帰国後1週間以上経っても寝つきが悪い日が続いていたけど、さすがに昨夜は熟睡。そして今日もとても良い天気。宮古駅は三陸鉄道の駅舎が移転し、JRと共同という形になっているが、恐らく山田線の一部を移管したことに伴う変更なのだろう。旧北リアス線を少し戻って、岩泉小本で下車。役場支所や防災センターも兼ねた駅舎を通って、駅前広場からバスに乗車。龍泉洞前で下車すると、その名に因んだ竜のモニュメントがあちこちに。ロッカーに荷物を預けて洞内に入ると、外気温との差は10度以上。 龍泉洞を訪れるのも19年ぶり2回目なのだけど、前回は大雨による増水のため洞内に入ることが出来ず、半額料金で新洞科学館のみ見学。本洞も入口に一番近い「長命の淵」だけを覗くことは出来たけど、ただ濁流が溢れていただけだった。その後は関東に15年住んで、旅行は飛行機が中心となってなかなか再訪する機会がなかったけど、今回三陸鉄道に乗りに来てようやく念願が果たせたのである。盛岡からの直通バスもあるので、来ようと思えばそれ程大変ではなかったはずなのだけど。
龍泉洞は秋芳洞、龍河洞と並んで日本三大鍾乳洞に数えられるが、その特徴はなんといっても地底湖。公開している3つの地底湖のうち、最も深い第3の水深は約100メートル。透明度は40メートル以上で、時折水滴で揺らされる湖面が思わぬ場所にあって驚く。洞内はかなり暗い上、コンデジでは水面にピントを合わせるのが精一杯なので、写真では到底表現しきれない。入口から最奥の地底湖まではほぼ直線的な見学コースだけど、帰路は急な階段を昇り降りするかなり険しいコース。洞外に出て、近くの食堂で昼食。注文したのはその名も「龍泉洞ラーメン」。その後は続けて「龍泉新洞科学館」も見学したけど、こちらは内部撮影禁止。帰りのバスまで少し時間があったので、清水川の遊歩道を散策してから停留所に向かう。
バスと列車を乗り継いで宮古に戻り、さらに南に向かう列車に乗り継ぐ。釜石を通り越して終点の盛(さかり)まで、岩泉小本からの所要時間は約3時間。このうち宮古-釜石間が、JR山田線から三陸鉄道に移管され、今年3月に運転再開となった区間。この区間に乗車するのが今回の旅行の主目的なのだけど、折角なので久慈琥珀博物館と龍泉洞を再訪するため、長めの旅程にしたのである。今回の移管に伴い、従来「南リアス線(盛-釜石)」と「北リアス線(宮古-久慈)」に分かれていた三陸鉄道は、「リアス線(盛-久慈)」という一つの路線になっている。南端の盛駅は三陸鉄道リアス線とJR大船渡線の接続駅なのだけど、大船渡線の海岸区間はBRTとして復旧したため、1~2番線をBRT乗降場に転用していて、三陸鉄道の列車は3番線に発着。直後の区間運転のBRTを見送って、その次に出る気仙沼ゆきに乗車。ICカードにも対応しているけど、駅で乗車券を購入することも可能になっている。
盛駅を出てから暫くは、大船渡線の線路跡を利用した専用軌道を走る。バス車両にはドアが片側にしかないため、「駅」に相当するバス停は上下で両側に分かれている。途中、何箇所かで交換のための「信号場」があって、そのうち一つで反対方向とすれ違う。一般道と交差する「踏切」は通常、専用道側に遮断機が降りていて、BRTが近づくと自動的に開くようになっているが、信号のある「踏切」では一般道の車が通り過ぎてからでないと、BRT側は青信号にならないようである。小友駅から先は一般道を走るので、「駅」に相当するバス停も通常の路線バスと変わらなくなる。途中「奇跡の一本松」の近くを通過したが、本来のマツは枯れてしまったため、補強した幹に複製の枝葉を付けて再現したものなのだとか。鹿折唐桑駅から鉄道敷地跡に戻って、連続トンネルを潜って終点の気仙沼へ。気仙沼駅は元々3方向に鉄路が伸びていたが、そのうち2方向がBRTとなったため、ここでも1~2番線をBRT乗降場に転用していて、一ノ関方面の列車は3~4番線から発着している。
気仙沼駅前の宿にチェックインしたが、駅は本来の市街地と離れた場所にあるため、駅前にはコンビニすらない状況。繁華街まで出るのも面倒だったので、事前に調べておいたコンビニまで往復15分歩いて軽食を調達。