2003/01/12(日)

うわっ、しまった。目が覚めたら11時前だった。とにかく旅行会社に電話しなくては~と携帯を探しているところで目が覚めたら明け方どころか、まだ午前2時。先月の東京の宿で見た夢と同じやんか。心臓に悪いったらありゃしない。とにかくもう一度寝直す。

7時にセットした目覚ましは無事に鳴ってくれた。朝食を取ってから、離島桟橋へ。支払いを済ませてクーポン券を受け取る。今日の行程が半券(?)としてずらりと綴られている。前回に続いてダイビングをしてみたいという気持ちもあったのだけれど、離島巡り熱の方が勝っていたのであった。石垣島は名実共に八重山諸島の中心で、離島便は全て石垣発着となっていて、各島相互間の定期便は存在しない。このため効率よく巡るためにはツアーを利用が必須となる。八重山のツアーは2社が競合しているが、4島巡りを実施している方を選ぶ。石垣発8:40西表島東部の大原港ゆきの船室はほぼ満席。途中、竹富島や黒島、小浜島を眺めながら西に航行。観光案内も入っていたけれど、乗り合わせた地元の人も毎回聞かされているのかしら(^^;

40分で大原港に到着し、ツアー別にバスに分乗。運転手がガイドも兼任。バスターミナルで一旦休憩を取ってから、北部の美原集落へ。途中マングローブ林や多くの自生アダンを見かける。西表島は沖縄本島に次ぐ大きさで、淡路島とほぼ同じ面積。9割が国有地である原生林で、西部には船以外の交通手段がない集落もあるのだとか。美原でバスを一旦降りて、水牛車に乗って浅瀬で結ばれた対岸の由布(ゆぶ)島へ。水牛は本来農耕用に導入されたものだけれど、現在は観光用の水牛車が主な仕事。毎日の仕事を覚え込んでいるので、操縦する必要もなく、“全自動”と言うガイドのおじぃの三線(さんしん)を聞くうちに到着。由布島は大きな颱風の被害に遭って以来無人島となっていて(島民は対岸に移住)、現在では全島が植物園となっている。蝶が舞っていて、鳥も放し飼いになっているけれど、植物以上に名前が判らない(^^; 海岸近くにはアダンの木も沢山。

再び水牛車に揺られて美原に戻り、バスで仲間川遊覧船乗り場へ。既に他のツアーの人たちで窓際の席は埋まっていたため、この後写真を撮るのに苦労することになる。あまり時間がなかったので、船はかなりのスピードで川を遡る。曇っているせいもあって、少し肌寒い。それでもここ数日では珍しいくらいに良い天気なのだそうな。年間降水量が4000ミリを超えるので、晴れ渡っている日の方が珍しいのかも。両岸はずっとマングローブ林が続くけれど、オヒルギ、ヤエヤマヒルギ、など6種類が塩分濃度の微妙な差によって棲み分けているとのこと。よく見ると気根の出し方や、葉の色などがはっきり違うのだけれど、どれがどれだか結局覚えられなかった(汗) 同じマングローブでも、アマゾン川のものに比べたらずっと背丈が低いのだけれど、密集度ではこちらの方がはるかに上なのだとか。事実、タコノキのような気根がびっしりと内陸まで続いている様は、なかなかの壮観。いろいろな有毒生物も潜んでいるとのこと。遡るうちに、マングローブが途切れて、アダンなどの混合林に置き換わっている。川が曲がっているところでは、流れの速い外側は塩分濃度が低くてマングローブは育たないとのことで、蛇行するうちにマングローブが右に左にと移り変わるそうな。さらに上流に行くと、ついには完全になくなるのだとか。途中で巨大な豆の莢(1メートル近く)を船上見学してから、簡易船着き場で下船して巨大な板根を持つサキシマスオウノキの古木を見学。樹齢400年で、板根は人の背丈ほど。でも地中には30センチくらいしか埋まっていないのだとか。時間がないのですぐに引き返す。今度は窓際の席を確保したけれど、船はほぼノンストップでバスの待つ乗船場へ。なんとか出航時刻に間に合った。

中型船に乗って今度は小浜(こはま)島へ。港からバスでヤマハのリゾート施設「はいむるぶし」に入って昼食。食事付きのツアーだったので、既に弁当が用意されていたけれど、本土のように魚以外のシーフードが出てくる心配は多分ないだろう~と思ったらその通りだったので安心。八重山ではヤシガニや巨大シジミも食べるみたいだけれど、観光客用の定番メニューとしてはあまり見掛けないようである。出て来たのはお馴染みラフティーにゴーヤーチャンプルー、ジーマミ豆腐にアーサーの佃煮などなど。食後は買い物と散策。だんだん天気が回復してきたので暖かくなってくる。

再びバスに乗って島内観光。まずは「はいむるぶし」の名前の由来から。これは「南群星」と書いて南十字星を指すのだとか。島の面積の5分の1を占める広大な園内には水牛やラクダ、ハイビスカスやリュウキュウスイレンなどの動植物が見られ、クジャクに至っては野生化しているそうな。バスはサトウキビ畑を抜けて西に向かう。丁度今が借り入れ時期で、島民だけではとても人手が足りないので、本土から応援を頼んでいるとのこと。今日はすこぶる天気が良いので、特別にコースを変更して島の最西端を訪れることに。大正時代に本島から移住した漁師達が作った集落で、小浜島の産業は9割がサトウキビ栽培で、残り1割が漁業とのこと(あれっ、観光業は!?) 幅2キロのヨナラ水道越しに西表島を眺める。綺麗に晴れ渡り、海も限りなく澄んでいる。海底地形の関係で青の濃さがくっきりと色分けされていて、西表島も濃い緑。晴れた空も真っ青。この時期には珍しいくらいの絶景。水の色が一際濃い所は水深が深く、マンタ(オニイトマキエイ)の通り道になっているとのこと。これだけ近くにある両島だけれど、遠浅のヨナラ水道は旅客船が航行不能なため、観光船も30分かけて大回り。遠浅といっても潮の流れが激しい場所もあり、漁師が流す魚のはらわた目当てで鮫が寄って来るため、遊泳禁止なのだとか。水道は西表から、電気は石垣から供給されているとのこと。

小浜島はNHKの連続ドラマ「ちゅらさん」の舞台になったので、あちこちに撮影名所がある。ドラマを見たことがない人でも大丈夫。この春から「ちゅらさん2」が始まるので、今日見た景色が再びテレビで放送されるとのこと。アダンの群落を何度か見ながら主集落に入る。あれが島で唯一の郵便局で、30万円以上の現金を引き出すときは前日までに予約が必要~と言うと真に受けるお客さんがいるんだわ(笑) シュガーロードを経由し、季節稼働の製糖工場の脇を通って船着き場に戻り、船で竹富島へ。

竹富島は半年前に訪れていたので、3島巡りのコースの方でもよかったのだけれど、折角なので再訪。西表関連のツアーは沢山あって、最初の石垣からの船は共通なのだけれど、コースによって徐々に分岐してゆき、竹富ではライトバンで移動。島の道路事情からするとマイクロバスが入れないようなので、こういうシステムが組まれているのかな。時間がないからと小浜島のバスツアーは大急ぎだったのに、竹富島では到着が早すぎるからと港で10分以上待たされる。どないなっとるんや...

前回は徒歩で伝統建築の連なる集落を見学しただけだったけれど、今回は集落を駆け抜けて星砂のカイジ浜へ。そこを見学している間に、車は別の団体を港から水牛車乗り場に運ぶという慌ただしさ。ここでもやはりアダンの木が。前回は川平湾で見掛けた自生の一本を除いては、竹富島の船着き場と石垣空港前に植えられたアダンしか見られなかったのに、今回は山ほど自生の木を見る~てゆーか、海岸部に行けばなんぼでもあるってことやね。前回の石垣島内ツアーの時も、本当は知らず知らず沢山目にしていたのかもしれない。ただ見分けがまだ付いていなかったに過ぎなかっただけなのかもしれない。

コンドイビーチ、珊瑚資料館、赤山公園を駆け足で巡って港に戻る。またしても船まで15分待ちと言われたけれど、おかげで近くのノアサガオを撮影する余裕があった。車窓から何度も見掛けていたけれど、運悪く見学地点では見掛けなかったから。待ち時間に桟橋に佇む。港内の水の色までなんと綺麗なことか。やって来た船に乗りわずか10分、石垣島に戻ったところでツアー終了。

昨日の写真屋は定休日だったので、別の店でリバーサルフィルムを購入。宿に一旦戻ってから、夕食時に町に出る。今夜は食べる方が中心ということで、八重山そばの店で郷土料理セットを注文。昼のメニューに一部重なるけれど、好物ばかりだから大丈夫。スク豆腐は5年ぶり。前回食べた時はスクガラスがとても堅くて喉にひっかかりそうだったけれど、今回のはかなり柔らかい。どっちが本来の食感なのだろう。泡盛を飲みたくなったけれど、今日はぐっと我慢。冬場の低緯度地域だから、りゅうこつ座のカノープス(α星)が見られないかと期待したけれど、夕方前から再び空は雲に覆われてしまった。この時期雨が降らなかっただけでもラッキーだったのだと諦め、宿に帰って寝る。