2023/04/10(月)

ワスレナグサ

ベランダのワスレナグサが見頃を迎えている。忘れな草といえば、恋人のために水辺の花を取ろうとして命を落としたという騎士にまつわるドイツの伝説が有名だけど、英語の"forget-me-not"の語源としては、中世フランス語の"ne m'oubliez mie"の翻訳借用になるらしい。"ne... mie"は古い否定の表現で、現代語だと"ne m'oubliez pas"になる。ただし現代フランス語で忘れな草のことは、学名で"myosotis"と呼ぶのが普通らしいので、"ne-m'oubliez-pas"は別名といったところになるのか。ドイツ語の忘れな草は、ハイフンを使わず"Vergissmeinnicht"となる。"mein"というのは"vergessen"が昔、属格(2格)を目的語としていた頃の名残で、現代語で表現すると"vergiss mich nicht"と対格(4格)になる。