2012/08/18(土)

ラマダン期間が終わる今日まで朝食は午前4時開始という掲示があったけど、時差の影響でいくら目が覚めているからといって、あまり早い時間に食べても~ということで6時を過ぎてから朝食会場に行ったら、なんだか日本人率が高かったような。早めに宿を出て中央駅の地上ホームへ。指定の列車は既に入線していたので、乗り込もうと思ったら一等車は一番遠い側だったりする。座席確保のために一月以上前に予約したのだけど、実際に乗ってみたらがら空きだったのでちょっと拍子抜け。フランクフルトを出た列車は、まずは空港の長距離駅(Frankfurt am Main Flughafen Fernbahnhof )に停車。接続待ちのため少し遅れて発車した後は、内陸のケルン-ライン/マイン高速線(Schnellfahrstrecke Köln–Rhein/Main)を走り、約1時間で終点のケルン中央駅(Köln Hauptbahnhof)に到着。

ケルン大聖堂

ケルンといえば、駅前に聳える世界遺産の大聖堂(Dom St. Peter und Maria)。駅前広場から見上げる建物は写真からはみ出そうな程大きいし、午前中は逆光条件になる。と言う訳でライン川(Rhein)に架かるホーエンツォレルン橋(Hohenzollernbrücke)を渡る。鉄道橋の両側に歩道があって、歩いている傍をひっきりなしに列車が走り抜ける。そして欄干にはびっしりと南京錠が。これってアジアの習慣じゃなかったのかいな... 対岸からは青空を背景にした大聖堂が順光条件で撮影出来る。少し距離が遠いけれど近くからだと普通の広角レンズでは歪んでしまうからね。

大聖堂より

駅前に戻って、大聖堂の中に入る。祭壇の周囲を回って身廊に出て、ステンドグラス群を見てから、一旦外に出て南塔の入口へ。階段をひたすら登って最上部に出ると、ライン河畔に広がるケルンの街並を見渡すことが出来る。ただしケルンは第二次世界大戦で壊滅的な被害を受けているので、現代的な建物が殆どである。地上に降りた後は、近くにあるローマ・ゲルマン博物館(Römisch-Germanisches Museum)を見学。ケルンは元々ローマの植民市だった待ちで、現在の名前もラテン語のコロニア(Colonia)に由来している。博物館には数多くの出土品や美術品が展示されているが、見所は2世紀に遡るディオニュソス・モザイク(Dionysos mosaic)で、この場所から発掘された物が地下に保存されている。空腹になったところで、近くにあるブラウハウス(Brauhaus)で昼食。郷土料理のライニッシャー・ザウアーブラーテン(Rheinischer Sauerbraten)と一緒に地元のビールであるケルシュ(Kölsch)を注文。200mlの細長いグラスで出て来るのだけど、暑い中歩き回った後で喉が渇いていたので、ビールが苦手でも2杯目を頼んでしまう程だった。食後は旧市庁舎(Altes Rathaus)の前を通って、ヴォルラーフ・リヒャルツ博物館(Wollarf-Richartz-Museum)へ。中世の宗教画を中心に、モネ、ゴッホ、レンブラントなど著名な画家の作品も揃っている。ホーエ通り(Hohe Straße)を歩いて大聖堂の中を再び見学してから、ライン川左岸線(Linke Rheinstrecke)経由の列車に乗り込む。進行方向に座ったつもりだったけど、動き出したのは予想と逆の方向だった。

ベートーベン像

ケルンの市街地を回り込んでから南に向かい、約20分でボン中央駅(Bonn Hauptbahnhof)に到着。ドイツが分断されていた時代は旧西ドイツの首都だった街だけど、暫定首都だったので“静かな大学町”という表現が似付かわしい。駅前から炎天下の通りを歩いて、ベートーベンの像(Beethoven-Denkmal)、マルクト広場(Markt)を経て、ベートーベンの家(Bethoven-Haus)に行こうとしたらいつの間にか通り過ぎてしまっていて、地図を確認しながら慌てて引き返す。入口は普通の民家と変わらず、扉が解放されていないので判り辛かった。世界で最も有名な作曲家の生家で、縁の品や楽器、自筆の楽譜などが展示されているが、室内は撮影禁止となっている。駅近くには他に見所もなかったので、早めに駅に戻って水分補給をしてから指定しておいた列車を待つ。一つ前の列車が1時間以上遅れていたけれど、乗る予定の列車は10分程度の遅れだった。

ローレライ

行きの列車は山間部の新線経由だったのに対し、帰りはライン川沿いの在来線を走る。コブレンツ(Koblenz)を過ぎると景勝区間となる。去年は時間の都合上見られなかったマルクスブルク城(Marksburg)も、車窓から確認。宮古島の「うえのドイツ文化村」にある城のモデルだから、遠くからでもすぐに分かった。昨年船を降りて鉄道に乗り換えたザンクト・ゴアール(St. Goar)を通過すると、ローレライ(Lorelley)が見えて来る。船でこの辺りを通った前回は、どんよりと曇って肌寒かったのだけど、今日は暑い代わりに天気がとても良い。見覚えのある景色を見ながらリューデスハイム(Rüdesheim)の対岸を通過し、マインツ(Mainz)に停車した後は、マイン川(Main)流域に入る。フランクフルト中央駅で下車し、駅構内で軽食を調達してから宿に戻る。夜になると涼しくなるのだけど、扇風機を回しても部屋の中の熱気がなかなか逃げないので、毛布は使わずに就寝。