2008/12/27(土)

オークランドの宿は朝食付きプランではなかったので、近くのカフェに出掛けて軽く済ませる。キッシュと一緒にカフェラテのトールを注文したら、巨大なカップが出て来たのでびっくり。日本のコーヒーチェーンとはサイズの表現が違うのだろうか。朝早く小雨がぱらついたものの、今日の予報は晴れ。もし天気が良くないようならワイヘキ島(Waiheke Island)のツアーに当日参加しようかなと考えていたのだけれど、それだと博物館方面には行けなくなってしまうので、エクスプローラー・バス(Explorer Bus)を使って市内観光することにした。始発の午前9時前にフェリー・ビルディング近くの停留所から、イギリス式2階建てバスに乗車して1日券を購入。30分おきに観光名所を回る循環バスは、港前を出発すると東に向かい、ホブソン湾(Hobson Bay)の堤防(Tamaki Drive)を通って、最初の停留所を目指す。ガイドブックによると「ミッション・ベイ(Mission Bay)」となっていたが、、実際は浜辺近くではなく丘の上のバスティオン展望台(Bastion Point Lookout)に停まる。一瞬下車しようかと迷ったが、空はまだどんよりとした雲に覆われていたので、とりあえずパスして麓にあるすぐ次の停留所で降りる。

ペンギン

ケリー・タールトンズ南極体験&アンダーウォーター・ワールド(Kelly Tarlton's Antarctic Encounter & Underwater World)という施設を作った探検家の名を冠した水族館は全体が地下にあり、前半は南極探検に関する展示で、雪上車やスコット隊の基地の再現などがある。開館直後で空いているうちに、スノーキャット(Snowcat)という名の雪上車を模した乗り物でアトラクション巡り。まずはブリザード体験なのであるが、さすがに本物の氷雪が飛んで来る訳ではなく、白いでこぼこした壁が周囲で回るビックリハウス方式。続いて低温環境に暮らすペンギンの群れをガラス越しに見学して、模型を使った生態系の解説があって、10分足らずでルートを一周。後半は水族館で、シンガポールのセントーサ島と同様に、ムービングウォークに乗って120mの水中トンネルを魚を見ながら回れるようになっている他、巨大ウナギや熱帯魚の水槽もある。外に出たのは40分後で、次のバスまで少し時間があったので、丘に登って一つ手前の停留所から次のバスに乗ることにする。頂上付近からは周囲の展望が開けていて、オークランド市街やミッション・ベイ方向を眺めることが出来るが、なだらかな丘のため広角側で撮影すると、画像の下半分が芝生になってしまう。晴れていたらもっと空が写るようにするんだけどね。あまり時間がないので展望が良い場所を駆け足で回って、やって来たバスに乗り込む。

キウイ

タマキベイを引き返してパーネル(Parnell)地区に入ると、ジャカランダを見掛けるようになる。バラ園やホーリー・トリニティ教会(Holy Trinity Cathedral)を車窓から見て、オークランド・ドメイン(Auckland Domain)と呼ばれる丘にあるオークランド博物館(Auckland Museum)で下車。重厚な建物の南口から入って、チケットを購入して見学開始。地上階はマオリを中心とした太平洋文化の展示で、大きなマオリの集会場や船もある。1階(日米式の2階に相当)は自然科学がテーマで、キウイの剥製やモアの骨格標本のみならず復元模型もある。最上階は戦争に関する 展示だが、日本の零戦やオークランドの昔の街並みの再現もあった。最後の方は早足となって、1時間半で外に出る。夏場は博物館の前からサテライトバス(Satellite Bus)に乗り継げるようになっているのだが、こちらは1時間に1本の運転なので、タイミングを合わせるのが難しい。

イーデン山より

昼を食べ損ねたので、中にカフェがあるという最初の停留所、イーデン・ガーデン(Eden Garden)で降りようかと思ったが、“本日カフェ休業”の札が出ていたのでそのまま乗り続ける。次の停留所はイーデン山で、オークランド周辺に残る死火山の一つだが、標高200m足らずでも市内最高地点らしい。バスは麓のどこかに停まるのかと思っていたら、山の反対側に回って急坂を登り、山上まで直接乗り入れたのでびっくり。それなら頂上からの景色を見てから、歩いて山を下りようかなと思っていたら、“ここで3分間の撮影タイム”というアナウンスが。う~みゅ、滞在時間が3分間か1時間かの究極の選択となってしまったが、ここに留まってもガーデン方面に降りる道が見付からないかもしれないので、大急ぎで火口跡の周りに広がる景色を撮影してから車内に戻る。逆回りのバスがあれば便利だったのだけど、サテライトバスもエクスプローラーバスと同様、右回りのみの運転である。

クリスマスツリー

動物園や交通博物館を素通りして博物館に戻り、カフェでサンドイッチを食べてから、オークランド・ドメインを散策。木々の間に芝生が広がっているが、見慣れない小さな草花が咲いている。グラウンドではクリケットに興じる人々がいるのは、やはり英国文化圏ならでは。博物館の近くにウィンター・ガーデン(Winter Garden)があるというので行ってみたら、花卉温室2つとシダ温室に加え、中庭やボーダーガーデンまであって、予想よりもずっと大きくて見応えがあった。最初に入った温室は色とりどりの花がぎっしり並んでいて、かなり豪華である。そういえばシダ温室はクライストチャーチにもあったけれど、ニュージーランドは多くの種類のシダが自生しているとのこと。特に有名なのがギンシダ(silver fern)で、銀色の葉裏が暗い森でも目立つため、道しるべに使われていたのだとか。ウィンター・ガーデンを見学した後は再び公園内を散策し、周辺のジャカランダを見に行ってから博物館前へ。天気は徐々に回復して、斜面の大きなクリスマスツリー(飾り付けをした木ではなく、赤い花を咲かせるニュージーランド自生種)が、青い空に良く映えていた。最終の1時間前のバスに乗って、街の中心部に戻る。

途中通過したパーネル・ビレッジ(Parnell Village)は古い建物が通りの両側に並んでいて、一瞬散策してみたくなったものの、今朝からずっと歩き続けで疲れていたのでやめておく。今朝出発した港前で下車したところで、本日のバス観光は終了。各施設の滞在時間を短くして計画的に回れば、もっといろんなところを見学出来たのだけれど、それだと相当慌ただしくなってしまうからね。ヴァイアダクト・ハーバー(Viaduct Harbour)を見に行った後、プリンセス・ワーフ(Princess Wharf)のレストランで食事しようかと考えていたのだけれど、まだ午後4時を過ぎたばかりである。もともと夕食には早すぎる上、昼食べたのが遅かったので全然空腹ではない。かといって坂を上ってホテルに戻ってから出直すのもしんどいし、ということでスーパーで調達した軽食で済ませることにした。帰り支度を済ませて夜は早めに就寝。