違った雰囲気。そのまま遊歩道を歩き続け、下り坂の手前で分岐して、比較的高低差の少ないコースを辿る。ほぼ正面に見えていたマッターホルンが左手に回り、向かい側の山並みが見えてくる。標高2,600メートルくらいまで下りて来ているけど、高山植物の写真を撮影した後に立ち上がると、微妙にふらっとするのでまだ気を付けないと。

エーデルワイス

隣駅のリッフェルベルク(Riffelberg)から再びゴルナーグラート鉄道に乗車。帰りは反対側に座ったけれど、見える景色は歩いていた時と大きく変わらなかったりする。途中で滝があったけれど、一瞬過ぎてうまく撮影出来なかった。結局ツェルマットに戻っても晴れたままだったが、マッターホルン付近には雲が出始めている。昨日とは違うルートでツェルマットを歩き、古い建物の立ち並ぶ路地を抜ける。倉庫の床下にある円盤状の石は「鼠返し」らしい。途中の家の庭先に、エーデルワイスが咲いているのを見掛ける。朝早く出たのでもう1箇所行くくらいの時間はあったけれど、さすがに疲れて元気が残っていなかったので、昼過ぎに宿に引き上げて仮眠。自分でも驚くくらいに疲れていたけど、高度のせいもあるのだろうか。

仔羊のレシュティ

夕方になって、山の方だけでなくツェルマット上空も曇ってきたけど、マッターホルンはまだ見えている。朝はカロリーメイト、昼はサンドイッチだけだったので、夜くらいはしっかり食べておかなければということで、ネットで探した店に行って、仔羊のフィレのレシュティ。ワインはヴァレー州(Kanton Wallis)のヨハンニスベルク(Johannisberg)で、品種はシルヴァーナー(Silvaner)というらしい。今日も夕暮れのマッターホルンは、雲に覆われ始めている。明日もう一箇所行くかどうかは、起きた時の天気予報と体力次第。