宿を出るのが遅くなって、市内電車も出たところで、さらに次の電車も遅れたので特急に間に合わないものと半ば諦め掛けていたが、窓口は空いていて１番線からの発車だったので、フリー切符を買ってからでも乗ることが出来た。同じホームから宇和島ゆきと高松行きが発車するので、慌てている時こそ間違えないようにしないと(^^; 真ん中の２号車に空席を見付けて座ると、程なく宇和島ゆきの「宇和海」は発車。伊予市から新線区間に入り、内子経由で伊予大洲へ。
伊予大洲駅から旧市街まで少し離れているので、雨が降っているようだったら行きだけでもタクシーを使おうかなと思っていたが、降っていなかったので肱川に向かって歩き始める。途中で小雨になったが、傘を持ってきているので問題なし。肱川に架かる橋から見える大洲城は雨に霞んでいた。坂道を上り詰めて本丸に入り、天守閣を見学。現在の天守閣はごく最近になって復元したものだが、明治に解体される前の写真のみならず、江戸時代の木組み模型も残っていたため、元の天守閣を忠実に再現することが出来たのだとか。建物の規模としては松山城の天守閣よりも大きいらしい。最上階の窓は非常に小さかったが、本来の目的は展望台ではなかったのだから仕方がないか。急な階段に掲げてあった掲示が、なかなかお茶目だった－“頭上ちょんまげにご注意くだされ”
川沿いの苧綿櫓を見てから東に歩き、おおず赤煉瓦館へ。すぐ隣に食事処があったので、少し早かったけれど昼食にする。続いて高度成長期な露天市「ポコペン横丁」や、当時の品々を集め家や店を再現した「思ひ出倉庫」を見学。何もかもが懐かしい世代ではないけれど、子供の頃にはまだ幾つかの品は残っていて、見覚えのあるものも結構あった。
一旦川岸を歩いてから街中に戻り、「おはなはん通り（連ドラの舞台）」など明治時代の面影を残す街並みを歩いてから、臥龍山荘へ。明治時代に貿易商が関西から職人を呼んで作らせた山荘庭園。完成してから99年になるのだとか。庭の奥にある不老庵から見下ろす肱川の臥龍淵の眺めは見事。山荘に入る前に降り出した雨は、外に出たらさらに強くなっていたので、近くの茶店でひと休憩。
雨脚が弱まったところで、河原に降りてみる。遊歩道を辿ると、臥龍淵の近くまで行くことが出来て、先程の不老庵の３分の１が川に張り出しているのが確認できたが、柱として使っている槙の生木を見るためには、船に乗らなくてはならないようだ。案内を見ると、観光用の船が出るのは４月と５月の休日のみ。ということは今の時期限定ということ。天気が良ければ間違いなく乗っているところだけれど、雨がまた強くなってきた上、遠雷の音も聞こえだしたので、駅に引き返すことにする。
歩いている内に雨はさらに強くなり、雷も近くなってきた。あまりにも雨が激しい時は軒下で暫く待避しながら、なんとか駅にたどり着いた頃には、雨脚が弱まり始めたりする。そして半時間後に列車が来る頃には、雨もすっかり上がっていた。ずぶ濡れになったあの苦労は何だったのだろうと思いつつ、気温は幸い上がってきたので服が乾くのも割合早かった。
途中の内子も街並みで知られる所らしいが、こちらも駅から離れた場所なので、そのまま終点の松山まで乗り通す。松山駅前から少し歩いて、大手町のダイヤモンドクロスを間近で見てから、市内電車で大街道に出る。商店街を少し歩いて、ビルの４階にある喫茶「こまどり」へ。ロイヤルミルクティーとケーキのセットを注文すると、アートな店内に似つかわしいアートな皿に載って出て来た。大街道で下車したもう一つの目的は、昨日の宿から見降ろした萬翠荘。大正時代の洋館で、現在は県立美術館の分館となっている。こちらも一部改装中だったが、桜はほぼ満開で、天気が急に回復したため、青空との対比が美しい。ということは、道後公園の桜も？という訳で、今日も終点の一つ手前で下車してみると、同じ桜でも雲一つない空を背景にした方が、一層美しく見える。やっぱり花見は晴れているに越したことはないね～と思っていたら、近くの宴会から焼き肉の匂いが(^^;;; 花より団子な人達が多いのも確かであった...
今日も道後温泉本館を利用してから、バスで空港入り。搭乗までの時間があまりなかったので、手早く土産を買ってから、手荷物検査場に進んだが、機材到着遅れ＆羽田空港付近の混雑のため、出発が25分遅れるとのこと。幾分拍子抜けしながらもラウンジで次の案内を待っていたら、さらに15分遅れて、８時の出発になってしまった。
羽田からはモノレール利用。山手線内ゆきの切符が１枚になっていたので、ちょっとびっくり。秋葉原の地下ホームに降りたら、つくばゆきは出た後だったようで、次の列車は30分後。夕方以降は守谷折り返しが主体になるので、“守谷エクスプレス”と呼ぶ人もいる。そしてやっと来たつくばゆきも、14駅も停車して４駅しか通過しない区間快速だったりするし.....
