2023/11/22(水)

"Très bien!"に出てくるフランス語の"très"(とても)の語源を調べてみたら、ラテン語の前置詞"trans"(〜を越えて)だった。これは“超○○”といった感じだったのだろうか。イタリア語では"molto"、スペイン語で"muy"、ポルトガル語で"muito"になるが、いずれも由来はラテン語の形容詞"multus"(多くの)で、英語の接頭辞"multi-"と同語源。これは“たんと○○”くらいになるのかな。そして英語の"very"(とても)の由来は、ラテン語の形容詞"verus"(真実の)なので、英語"verity"(真実)と語源は同じ。これは“真に○○”になるのかな。一方、ドイツ語の"sehr"(とても)の由来を調べてみたら、英語の"sore"と同語源だった。ドイツ語でも昔は傷や痛みを表していたのが、程度を表すようになったらしい。実は日本語の古語の「いたし」も“痛い”と“甚だ”の意味があったらしいので、“いたく○○”も似ていることになるのか。

「痛(いた)い」と「甚(いた)く」も古語では繋がっていたようなので、「大きい」と「多い」も関連があったのかなと調べてみたら、奈良時代の「おほし」は“多い”と“大きい”の両方の意味があったらしい。平安時代に“大きい”の方は「おほきなり」という形容動詞になった後、「おおきい」という形容詞に取って代わられたものの、「おほきなり」の連体形に由来する「大きな」「大いなる」という連体詞が、連用形に由来する「大いに」という副詞が今も残っている。となると関西方言の「おおきに」も、「おほきなり」の連用形由来ということになるのだろうか。